これがレタス。無農薬なので黒い小さな虫が結球の中にも入り込んでいたので、風呂場のシャワーで洗い流しましたが、やはり新鮮で収穫した後、一週間ほどしても、しっかりしたシャキシャキ感があり、子供の頃食べたレタスの食感を思い出しました。
こちらはキャベツ。モンシロチョウの幼虫にかなり食われましたが、結球の内部は比較的きれいです。辛みのなかに甘味もあり、美味しい。キャベツの茎は樹木のように丈夫で包丁でも切るのが結構大変です。キャベツは多年生植物らしく、収穫後も茎から再び葉が出てきて結球するらしいので楽しみに放置しています。
珍しく人の名前が付いていますが、一説によれば弥十郎は、このあたりにいた山窩(さんか)の名前らしいです。
山窩(さんか)とは狩猟採集で暮らしていた人たちのことで、世界中の非文明民族がそうであるように、「所有」という概念を持たないので自分たちの持ち物を分け与える代わりに他人の持ち物を持っていくので、警察からは窃盗集団として目をつけられていたそうです。
小説集もあるようなので今度読んでみよう。
弥十郎ヶ嶽には色々なコースがあるのですが、山窩説の由来となった大きな洞穴が見られる西のコースで登ることにします。ただし、洞穴の真上にスズメバチの巣があります。
ちなみに、「山窩」の「窩」とはあなぐらという意味です。
これがヤマレコの山行記録です。高低差450m、行程6Km、休憩時間30分を入れてちょうど3時間くらいの山行です。
11月最後の日にしては少し暖かく、陽当たりもよく、なにより頂上の眺めが良かったので楽しい山行でしたが、天気が良くない日だとちょっと陰気な感じがする山です。丹波篠山市の登山マップには洞窟の手前あたりに「注」のマークがあり多分道迷いだと思いますが、比較的新しめのテープが多く張られており迷うこともなく初心者でも大丈夫なコースです。
登り口に看板があり読んでみると、先日登った高城山に関連する悲しい歴史を持つ山だということがわかります。
高城山にあった八上城(やかみじょう)を明智光秀軍が包囲し兵糧攻めにした際、四十九院と呼ばれた複数の寺院が八上城に物資を運んでいるとして焼き討ち、多数の僧の首を刎ねたという話です。
弥十郎ヶ嶽と高城山の間の区画を曽地と言い、流れる川も曹地川といいますが、これは、「僧地」が語源だという説があるようです。それだけ僧が多かったということなのでしょう。
丹波篠山市の登山マップにPマークのあった、県道12号をはさんで、ピザ屋さんの向かいの空き地に車を停めます。こちらのピザ屋は、下山後に立ち寄るので後ほど...
ピザ屋の奥から登山道になっています。月曜日の朝は、NHK FMの「X(かける)クラシック」が上質な番組なので Radikoで聴いて上質な気分で進みますが、すぐに携帯の電波が切れてしまいました。
午前中は、曇りという予報でしたが明るい陽射しが差し込みます。
最近キノコ探しを新たな趣味にしていますが、真っ白な小さなキノコを見つけました。
白いキノコと言えば、猛毒のドクツルダケを連想しましたが、どうやらそれではなさそう。調べてみるとシロシメジのようですが、自信がありません。
とにかく、今のところ独断で口に入れるのはやめておきます。
弥十郎ヶ嶽の道しるべが出てきました。
かなりの密度の杉の植林です。
崩壊した橋があります。迂回して岩の上を渡るのですが、こういう場所があると、これから先の登山道が少し心配になります。結果的に心配するような場所は特になかったのですが。
立派な石垣がところどころにあります。明智光秀に滅ぼされた四十九院のお寺の址なのかもしれません。
吹越峠への上り坂です。
カエンタケというキノコが発見されたという看板。触るだけでも皮膚がただれると書いてあります。
ウィキペディアの写真ですが、確かに炎がメラメラと燃えているよう。触るだけで皮膚がただれるのはこのカエンタケだけだそうです。
しかも、致死量はたったの3グラム!!!
