西国街道の富海宿から厚狭(あさ)宿までの旅です(2日目はコチラ)。
3日目の最終日は、せっかく山口県に来たので午前中に秋芳洞を訪れることにします。ホテルの朝食をとってチェックアウトして、8時の開店早々からトヨタレンタカーでヤリスを借りて30分ほどで秋芳洞に到着です。
新山口駅から秋芳洞まで防長バスが出ていますが、午後から街道歩きなので少しでも時間を節約したくレンタカーにしました。秋芳洞は朝8時半から営業しています。早いですね。
特別天然記念物の洞窟内部に入ります。最後に来たのが何十年も前なのでほとんど覚えていませんが、洞内の床は沢(地下川)になっているのですね。まぁ、だから洞窟が出来たわけですが。
そのあと車で5分ほど上ったところにあるのが秋吉台。秋芳洞の洞内からエレベーターでも行けるようです。
秋吉台の景色は、まぁ、こんなものか、といったところ。御池岳のほうが起伏があって面白かったような感じです。
ただ、気になったのはパンフレットに「3億5千年前に南方の海でサンゴ礁として誕生」と書いてあることです。
確か日本列島で中国大陸から分離してできたはず。調べてみると日本列島が大陸から分離したのは、たかだか2千年前で、大陸移動説によれば3億5千年前というのは、パンゲア大陸といって全ての大陸が一つにくっついていた頃の話でした。
レンタカーで新山口駅に戻ると駅前に山頭火の銅像がありました。台座には句があり、
まったく雲がない 笠をぬぎ
気持ちよさが感じられる句ですが、表情は難しい山頭火の像。
駅前でランチを食して、山陽本線に乗って昨日のゴール地点の厚東(ことう)駅に舞い戻ります。再び歩き始めたのが12時半です。
3日目のルートと記事で紹介したスポットを地図で示します。3日目の行程はほぼ2号線を歩くだけの面白味の少ない行程でした。
2号線沿いですが、90mの峠です。標識によれば吉見峠というらしい。宇部国道維持出張所が立てた看板に江戸時代の山陽道の絵が描いてあります。絵にある霜降城はここから2kmほど南にある山城で登山が楽しそう。
言われてみれば宇部市で最大の企業が宇部興産ですね。宇部には石炭が多く存在していたので炭鉱産業が宇部興産の発端です。
岡崎八幡宮の参道。境内には行かず。樹齢700年のクスノキがあるそうです。
ここから船木宿のある船木町に入りますが、何かの理由で国道2号線が船木の集落を北に迂回してくれているので、静かな集落が維持されています。
ここも本陣が見当たらなかったけれども船木宿があったところ。船木は石炭発祥の地とされていて、住民達も生活に石炭を使っていたと案内版に書いてある。石炭のように優良な燃料が手軽に入手できるのは住民達にとっては大変ありがたかったと思います。
案内版にあった船木宿の説明。ここは厚狭(あさ)郡の中心地でした。
再び2号線を車に注意しながら歩き、すこし脇道にそれると千林尼の石畳路とある。石畳路は現存しているようですが、どういうわけか通らなかった。ここから標高60mの西見峠までの登り坂で難路であったので、千林尼さんが托鉢で集めた資金を使って石畳路を作ったそうです。
江戸幕府って毎年参勤交代を強制させていたくせに、道の整備は地方にやらせていたのですね。この辺がローマ帝国と違うところです。
2号線沿いを歩いて西見峠を越えます。標高57m。宇部市はここまでで、ここからは山陽小野田市。
厚狭の町並みが見えてきます。向こうに見える山は下関の四王司山。ギリギリ瀬戸内海も見えます。
厚狭川の橋の手前に岩があって皇后岩伝説の案内版があります。
周防国に大内氏という豪族がいて、実は百済の皇子が渡来した家系であると言われておりまして、その皇子を慕って皇子の母が百済から船に乗って日本へやってくる途中に事故にあってこの地に上陸して、その際に休んだのがこの岩だった...という複雑な話。
しかもこの岩は昭和30年代に土砂に埋もれて行方不明になっていたのを2010年に偶然に見つかってここに設置されたそうです。
本日も山陽本線の電車の時刻にギリギリだったので急いで歩き、どこが厚狭宿の本陣だったかわからずじまいですが、とりあえず厚狭駅に時間内に到着しました。
厚狭駅前に立っているのが寝太郎像。
寝太郎は厚狭の若者ですが、寝てばかりいて笑いものになっていましたが、三年後に起きて千石船に大量の草鞋を載せて佐渡の金山へ出向き、鉱夫の古い草鞋とただで交換してやったそうです。
そして厚狭に帰ってきて今度はその大量の古い草鞋を洗ったら草鞋についた金の屑がたくさん採れてそのお金で厚狭川の水利を整備して田が潤ったそうです。
15時前に間に合ったので山陽本線で新山口駅に戻り、お土産を買ってから、新幹線のぞみ号で京都に帰りました。随分遠いようですが、のぞみ号で2時間ちょっとなんですね。やっぱり新幹線は便利です。
さて次回はいよいよ西国街道歩きの最終の旅となります。完遂祝いはフグで決まりでしょう。