2022年3月25日金曜日

近江富士(三上山)~裏登山道~

 今月から晴れて滋賀県民となりました。近江富士と呼ばれる三上山(432m)に登ります。

コースについては、滋賀県野洲市が公開している三上山の登山マップがわかりやすいです。

御上神社からは、表登山道と裏登山道の2つのコースがありますが、今回は久しぶりの山登りをする奥さんと一緒なので、初心者向けの裏登山道を行くことにします。

下山は頂上から先へ降りて行き、北へ迂回(中段の道)して登山口へ戻るというルートです。

累積標高346m、行動時間約3時間の軽い登山です。


三上山には2019年6月に登りましたが、その時は表登山道を進み、となりの妙光寺山(267m)を踏破して戻るルートを行きました(ブログはコチラ)。

表登山道は岩場が多くて初心者にはちょっと厳しいかもしれません。対して裏登山道は岩場は無くはないですが、危険はまったく感じません。


今回は、御上神社の駐車場に車を停めて神様へお参りをするところからスタートです。


ヒノキの巨木が立ち並ぶ堂々たる神社です。正直、こんな立派な神社だとは思っていなかった。


御祭神は天之御影命(アメノミカゲノミコト)で、御上神社や三上山の「ミカミ」は「ミカゲ」からきているものと思います。天之御影命は別名、天目一箇神(アメノマヒトツノカミ)と言われ、鍛冶の神です。

鍛冶職人は片目で炎を見続けるために職業病で見えなくなってしまうため、「目一つ」という名前が付いています。

近江は奈良時代の鍛冶工房の遺跡が出土(記事)しており、平安時代、鎌倉時代には刀工も盛んで、長浜の国友には鉄砲職人の村があります。

鎌倉時代の建立である本殿は国宝になっています。



ヒノキの巨木があるだけあり、檜皮葺の屋根を支える棒の列(桔木[はねぎ]というらしい)の先には金細工が施されています。こういった装飾は今まで見た記憶がありません。

こういうディテールが一番手間がかかるものです。



御上神社を出て登山道に向かって進みます。向こうに見えているのは女山で、三上山は左隣りです。


登山口にやってきました。「駐車できません」と書いてありますが、左手に割ときちんとした駐車場(6台程度)があります。前回来たときはここに車を停めました。


登山口に江戸時代の天保期に起きた百姓一揆の説明板があります。数万人が三上山ふもとの役所に押し寄せたというから非常に大規模だったのでしょう。

天保といえば大飢饉のあった時代で大塩平八郎の乱もこの時期に発生しています。


登山口の案内版。これを見ると表道(1.5㎞)よりも裏道(1.3㎞)のほうが短い。ここの登山口が裏道に近いからだろう。


獣害フェンスを越えるといよいよ登山。


左が表登山道ですが、今回は右の裏登山道へ進みます。久しぶりの登山ですが、軽快に足を進める奥さん。


土壌が薄いので、木の根が表面に張り巡らされています。


山頂に近づくにつれ岩場が出てきますが、普通に歩けます。


誰かが置いていった銭形警部のフィギュア。ルパンを探しているのか。


頂上に行くにしたがって風化に強い流紋岩が露出してきます。押しつぶされたようなシワの跡が太古の溶岩流の想像させます。

一方で花崗岩が風化に弱いので流紋岩を残してどんどん削られていき、山の形が残るというわけです。


流紋岩の岩肌に巻き付くように伸びた木の根。踏み台にはちょうど良い。


途中で姥の懐という急坂が出てきます。迂回して裏登山道を進みますが、あまり抱かれ心地が良くないということでしょうか。


巨大な岩がありますが、通行の妨げにはならない。


頂上に到着。こちらは御上神社の奥の宮。ちゃんと本殿でお参りしてきましたよ❗



頂上にある磐座(いわくら)


あいにく今日は黄砂の影響でおぼろげにしか景色が見えません。


頂上からさらに先に進みながら下山していきます。階段が整備されているので登りよりもさらに歩きやすい。


下山後、中段の道を通って迂回しながら登山口に戻ります。


表道の登山口を出たところ。


軽登山なので下山完了がちょうどお昼の12時でした。滋賀のローカル局で紹介されていたお店でランチにします。

NOBODAストアというお店でキッシュとグラタンのランチセットをいただきました。お店はオーナーの主人が一人で製作されたという無骨な鉄工芸の工場風のインテリアに、奥さんの観葉植物が組み合わさったユニークなものです。

鍛冶の神である天目一箇神(アメノマヒトツノカミ)の山をお参りして、鉄工芸のお店でランチ。一貫性のある一日でした。







2022年3月16日水曜日

【丹波篠山】虚空蔵(こくそう)山

(名所:虚空蔵山頂上付近の丹波岩)


