2021年9月28日火曜日

【四国】剣山

 二泊三日の四国の旅の二日目は、メインイベントの剣山です。

一日目の金刀比羅宮の記事はコチラ

前日は、阿波池田のホテルイレブンというビジネスホテルに泊まりました。後で思えば、登山口そばのラフォーレ剣山に泊まれば良かったかなと思います。

それでも、阿波池田はちょっとした町で焼肉屋もあったので、夕食は焼肉にしました(炭火焼肉たいら)。コロナのせいで久しぶりの焼肉屋でしたが、ドギツイ味に少し閉口しました。これは味付けというよりは、自分の感覚が長く外食から遠ざかったために変わったのだと思います。コロナのおかげで体がリセットされたと言ってもいいのかも知れません。


翌朝6時のホテルから見た阿波池田駅です。


登山口からは随分遠いのですが、幸いこのホテルは非常に良く、部屋も広くて清潔で、朝食は6:30からだったのですが、6時に出ると言うと、私の都合に合わせて6時に朝食を用意してくれました。


高速で東へ進み美馬ICで降りてから、国道438号で見ノ越登山口まで走ります。30キロほどの道がカーブの連続で、半分以上が一車線なのでちょっと疲れましたが、8時半には見ノ越のリフト乗り場の駐車場に到着しました。

駐車場は、さすが人気の山だけあって広いです。


駐車場の地図看板ですが、最初は、剣山から次郎笈、丸石から二重かずら橋まで下りてきて、見ノ越まで戻ることを考えていましたが、到着が17時頃になって暗くなりそうなのでやめました。

ラフォーレ剣山に泊まっていれば十分出来たでしょうが、暗がりのカーブを30キロも運転するのは気持ちが悪いのでこのプランは却下。


剣山頂上までには色々なルートがあるので、敢えて迂回ルートを歩くことで剣山をじっくり楽しんで時間を使おうという作戦に変更。

それでも14時頃には戻れるので、帰りは大歩危の温泉旅館でゆっくりする目論見です。

これは、ケーブル西島駅にあった地図看板ですが、頂上までの色々なルートが描いてあります。

真ん中の水色のルートを往復してしまえば最も簡単です。なにせ、登山口が1400mの高さなので、山頂が1955mあると言っても標高差は555mしかなく、登山道もよく整備されているので、比叡山登山程度のレベルなので、初心者でも十分登山を楽しめると思います。

結局、登りはこの地図の赤のルート、帰りは青のルート(大劔神社経由)をとることにしました。


ところが、この赤のルートが行者コース💥と言われるコースで、しかもそのまま登ると頂上から外れて二の森へ行ってしまうため、クサリの絵が描いてある行場を越えて行こうとしたのですが、スリップ注意のマークが描いてある通り、この鎖行場が極めて難易度の高い場所💣で途中でストップしました。


登山口は、駐車場からすぐの劔神社の裏にあります。


登山の安全を祈りパンパン。


ここから入山します。


紀伊山地とつながっている四国山地だけあって、森の空気も奈良の山々を感じさせます。


途中にテント場が。ここで寝て、翌朝ガッツリ縦走するのもアリですね。


登山口から40分ほどでリフトの終点、西島駅に到着です。


西島駅から3つのコースに分かれます。


これは剣道コースと遊歩道コースの分岐点。


10分ほどで刀掛の松に到着。ストックを掛けてみました。


刀掛の松のそばにある小さな社が枝折(しばおり)神社


天候は霧雨がふりかかり真っ白です。
枝折神社からも3つのルートに分かれます。


赤の行者ルートに進みます。


トリカブトの花が咲き乱れています。この葉っぱを1g食べると死にます


赤の行者コースはマイナールートだけあって、人に踏み固められていない、自然に包まれるような気分になれます。

8月にはキレンゲショウマの群生が可愛らしい黄色い花を咲かせるそうです。


行者ルートだけあって、山岳地の様相を見せながら、うっそうと表面を覆うコケが神秘的です。


切り立った岩の上に社があります。


地図上で見ると、ここは劔山本宮三十五社だと思います。


すぐ横に突き出た岩場があります。恐らくここで「~の覗き」的修行がされるのでは?


