2018年5月27日日曜日

武奈ヶ岳でテント泊

5月27日(日)、28日(月)と一泊で武奈ヶ岳に行きました。

ルートですが、朽木の坊村バス停から御殿山コースと言われるルートで武奈ヶ岳頂上まで登り、そこから、金糞峠を経由して八雲ケ原でテント泊します。


2日目は八雲ケ原を出発して釈迦岳に到達、そのまま稜線沿いにヤケ山まで歩いて、登山口に下りて、JR北小松駅で京都へ帰ります。


出町柳駅から10番の路線バスで朽木方面へ向かいますが、シーズン中だけあって、大勢の登山客がいて、臨時便を入れて2台のバスが満員です。

一泊するのでそんなに早朝でなくてもよかったのですが、一日2便しかないので、朝7:45発、坊村到着が8:41です。土曜日と日曜日含む休日しか運行していません。

坊村のバス停を下りてトイレを済ませて神社の方へ向かって出発です。




御殿山コースの出発点です。


どこの山もそうですが、最初のとりつきが急坂で、体が慣れていないのといつもよりヘビーな荷物のせいで足取りは重く、あとからきた山ガールズ達にも抜かれる始末...


これは何の花だろう。サツキにしては背が高いし。


ようやく御殿山に到着。1097mです。


ここに来るまでの行程で、変わった鳥の鳴き声が聞こえました。近くに歩いている人が、「アカショウビン」と言っていました。奄美大島で聞いたことがありますが、京都府では絶滅危惧種です。声を美しければ姿も綺麗です。YouTubeを掲載。これと同じ声です。



なんとここからもう武奈ヶ岳の頂上が見えます。奥の右のてっぺんです。
いつもそうですが、頂上が見えるだけでずいぶんモチベーションに拍車がかかります。


ワサビ峠です。


小さな可愛い赤い花がたくさん提灯のようにぶら下がっています。調べて見るとこれはベニドウダンという花でした。この花はここだけではなく武奈ヶ岳周辺に多く咲いていますが、5月中旬から6月初旬だということで今しか見れない花です。



さあ、もう一息で武奈ヶ岳の頂上。右下にちょこっと写っている人に、「今日は泊まりですか?」と聞かれました。やはりサーマレストを担いでいるとすぐにバレますね。


ここから武奈ヶ岳の頂上までが素晴らしい。新緑と花々でまるで自然の植物園です。これを見るためだけに武奈ヶ岳に登る価値はあります。



こちらは朽木方面。比良山系も山が多いですが、京都北山も同じくらいの山々が広がっています。京都府は京都の中心部以外は丹後までずうっと山々なんですね。鞍馬で牛若丸として過ごした義経が勝手知ったる北山に身を隠されると鎌倉幕府は見つけられなかったはずです。


さあ、頂上までもう少し!


1214m、武奈ヶ岳頂上到達。30人くらいの登山客がいて、ゆっくりお昼を食べる場所を探すのに手間取りました。しかも虫が多い。


少しガスっていますが、琵琶湖が広がります。


こちらは北東方面。明日向かう釈迦岳かな。


出町柳のおにぎり屋さんのおにぎりと鶏カラをたべると金糞峠へ向けて進みます。


ここはコヤマノ分岐。八雲ケ原へ行くショートカットもあるのですが、ここは敢えてよく聞く金糞峠を見てから八雲ケ原へ行くことにします。まあ、あとは寝るだけですし時間はたっぷりある。


ブナの樹々です。杉と違ってブナは生え方に個性があっておもしろい。


コヤマノ岳です。


荷物が重いので休む頻度も多いです。軽い荷物で日帰りでスイスイ行く方が正直楽しいでしょう。今回の主目的は八雲ケ原のテント泊なのでしんどいのもしょうがない。


この二本のブナの樹は何となくラブラブな感じがします。


金糞峠に近づくと沢の音が聞こえてきます。


美しい水がどんどん流れてきます。水源として使われているほどの水なので飲んでも大丈夫なのですが、一応お湯用に採取し、汗だくの顔と頭を洗うとかなりスッキリした気分になります。


金糞峠に到着。ここから下は武奈ヶ岳の名所、青ガレのコース。


今回は行きませんが、日帰りだったらここから下山してイン谷口へ十分行けます。一瞬琵琶湖へ視界が開けると同時にスマホの電波も入ります。


金糞峠を見たので、いよいよ今日のテント場所である八雲ケ原へ向かいます。水場という意味では金糞峠のほうが向いています。


金糞峠にもテント場がありました。テント場は、このように平地に地肌が見えているのと、注意書きの札がぶら下がっているので特定できます。


美しい沢を覆うようにモミジが。



しばらくいくと八雲ケ原へ到達。沼の色は茶色く、飲み水としては使えそうにはないです。


ここが湿原の中心部です。



このあたりにテント場所が10か所くらいあります。なんと今日は私以外に誰一人としていませんでした。独り占めのうれしさと、寂寥感と心細さが入り混じった気分です。


エスパースソロをはります。右に見えるのが今回もってきたヘリノックスのチェアです。


この椅子(ヘリノックス チェアゼロ)は重量が500g未満で軽いのですが、座り心地は抜群です。500gと言えども、少しでも荷物を減らしたいところですが、これに関して言えば、あるのとないのでは大違い。特に今回のように16時前に、早めにテント場に到着してしまう時には欠かせないです。


