無鄰菴は明治時代に山縣有朋が建てた別荘です。山縣は長州藩の元々は足軽以下の低い階級であったにもかかわらず、吉田松陰に入塾し、高杉晋作の奇兵隊の一員となり明治維新で活躍をしたので、出世し、第三代の内閣総理大臣にもなっています。
庭園を手掛けたのは小川治兵衛(おがわじへい)で、日本庭園の先駆者と言われています。平安神宮や円山公園も手がけています。
無鄰菴は、隣人がいないほどひっそりした別荘という意味から付けられています。なので心が落ち着く、癒される空気があります。
小川治兵衛は、琵琶湖疏水で引いてきた水を活かした庭園作りをしていたので、水の流れが庭の美しさを引き立てる大きな要素となっています。
一部ですが、カキツバタが咲いていました。
同じくカキツバタ。
無鄰菴の庭はこのようなデザインになっています。この先っぽまで歩いて振り返ると下の写真のようになります。何か大自然を感じさせます。
足立美術館のお庭は、人の手がはいった庭であることの美を感じさせたのに対し、こちらの庭は、人工の庭なのに、日本のそのままの自然の美が一か所に凝縮されたようです。
あちらこちらに出かけなくても、無鄰菴の軒先に座っているだけで、日本の自然の美が四季を通じて楽しめるという非常に贅沢なものですね。
さすが山縣有朋、下級兵士から総理大臣になっただけあって、真の贅沢がなにかということを理解しています。
母屋からみた庭。
開放的な構造でパノラマが楽しめます。この他に洋館が敷地内にあるのですが、正直いって閉塞的であまり好きになれませんでした。外国から要人をゲストで招いたときに使ったのでしょうか。
無鄰菴を出たところを南に眺めるとちょうど東山の山頂が見えます。
そばにある瓢亭。朝がゆが有名な店ということですが、昔はもっと気軽に朝がゆを食べれたのでしょう。今は6000円です。
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