2021年2月6日土曜日

唐櫃(からと)越え(本能寺の変)

2月7日に大河ドラマ「麒麟がくる」の最終回がありましたが、それにちなんで、明智光秀が亀岡城から本能寺のある京都に向けて部隊を進めたルートを歩きます。

 光秀は部隊をの3ルートに分けて進軍したと言われています。

  • ①明智越えルート
  • ②唐櫃(からと)越えルート
  • ③老ノ坂ルート

去年、①明智越えルートは歩いた(記事はコチラ)ので、今回は②唐櫃越えルートを歩くことにします。ちなみに老ノ坂ルートはほとんどが国道9号線なので歩こうとは思いません。

去年の①明智越えルートと、今回の②唐櫃越えルートの実際に歩いた跡を地図にプロットしてみました(赤線)。

大堰川(保津川)の北側が①明智越えルート、南側が②唐櫃越えルートです。


天正10年6月1日の午後6時頃に亀山城の少し南東にある野条で、閲兵のためと称して1万3千の軍を集結させた光秀は、大部隊のため、3つのルートに分けて軍を進め、沓掛(③老ノ坂ルートの先の京都縦貫道のICあたり)に未明に到着、少し軍を休めたそうです。

夜明け頃に桂川を越えた兵隊に戦闘準備命令が下ります。「え、閲兵じゃなかったん?」と思った兵隊達の中には、家康を討ちに行くのかと思った者もいたようです。

「麒麟がくる」最終回でも夜明けに松明(たいまつ)を持って進軍する様子が描かれていました。

名文句、「敵は本能寺にあり」のセリフは江戸時代に書かれた「明智軍記」のセリフなので俗説だそうですが、光秀は兵隊達になんて伝えたのでしょうか。


さて、唐櫃越えですが、普通に歩いて4時間半ほどの行程です。最高地点が標高430mの「みすぎ山」で高低差が300mほどで、倒木がいくつかありますがヒヤッとするようなところはありません。

下が3Dで見たルートですが、馬堀駅から大堰川を越えて急な登りがあり、すぐに最高地点の「みすぎ山」に到達。景色を楽しんでからはなだらかなアップダウンです。

本能寺の話に戻ると、明智軍は、夜6時に集結して夜明け前に沓掛到着ということで、計算上は約10時間も経っています。謀反なので、軍隊集結から間髪入れずに本能寺を襲撃しないといけないのに時間をかけすぎのような気がします。

ただ、「怪しい!」と思ったスパイが本能寺の信長に伝えようにも亀岡と京都の間を明智軍が封鎖しているので電話もメールもない当時は伝えようがなかったとは思います。


JR馬堀駅に朝9時頃到着。この冬は寒さの厳しい日々もありましたが今日はよい天気です。


駅のすぐ横に、唐櫃越えの解説が出ています。ドラマの影響か、人気ルートのようです。


亀岡と京都の間の壁になっている山々に向かって歩きます。


大堰川を渡ります。GoogleMapでは大堰川と出てますが、保津川下りの保津川とも言いますし、桂川ともいいます。一般的には嵐山の渡月橋から先を桂川と呼ぶようです。




蠟梅(ロウバイ)かな?梅の季節になってきました。


このあたりの集落は山すその地形に対して、しっかりとした石組みがされています。
丹波国の歴史を感じさせます。明智光秀の治世もよかったのでしょうか


城壁のような基礎に建っている家。ちょっと不便そうですが。


唐櫃越えの登山口に出てきました。


動物除けの柵を越えます。


落ち葉の量も減って歩きやすい。ここから「みすぎ山」まではちょっと登りがしんどいです。


みすぎ山に到着しました。送電線がたくさん貼ってあります。大飯(おおい)原発からの送電線のようです。現在稼働していないようです。


山頂430m。「本能寺への道」というのも変な感じ。


京都縦貫が見えます。篠ICを下りたあたり。コーナン篠店にはちょくちょく農作業グッズを買いにいきます。


ここから楽しい尾根道です。


うっすら先に見えるのは比叡山でしょう。


進行方向左(北側)には愛宕山が見えます。

唐櫃越えルートの部隊は、この方向に、明智越えルートの部隊の松明(たいまつ)の灯りが点々と見えたことでしょう。

無数の送電塔が山肌に刺さっていて痛々しそう。


ちょうどJR山陰本線の電車がトンネルから出てくるところを撮影できました。


ちなみに、トロッコ列車で知られる旧西日本旅客鉄道の路線と、今のJR山陰線とを比較してみました。

昔はトンネルは最小限にとどめていたのがわかります。そのかわり景色が良くて風情はあります。
リニアになると、全部トンネルで「もう地表がどうなってようが関係ねぇ!」って感じですかね。


楽しい尾根道で喜んでいるとすぐに林道にかわり、しばらく林道がずっと続きます。歩くのがラクなのですが、楽しくない。


再び登山道に戻ります。と、そのとき、反対方向から、時々一緒に山登りを楽しむN氏と遭遇しました。久しぶりだったので、しばらくおしゃべりを楽しむ。


再び山道をすすみます。


北には愛宕山が相変わらず鎮座しています。スペースがあったのでお昼にしますが、何故かここだけハエが多い。


ロープ場はないですが、ちょっと急な道もあります。


こんな感じの倒木が10本くらいあります。乗り越えるのはいいのですが、下をくぐるのは最後に引っかかってのけぞったりするので嫌いです。


唐櫃越えルートの第2のピーク、沓掛山(415m)。


比叡山が見えます。


少し遠ざかった愛宕山。


桂坂野鳥遊園の園内になるそうです。


ところどころで、望遠レンズをつけた一眼レフカメラのおっちゃん達が神妙な顔つきで鳥を探しています。


少しガスっていますが、左に天王山、遠くには生駒山から大峰山まで見えます。


この野鳥遊園から嵐山に向けて岩場の地質に変わります。
保津峡や嵐山の地形は、2億年前に断層により持ちあがったことで出来た地形だそうで、複雑な地質です。


このあたりは以前は海の底だったので、堆積岩、チャートです。


豚熱発生!死んだイノシシに要注意!なんだかビックリします。養豚場で感染すると大変なことになる恐れがありますが、「人には感染しません」と一言書いて欲しいところ。


地質・地形が変わると植生も変わります。竹林になってきました。


嵐山の雰囲気が出てきました。


墓地を通り抜けます。


桂川側は、獣害用の柵もなく、住宅地に出てきます。少し歩いて阪急上桂駅から帰ります。


0 件のコメント :

コメントを投稿