 この冬は特に寒かったのと、京都市から大津市へ引っ越し🚛たのとで、2カ月近くも月読ブログから遠ざかっていました。

2月24日にはロシアのウクライナ侵攻が開始され今のなお進行中です。21世紀になり世界各国が手を携えて未来の人類へ希望を繋げていこうとしている努力に完全逆行する行為でありプーチンには正義の鉄槌が下されることを切に願います。

3月中盤になってようやく春を感じさせる気候🌞になりました。今日(3月16日)は特に素晴らしい天気に恵まれたので、農園のある丹波篠山近くの山に登ってみることにします。

久しぶりの登山なので軽めのコースとして虚空蔵(こくそう)山を選びました。丹波篠山市中心の篠山城跡から車で約30分の場所です。


コースですが、丹波焼の窯元の中心である立杭陶(すえ)の郷の駐車場に車を停めて虚空蔵(こくそう)山に登ったあと北隣の八王子山頂上で折り返して戻ります。

標高差433m、累積標高688m、合計時間4時間ほどの軽いコースです。頂上付近には軽い岩場がありますが、登山道は整備されており初心者でも楽しめます。

そばにJR福知山線の草野駅と藍本駅があり、すれ違った2組とも駅間を縦走するコースを採られていました。草野駅から登ってきた人から聞くと、八王子山と草野駅の間にはクサリ場があるらしいですが、クサリを掴まなくても登れる程度のものらしいです。


朝8時半ごろに立杭陶の郷の駐車場に停めます。丹波篠山の人気スポットの一つなので帰りには半分以上駐車していましたが、早朝は私のスイフト一台のみです。若干気が引けます。

登山コースの最初に4台ほどの駐車スペースがあったのでそこに停めるのもよいかと思います。


立杭陶の郷の舗装道路を少し上に上がっていくと虚空蔵山への登山口の案内版が出てきます。


登山口そばにある立て看板。丹波立杭焼は日本六古窯(ろくこよう)の一つで素朴な味わいが特徴です。

施設内には以前訪問しましたが、数十の丹波焼のお店が並んでいて伝統的なものからモダンなものまで品数が多く、値段もお手頃なものが多いので買い物が楽しめます。猪鍋が食べられるレストランもあります。


朝の登山口は本当に気持ちよく、ウグイスの鳴き声が絶え間なく聞こえます。ウグイスの他に「ツクツクボーシ」とさえずる鳥がいます。ツクツクボーシは蝉ですが、誰が聞いても完全にツクツクボーシと認識できる声です。

調べてみるとキビタキというスズメの種類の鳥だそうで、鳴きまねが得意な鳥らしいです。

音声だけの録音ですが、下のボックスをクリックするとウグイスとキビタキの声が聞こえます。キビタキは録音した時は「ツクツクボーシ」とはさえずってくれませんでしたが、声は聞こえます。



キビタキはこんな愛らしい鳥です(Wikipediaより)。


朝日を背景にした杉林。


北に折れ曲がる場所にベンチがあり休憩できるようになっています。


登山道には硬質ゴム製のしっかりしたステップが金属杭でしっかりとうちつけられていますが、肝心の段差が大きいところでは浸食などで浮いてしまっていてかえって歩きずらい。



藍本駅へのルートの分岐点です。


藍本駅分岐から頂上までは少し岩場の多い道になりますが、全く危なさはありません。


頂上手前の名所、丹波岩です。修験者の山であれば、「〇×の覗き」という名が付いるような場所です。


虚空蔵山の頂上に到着。頂上にはベンチのついたテーブルが設置されているのですが、かなり壊れていてギリギリ使えるレベル。


南から東方面への景色が広がります。特になじみのある山が見当たらないのが残念ですが、低山が波のように遠景へ続くさまは美しいものがあります。


頂上にあった説明図。左手(南方向)には淡路島も見えるはずですが、少しガスってるので淡路島なのかどうかよくわかりません。


虚空蔵山から北へ40分ほどいくと八王子山に到着しました。少しアップダウンのある尾根道で、虚空蔵山だけ登って帰るだけだと物足りないのでちょうどいい。


八王子山の頂上。景色はありません。😅


八王子山からの帰り道に見えた虚空蔵山頂上。約100メートルの差です。

このあと、虚空蔵山の頂上でランチにおにぎりを食べていると携帯電話がなり、親父が倒れたと救急車から連絡が。このあと急いで下山して搬送先の病院に駆けつけたところ命に別状はなく不幸中の幸いでしたが、何でわざわざ山の頂上にいる時にそんな事件が発生するのかと思いました。