それでもトリカブトの毒には及ばずで、トリカブトの致死量は0.2~1グラム。しかも数十秒で死に至るというから恐ろしいです。
傘のあるキノコとは全然違う形をしている理由として、子嚢菌門という胞子を袋の中につくる種類だから。同じ、子嚢菌門でアミガサタケやトリュフもあるが、この二つは食通にはたまらない美味キノコだから面白い。
吹越峠に到着。ここは、北にある畑市からのコースの合流点です。畑市から登らなかったのは、丹波篠山市の登山マップに駐車場Pマークが書いていなかったから。
少しヤセ尾根を進むと東に向けての山頂ルートです。ここからが本番。
陽射しがあるのとないのでは大違い。
丹波篠山市の登山マップでは「注」マークがあり、道迷いの警告だと思いますが、比較的新しいテープが多く張られているので問題ありません。
とくに、このギフト用みたいなラメのリボンは大変わかりやすい。クリスマスプレゼントをもらったら、リボンは是非、山のマーキングに再利用しましょう!
確かに迷いやすいルートですが、これだけリボンがあれば大丈夫。
ところどころに虎ロープがありますが、使わなくても登れる程度の坂です。落ち葉が滑りやすいのが少し気になりますが。
弥十郎という山窩(さんか)が住んでいたという伝説の洞穴が出てきました。
下山時に中をのぞいてみることにします。
ふと、上をみると、大きなハチの巣があります。
大きさは60~80センチくらいに見えます。スズメバチの巣です。キイロスズメバチかな。よく見ると、一匹表面を歩いています。洞穴の門番のようです。
ハチに襲われた経験がないので、下山時に洞穴の中に入りましたが、後で思うと近寄らなかった方がよかったと思います。特に、夏はハチが活動的になるので避けるべきでしょう。
スズメバチは一匹が近づいてきて大顎をカチカチと鳴らす音が聞こえたら、これが最終警告で、それでも巣に近づくと集団で襲ってくるようです。
洞穴を過ぎると頂上までもう一息。
頂上到着です。山頂は広くて南側はまったく見えませんが、北側のながめが素晴らしい。
幸い風もなく、天気もよいのでゆっくり熱い煎茶で休憩しました。
峠山の右(東)に、八ヶ尾山(678m)があるのですが、さすがにそこまでは見えませんでした。
ちょうど、山頂で出会った方から、峠山と八ヶ尾山の間に、筱見四十八滝という名所があると聞いたので今度登ってみます。その方が言うには、48瀑の滝があるわけでなく、8瀑の滝が、「しじゅう」流れているから「しじゅう八滝」と言うとのことです。落語のようですが。
左手前には、高城山を見下ろします。今回のコースにあった四十九院のお寺が、籠城していた高城山の八上城へ物資を運んでいたという話ですが、かなり離れているうえ、尾根沿いではないので、腑に落ちません。おそらく、四十九院は弥十郎ヶ嶽の頂上の城に物資を運んでいたのではないかと思われます。
南の後川(しつかわ)からのルートもあります。四十九院ルートと同じくらいの距離のようです。
天気がよく、枝ぶりのよい松を手前に多紀連山の眺めを名残惜しく思いながら下山することにします。
さて、帰りに気になっていた、洞穴の内部に入りました。真上にスズメバチの巣があり、洞穴の奥から、何やら獣の唸り声のようなものがしたので、かなりビビりましたが、ライトに照らして入ってみると、奥行きは10メートル足らずほどでした。唸り声は気のせいのようです。
自然に出来た洞穴なのでしょうか。ちょうど家族が雨風をしのいで住むのに適したような空間です。弥十郎さん山窩一家が住んでたイメージを描きながらハチの巣が怖いので退散します。
登りの際に気が付かなかったのですが登り口付近に古いお墓がありました。戦国時代ほど古くはなさそうですが、明治の頃かな。
登山完了がちょうどランチタイムだったので、登山口のピザ屋でお昼にすることにします。
ピザ屋の奥に、小さな池があり、聞いてみるとお店のオーナーが経営するフライフィッシングの施設だそうです。
平日の月曜日ですが、多くの車が停まっていて、お店はほぼ満員でした。
天気がよいので外の席で食べましたが、オリーブを育てていてよい感じ。なんとなくイタリアの田舎を感じさせます。
「クワ+モンペ」という丹波篠山らしいアイテムをイタリア風の名前にしつらえているのが面白い。
この地にイタリアを感じてお店を構えたチャレンジ精神と遊び心のあるオーナーさんだなと察します。
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