2022年4月27日水曜日

【丹波】三尾山と鋸山

 (鋸山からの眺望)



今日は丹波市にある三尾山(みつおさん)(568m)と鋸山(のこぎりやま)(606m)に登ります。

丹波地方で今まで登った山をプロットしてみました。そこそこ色んな山に登ってますが、今回の山は篠山盆地の北に東西に伸びる多紀連山に連なる山で、分水嶺になっています。

ちなみにこの地図はカシミール3Dを使ってみました。尾根が際立って分かりやすいですが、ちょっとギラギラし過ぎかな。



これがルート図になります。三尾山の広大な駐車場に車を停めて、三尾山の名前の通り、東峰、西峰、本峰(三尾山頂上)の「三つの尾」を踏破してから鏡峠までいったん下って、鋸山を踏んでから引き返し、鏡峠から下山します。

合計距離約10km、累積標高840m、合計時間5時間弱でした。三尾山から覗岩までの区間に少し岩場の坂があり注意を要しますが、覗岩から鋸山までは分水界の尾根歩きで歩きやすいです。

鋸山は名前だけ聞くと妙義山みたいなイメージですが、登りにくいところはありません。どこかに修験者用のギザギザルートがあるのでしょうか?



春日栗柄線(県道69号)を走っていると「三尾山登山口」の看板がでてくるので南に曲がってしばらく行くと広大な駐車場に出てきます。

三尾山は丹波市では「丹波富士」と言われるくらいに愛されている山のようですが、本当にここに停めていいのかと思うくらいデカすぎる駐車場です。

駐車場は、ここ以外にも鏡峠から降りてきた溜め池の近くにもあります(上記地図に場所記載)。


駐車場にある権太夫大神を祀る神社。権太夫とは日本書紀の大己貴神(おほなむち)の別名で、古事記で言う大国主命(オオクニヌシノミコト)のことらしい。



駐車場の先にあるゲート。これが硬くて開け閉めがかなり大変。女性では無理じゃないか?
この先、舞鶴自動車道の下をくぐりぬけて行きます。



登山口近くにあった山岳訓練場。修験者のみならず現在のレスキュー隊員の訓練にも使われているようです。



お地蔵さんの立つ洞窟。そこそこの急坂なので息苦しい。



急坂を登るとようやく尾根に出てきます。休憩用のベンチがありますが、ここを右に曲がると三尾山東峰、通称「前三尾」です。



ここが前三尾からの景色。舞鶴自動車道が通っています。



いつの間にか西峰(中三尾)は通り越して、三尾山の最高地点に到着。「三尾城址」の石碑があります。三尾城は、丹波の赤鬼と知られる赤井直正の弟が築城した城で、兄の直正と共に、明智光秀に立ち向かいいったん勝利をおさめます。

このあたりは、去年、猪ノ口山の黒井城に行ったときに記事を書きましたのでご参考まで。



東の方角を見ると、薄く二連山になっているのが多紀連山の西ヶ嶽(727m)と三嶽(793m)です。西ヶ嶽の右の尖ったところが鋸山で今から向かうところです。



さきほどの前三尾にあった樹が見えます。



三尾山からの下りは岩場の箇所がいくつかあって注意を要します。ロープが張ってあっても全然おかしくないところです。


途中突き出た岩から再び、西ヶ嶽、三嶽、そして鋸山。少し近づいたかな。ちなみにこの岩は越えませんのでご安心を。


ツツジの花。


再び岩場。まあ、そんなに危険を感じるわけではないですが。


三尾山頂上から約30分後、覗岩にやってきました。大峰山の「西の覗き」のように、「お母さんを大事にするかぁ~」とかの修行をしていたのでしょうか。覗岩は丹波の山にはちょくちょくあるので、それだけ山岳信仰が盛んだったのでしょう。大峰山の宗派に襲われて滅ぼされたそうですが。


