2018年12月1日土曜日

清滝~水尾の里~保津峡駅

愛宕山については去年の5月に登って以来、友人や妻と二回登ったのですが、今回は会社フレンズと登ります。ただし、今回は頂上には行かず、水尾の分かれから嵯峨水尾に下山し、保津峡駅まで行くルートです。標高差から言えば頂上の72%の登りで嵯峨水尾に折れることになります。


今日は12月1日。紅葉も最後の週末です。赤茶けた景色の清滝川。


登山道ですが、先日妻と登った時は倒木の下をかいくぐったり、乗り越えたりを繰り返しましたが今回は無残な傷跡こそ残るものの、行動に大きな支障はありません。




愛宕山は特に京都の人に愛されているだけあり、お地蔵さんには新鮮は花々が添えられています。


おなじみの京都市消防局嵯峨分団の標識は、いつも意味シン。


頂上までの道標を示す石は丁石(ちょうせき)というのですね。初めて知りました。町石とも言うようです。ちなみに、町は元々田んぼのあぜ道とあぜ道の区間を示し、それが長さの単位である丁(109メートル)と音が同じであることから同意語になったとのこと。


最初に来たときは祠があったのですが倒木で破壊されてしまい、今は残骸が整理されてはいますが、撤去はされていません。


本当は桂川が見えて素晴らしい景色のはずですが、ちょっとガスっています。


道を遮る倒木はこのような巨大な幹もチェーンソーで切断されてワイヤーで固定されています。見事な切断面を確かめるテニス好きのI氏。


さて、水尾の分かれにきました。ここの三叉路を愛宕山頂上に行かず、左側の道を行きます。


ここで記念写真。


さて水尾に向かうのですが、倒木は撤去されていますが、落ち葉と小石の傾斜道がずっと続くので滑りやすく注意が必要。


このあたりから見事なチャートが見られます。調べてみると水尾、保津峡のあたりはチャートで有名なようで、舗装や補修などでコンクリートに覆われチャートの絶滅危惧とあつかわれています。生物と違ってひっぺがえせばまた出てきますが。
リンクの解説によるとこのあたりのチャートは三畳紀からジュラ紀のものだそうです。



三畳紀が2億5千年前でジュラ紀が2億年前。とくにこのあたりのチャートには歯のような化石が多くみつかり、それをコノドントと呼んでいるようです。


その歯の持ち主だった生物はこのようなグロテスクなものだったと考えられているようです。一応脊椎動物でウミヘビみたいなものでしょうか。2億年たっても化石に残るようなスゴイ歯はまるでエイリアンが口を開けたよう。2億年前の水尾にタイムスリップしていきなりこんなのに襲われたらひとたまりもない。


さて水尾地区の案内図の看板がありました。ゆずの絵がいっぱいに描いてありますが、別名柚子の里といわれています。
「水尾」という意味は、きれいな水が湧く尾根という意味で、愛宕山から分かれた尾根であることに由来しています。


ランチを食べるような広い場所がなく、途中で少し広めの道を見つけてそこでお昼にしました。その後もずっといわゆる巻き道のなだらかな下り坂が続きます。


かなり大がかりな切り通しの道。平安京遷都の桓武天皇も訪れたというので、かなり昔から続いている道です。


水尾に出ると道路は舗装されていました。ここから保津峡駅まではずっと舗装路でつながっています。


ちょうど右上の青四角印(愛宕山登山口)を出たところです。ちなみに「まる源」は、鶏なべとゆず風呂セットで5千円。日帰りで楽しめるはいいですね。


さらに歩くと柚子をたわわに実らせた樹々がいたるところに出てきました。主に香味料や薬味で使われることが多いようですが、今がちょうど収穫期のようで農家の方々が丁寧に実をもいでおられました。



道が分かれているのに戸惑っています。この付近に清和天皇陵があるのですが今回は立ち寄りません。清和天皇は、この水尾をこよなく愛し、27歳にして陽成天皇に譲位して仏門に入ったあと31歳の若さで水尾の円覚寺で亡くなっています。異母兄に桟敷ケ岳をこよなく愛した惟喬親王(これたかしんのう)がいますが、これは桟敷ケ岳の記事で書きました。政権争いなどに嫌気がさした皇族は洛北に向かうというパターンでしょうか。


ここから保津峡駅までは舗装路を歩きました。水尾川沿いに歩道があるのですが、倒木がかなり酷いことになっているようです。ただ歩道ルートにいくと、亀岡に抜ける道があり、「明智越え」と言われています。明智光秀が信長を討つために亀岡からいったん愛宕山で戦勝祈願をしてから京に下りたといわれています。


朱色の南天の実。


柚子と変わった屋根。弥生時代のようなルックスですがまだ新しい。積雪対策でしょうか。


保津峡駅へのルートを確かめながら下ってきた愛宕山を再度眺める。


この実の大きさからナナカマド?と思いましたが、ナナカマドは落葉樹。なので南天?それにしてはブドウのような実の大きさ。


柚子湯と鶏なべという看板に惹かれて入っていくI氏。でも普通の人家のようでした。


立派な石垣に映える紅葉。




舗装路から下を眺めると柚子の林が。


水尾川沿いの道は素敵なのですが、倒木でひどい状況。



斜めに重なったチャートの断層。


こちらは保津峡沿いに亀岡に抜けるルート。楽しそうですが、倒木の被害がひどそうです。



地層の美しさに見とれてしまいます。



保津峡駅到着。



駅自体が橋になっていてプラットフォームが狭いのでベンチもなく、列車が通ると風に巻き込まれそうでこわい。


紅葉にはさまれた保津峡。


保津川下りがありました。保津川下りについてはコチラの記事で。
このあと、電車に乗って嵯峨嵐山駅で下車、嵐電の駅で、クラフトビールで乾杯しました。楽しかったー。


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