ちなみに、このチェアゼロを買う前に、サンセットチェアを買っています。これは1.6Kgなのでさすがに登山には持っていけないのですが、週末の鴨川の犬の散歩の際には持っていき、大文字山を見ながらゆったりとした時間を過ごしています。チェアゼロも携帯用としては座り心地はいいですが、サンセットチェアは普通に自宅の部屋の椅子として使っても愛用できそうなレベルです。


こちらが湿原の中心の沼です。色は赤黒く、きれい、という表現はすぐに出てきません。


サンショウウオでしょうか。沼中に何百匹かそれ以上います。プカー と浮かんでたり、ボー っと底に沈んでいたり。

私が登山を終えて会社にいっている間も、八雲ケ原のこの沼で、プカーとしているんだなぁと思うと、何やら生きる意味って何なんだろうと考えてしまいました。



エスパースのテントの下敷きにすることがメインの用途のアンダーグラウンドシートですが、このようにテントの前に敷いてみました。これでデカイ登山靴を脱いだり、土で汚れず調理器具等を置くことができ、リビングができたようです。


幅がテントと同じなのでテントの角にフックで止められるので風で飛んでいくこともありません。


ソーセージをグリルで食べました。あと尾西のチキンピラフを食べたのですが、あまり美味しくない。お茶の味がキツイ。アルファ米は素朴なものにしておくのが無難かも。

こうしてヘリノックスに座って食事をしたり紅茶を飲んだり、スマホでKindleを読んだりして時間を過ごしたのですが、とにかく虫がブンブン飛び回ってきます。

最初は気にしないでいたのですが、だんだん居たたまれなくなりテントの中に撤収。日没の7時くらいになると気温が下がるからでしょうか虫がいなくなって至福のひと時でした。5月だから虫はいないという想定は大間違いで、虫よけの森林香などを持ってくるべきでした。

今回は虫のせいで、テント泊はほぼ台無しになってしまった塩梅です。


さて、翌朝5時半ごろに起きてソイジョイとチーズを食べたらテントを撤収して釈迦岳に向けて出発です。


少し南にいったところで琵琶湖の景色が広がりました。


土砂崩れのせいで幅がせまくなっている道がところどころあります。普通にしていれば落ちる心配はないですが。


電波塔。どうやって建てたのだろうといつも思います。


釈迦岳です。特に景色が広がるわけでもない。


ここからは尾根沿いです。右手に琵琶湖を見ながらの長いトレッキングコースはとても楽しい。今回の旅のハイライトです。

琵琶湖の向こうにカニの爪みたいな形に見えるのが沖島です。琵琶湖のなかに浮かぶ島で集落があり、本土の堀切港から二時間おきに船がでているようです。

今度行ってみたい。


また、危なそうな道。でも土砂崩れの場所ほど景色がよい。


沖島の手前に見えるのがリング状になっている所。これは近江舞子沼です。琵琶湖と一言で言っても、広いのでいろんな場所がありますね。



まだまだトレッキングコースは続きます。




大津方面です。なんとなく琵琶湖大橋が見えるような。


振り返ると武奈ヶ岳やその先の蓬莱山が見えます。天上の世界ですね。


ヤケオ山到着。


ヤケオ山、ヤケ山とどういう由来なのかわかりませんが、焼けたあとみたいな荒れた道が続きます。


ようやく、といった感じでたどり着いたヤケ山。水と食料を消費して軽くなったはずの荷物ですが、やはり重いのはこたえますね。


このあとは下り道で、日陰になっているせいで文字通り涼しい、涼峠をこえてさらに行くと、揚梅の滝(ようばいのたき)があります。雄滝、雌滝とありますが、奥にある雄滝は滋賀県で一番落差の大きい滝だけあってかなりの迫力があります。

ただ、このルート、山と高原のマップをよく見ると、実は難路を示す破線で示されています。この雄滝を見るために奥に進むために岩の間を飛び越えなければならず、渡渉ルートのような危なさがあります。


しかも滝からの帰りのルートでまさかの鉄バシゴ。今回の旅では一度も鉄鎖や鉄バシゴがなかっただけにまさか最後の最後で登場するとは思いませんでした。

写真は下りてから撮ったのですが、ハシゴの上部はスペースが非常にせまく、最初の数段に足をかけるのに細心の注意が必要です。


鉄バシゴが終わっても、滑る枯れ葉に覆われた急坂の下りがあり、写真の滝見台に行くまでに岩のホッピングがあります。最後の岩のホッピングでは濡れた表面に足を滑らせて危うく転倒しそうになりましたが、勢いにまかせて次の岩にジャンプしたせいでなんとか事故を防ぐことができました。

正直このルートはオススメできません。


ようやく登山口に下りてきました。「登山の心得」の第一条が「単独登山は絶対にしない」と書いてあるのが、さきほど転倒しかけただけに心にグサリときました。今後はできるだけ滝や渡渉は避けるように心に誓った次第です。


登山口から駅へ向かう道で後ろを振り返るとヤケ山でしょうか。


北小松駅では平日でも一時間に2本電車がきます。新快速電車も停車してくれるので快適に京都への帰路の時間を過ごしました。