三尾山が後ろに見えます。


覗岩から先は、この「分水界の径」の立て札に沿っていけばよいです。尾根道なので歩きやすく、ときおり北側には春日地域の集落を見下ろせます。


覗岩から30分後、鏡峠に出てきます。帰りはここを下山します。

ここから鋸山までピストンです。


鋸山への道も尾根沿いで歩きやすい。



途中にブナの林があります。



さすがに鋸山頂上手前はこんな道になりますが、それでも全然登りにくくはありません。


鋸山の頂上の素晴らしい景色。上はパノラマモードです。天気も非常に良いです。

実は途中で地図を落としてしまい失くしたものだと思っていたら、後から来た方が拾ってくれていました。有難い!しかも、「この地図のせいで命拾いしました」などとイカしたジョーク。



帰りは鏡峠から下山していくと、溜め池の先が登山ゲートです。このゲートもかなり頑丈ですが、三尾山のようにガチで固くなくてホッとしました。

「中山新池」とありますが、このあたりは他にも溜め池が多いです。



登山口そばにあった広い駐車場。三尾山駐車場ほど広くはありませんが、かなりの台数が停まっています。登山中は3組くらいしか会わなかったんだけどなぁ。


三尾山駐車場へ戻る道を歩くと、三尾山から鋸山までの尾根道が見渡せます。右手に突き出た300mほどの山は登っていません。


茶畑。尾根道をバックに。


途中にあった立派なお寺、「無量山正覚寺」と書いてあります。


お地蔵さんが祀られています。春日の集落はとても美しい。


駐車場手前から見た三尾山。とても天気が良くて気持ちの良い登山でした。



2022年4月22日金曜日

賤ケ岳

(賤ケ岳頂上からの余呉湖の眺め)


 大津市堅田に引っ越してきて琵琶湖が近くなったので、賤ケ岳(421m)に行きます。堅田から湖西道路で車で1時間30分、いや~琵琶湖って大きいですね。

賤ケ岳は琵琶湖の北に取り残されたように見える余呉湖と琵琶湖の間にある低山です。

余呉湖は琵琶湖から分断されたわけではなく、北から流れる余呉川の水が溜まってできた自然湖です。



登山コースですが、余呉湖観光館に車を停めてから、まずは大岩山(281m)に向けて山道を登ります。

大岩山までは鳥獣保護区で落葉樹や照葉樹など様々な植生の中を歩くのでとても癒されます。イカリソウがあちこちに咲いています。一方、大岩山から賤ケ岳頂上までは杉の植林が多いですが、それなりに森林浴を楽しめます。

頂上までは景色はほとんどないのですが、頂上に来た瞬間、余呉湖と琵琶湖の2大パノラマに圧倒されます。いままで数多くの山に登ってきましたが、ベストの中に入る景色です。

賤ケ岳頂上からさらに余呉湖の東側を周って余呉湖をぐるりと一周することもできますが、今回は、頂上から余呉湖の湖畔に下山し、元の観光館へ戻ります。

合計距離9km、累積標高320m、ゆっくり歩いて4時間の気持ちの良いハイキングです。




余呉湖観光館の前の広い駐車場に車を停めます。


観光館からの余呉湖の眺め。


観光館から少し北に歩いたところに登山口があります。


小さい神社の横を登ると登山開始です。


大岩山までの道のりが鳥獣保護区になっていて自然の植生が残されており、大変気持ちよい。今日は奥さん同行です。


落葉樹のギザギザの葉が樹木の種類が一番多く、見分けるのが難しい。ギザギザの形も種類によって微妙に違う。これはアカシデに見えます。


二日前の長老ヶ岳に登った時にたまたま見つけたイカリソウが、大岩山までの道の両脇にたくさん咲いています。長老ヶ岳の時は、レア物発見!と思いましたが、そうでもなさそうです。