この小屋のような場所が両劔神社です。後ろの巨大な壁岩が御神体。


突然現れた鎖行者場。パッと見た時はそんなに難易度が高いようには見えません。


いざ登ろうとすると、まず幅が体ギリギリの狭さで、ほぼ垂直に切り立っています。そして何より足場が小さく、登山靴のつま先がひっかかる程度。霧雨で濡れて滑りやすく足のフックが完全に確保できません。

それでもなんとか途中まで登ったのですが、どこまでコレが続いているのかわからず、やむなく断念しました。


鎖行者場の手前にあったこの地図が、この行者ルートを一番くわしく説明してくれています。私が断念したのが、19番から9番に進むルートです。

良く見ると、鎖行者場は「80m」と書いてあります。私は10mほどで断念しましたが、やはり行かなくて正解でした。

後で他の人のブログを見ると、鎖の穴に足を掛けている人がいました。その手は思いつかなかったですが、それはそれで安定感がなくて危ないかも知れません。

いままで色々な山を登ってきましたが、ここまでビビった💦のは初めてでした。

自分がどの程度でビビるのかがわかる、すなわち自己を覚る、という意味でやはり修行の場なのです。


後で友人に聞いた話だと、18番から9番に進むエスケープルートがあるようですが、その時は、気が付かず、刀掛けの松まで戻ることにします。


霧雨が小雨に変わりつつありましたが、天気予報では良さげなので、そのまま通常ルートで山頂へ向かいます。


頂上の劔山本宮宝蔵石(ほうぞうせき)神社です。


頂上付近は植生態系を保護するためにウッドレールが敷かれています。


こちらが頂上です。写真の通り真っ白で景色は全く見えません。

ま、雨が本降りにならなかっただけ感謝。

このままウッドレールを辿っていくと次郎笈(じろうぎゅう)(1930m)に行けるのですが、何も見えないのと、帰りの旅館の時間を考えてここで引き返します。


劔山本宮宝蔵石神社の裏側(表側?)


宝蔵石神社のすぐ横がヒュッテになっています。小屋というより文化アパート風です。トイレは水洗で清潔でした。


こちらが売店と宿舎の受付。うどんが600円なので良心的です。


60年以上変わらぬ味という「あめゆ」をいただきました。とろりと甘いところにショウガが効いていて、体があったまります。そんなに冷えてはいませんでしたが。

売店の方に、鎖行者場のことを聞くと、特に雨などで岩面が濡れている時に怪我をする人が時々いるそうです。やっぱり引き返してヨカッタ。



淡路島、小豆島のみならず、大山や紀伊山脈まで、見えるハズ。
脳内ARでしばらく眺望を楽しみました。


さて、刀掛ノ松まで下りると今度は、大劔神社に向けて進みます。



10分ちょっとですが、マイナールートは自然に包まれていい感じです。


こちらが大劔神社。後ろに霧のもやに隠れた鬼ヶ島みたいな巨岩がそびえ立っています。


大昔の「未来惑星ザルドス」のシーンを回想しました。


西島駅を過ぎて下っていくとリフトが見えてきます。


劔神社に戻ってきました。


帰りは国道439号を通って、大歩危の旅館に向かいます。行きの438号も、一車線のグネグネ道でしたが、439号も負けず劣らずのグネグネ道でした。

平家が落ち延びた里と言われる祖谷(いや)の集落には何故か実物大の人形がたくさん置いてあり、村の人を誰も見かけないのもあり、少し気持ち悪い。



大歩危では、「大歩危峡まんなか」という宿に泊まりました。食事が美味しくて、大歩危峡を眺められる露天風呂もあり、よい宿でした。

翌朝9時に近くの遊覧船乗ります。お客は自分をいれて2名でした。


京都の保津峡下りと違って、静かな流れで、水しぶきもなくゆったりと進みます。



先日の雨で土砂が流れ水深が浅くなったらしく、残念ながら行程半分で引き返します。


いまでこそ、整備された車道を行けば、まったく安全ですが、以前はこ岩場の上の細々とした道を歩いたそうです。



左上が遊覧船の乗り場です。こうして見ると、岩壁にせり出して建っているのが緊張感があります。


時間が余ったので、車で20分ほど439号を剣山方面へ戻り、名勝、祖谷のかずら橋を訪ねます。


植物のツルを「かずら」と呼びますが、太いツルを樹木に巻き付けて出来ている橋なので、なかなかのワイルド感です。



足元も、下手をすると足が抜けるほど隙間があります。
でも、よく見ると、鉄棒が通してあります


吊りロープの部分も、ツルを巻いただけのように見えますが、中に鉄棒が通してありました。

源氏衆が攻めてきたときに平家の落人が刀でバサっと切れるようにと聞いていたのですが。。。


シュウカイドウ(秋海棠)。
 

コワゴワと渡橋する人たちを見るのも面白い。



かずら橋のそばにある琵琶の滝。平家の落人達が滝のそばで都を偲んで琵琶を弾いたそうです。


かずら橋の後は、帰路につくため丸亀までドライブです。

お昼は、初日にうどんを食べたので、評判の高い活魚料理「一徳」で、鯛とハマチの刺身を頂きます。これは旨かったです。特に、ハマチは、オリーブハマチという香川が生み出した養殖ハマチで、オリーブの粉末を餌にしているそうです。

また香川に来ることがあったら是非もう一度食べたい味です。



瀬戸内海を眺めた後は、特急しおかぜと、新幹線で京都へ帰ります。