強精剤など薬草効果もあるイカリソウ。



大岩山頂上には、豊臣秀吉の配下の中川清秀の墓があります。中川清秀は柴田勝家の軍に備えてこの大岩山に砦を築いていましたが、柴田勝家配下の佐久間盛政の猛攻に遭い奮戦の末、戦死します。


大岩山を越えると杉の植林が増えてきます。杉が増えるにつれ、イカリソウはいなくなって、代わりにムラサキケマンが多く咲いています。

このムラサキケマンは、花、茎、葉っぱと全てが有毒だそう。



見事な大樹。杉ではないでしょうが、なんの木でしょう。




賤ケ岳頂上にやってきました。ずっと景色がなかったのに突然見事な視界が広がるので感動ひとしおです。


右手に竹生島が浮かんでいます。



こちらはパノラマモードで撮影。左手に伊吹山、中央には長浜方面の山本山へ尾根が伸びています(賤ケ岳山本山歩道)。これはなかなかの絶景です。霊仙山(1094m)も見えます。


北方向を見ると余呉湖の全景が見れます。こちらも素晴らしい景色。賤ケ岳の頂上の景色がここまで素晴らしいとは思っていませんでした。横山岳(1132m)も見えます。


中川清秀を破った佐久間盛政でしたが、それを知った豊臣秀吉が急遽、軍を賤ケ岳に向けて柴田勝家軍に挑みます。前田利家に離反された勝家軍は士気を落とし、秀吉軍に撃破されてしまいます。

頂上にあるのは、敗けた勝家の像かと思いましたが、勝った秀吉側の武将のようです。


頂上にあった合戦図。


琵琶湖の景色をスマホにおさめる奥さんの図。


景色を見ながらコーヒータイムを終え、下山します。


下山ルートも景色はないものの、気持ちの良い山道。途中、飯浦分岐を余呉湖方面へ折れます。


余呉湖湖畔に出てきました。大きな空き地は以前、国民宿舎があった場所です。

国民宿舎「余呉湖荘」は1973年に建てられましたが残念ながら2013年に閉鎖してしまいました。素晴らしい場所ですが、さすがに設備が古すぎたのでしょうか。


賤ケ岳頂上から見える景色もよいですが、湖畔の景色も素晴らしい。琵琶湖(670㎢)と比較すると余呉湖(2㎢)は誤差範囲なくらい小さいのですが、なかなか立派な湖です。

というか琵琶湖がデカすぎる。



湖畔ルートにあったサワオグルマの群生地。看板がないと、菜の花と思い通り過ぎてしまいそう。


サワオグルマはキク科だけあって、よく見ると、花の形が菜の花とは全く違います。


余呉湖観光館に近づくと多くの八重桜が植えられていました。




余呉湖観光館に戻ったあと、北国街道の宿場町である木之本に行きました。親友O君おススメのサラダパンを入手するためです。近所のアルプラザ堅田店でも取り扱っているはずなのに、いつも店頭にありません。

サラダパンを作っている、つるやパンの本店が木之本にあるので行ってみると、さすが本店だけあり、サラダパンが並べて陳列されています。

お店の雰囲気は、本店というより近所のパン屋さんといった感じで、近所の奥さんたちのような方々が奥の作業場で一生懸命パン造りに専念されていました。


O君は、サラダパンよりも、サンドウィッチのほうがより美味しいということなので、すぐに車内でいただきました。サンドウィッチは、ふわふわのパンに魚肉ソーセージとマヨネーズが挟んであります。

サラダパンはタクアンの細切れをマヨネーズとマーガリンで和えたものを、ふわふわの給食パンで挟んでいます。

どちらも、安くて普通の食材を意外な組み合わせにより美味しい味と食感を作りだした点で大変独創的だと思います。地元の奥さんたちの愛情がふわふわパンに感じられて幸せを感じられるパンでもあります。

賤ケ岳への癒されるルート、頂上の絶景、そして幸せ感じるパンと、とても充実した一日でありました。