2025年4月26日土曜日

【福井県】久須夜ヶ岳~蘇洞門(そとも)

 蘇洞門(そとも)の奇景


若狭湾の山々もかなり登りつくした感がありますが、今回は久須夜ヶ岳(619m)に登ります。変わった名前ですが「くすやがたけ」と読みます。名前の由来についてはわかりません。漢字は当て字なので「クスヤ」という和言葉に意味があります。

以前読んだ本に「ク」という言葉は「砕ける」「朽ちる」などの意味があるそうなので、海沿いの山容に関連しているのかも知れません。

今まで登った若狭湾の山を整理してみました。この山は小浜湾と矢代湾の間に突き出た内外海(うちとみ)半島にある北端の山です。


下図が今回のルートマップです。若狭湾の海沿いを走る国道162号線からエンゼルラインの愛称のついた県道で頂上付近の駐車場からスタートして、久須夜ヶ岳の頂上を踏んでから北端の日本海に向けて下山していくと景勝地の蘇洞門(そとも)を間近で見られるので、お昼ご飯を食べてから頂上に向けて登りの帰路につくという流れです。

比較的人気のルートのようで登山道は整備されていますが、ガレ道が多くて捻挫の後遺症の足には少々辛いものがありました。またロープ付きの急坂も何か所かあり気をつかいます。

山行時間約4時間、7km少々、累積標高700mの軽登山でしたが、頂上からスタートして下山してから登山するというコースは多分初めてで下山の疲れを引きづった足で登山するというのは思いのほかしんどいものでした


エンゼルラインは内外海(うちとみ)半島の付け根から久須夜ヶ岳頂上までの15分ほどの道でかつて有料道路だけあって景色も素晴らしく良い道路です。幾人かのバイカーやオープンカーが気持ちよさそうに走っています。

実はこの登山、最初は3月末に行こうとしていましたが、エンゼルラインは3月末まで冬季閉鎖だということを前日夜に気がついて延期しました。

頂上付近の駐車場は広すぎるほど広いです。駐車場にいたバイカーに声をかけられて、5時間ほどの往復で蘇洞門へ行くと言うと「5時間も歩くのですか~!」と驚かれました。


駐車場から日本海の東を眺めると半島の先には小鯔ノ鼻(こぼらのはな)という名前がついています。船でしか行けないようです。


久須夜ヶ岳の頂上までは駐車場から15分もかからないくらいです。しかし残念なことに頂上は放送アンテナで埋め尽くされていて景色もなにもありません。NHK、民放、テレビ、ラジオとアンテナは6基ほどありました。



頂上から駐車場に引き返しそのままエンゼルラインを戻るとすぐ蘇洞門入り口の標識があり、ここから登山道(下山道?)になる。



蘇洞門入り口そばのベンチから海を見ると赤潮のような線が見える。調べてみると、この季節、夜光虫が大量発生することで赤潮が出現すると。夜光虫なので夜になると光るそうです。



しばらく行くとつづら折りの急坂が続きます。



ロープのついた急坂も数カ所あります。



このあたりは国定公園なのでブナ類の広葉樹が並ぶ自然の道が気持ちよいです。



北端に近づくと周りが海の青さに囲まれます。



スタートしてから2時間弱で蘇洞門のある海に出てきました。巨大な奇岩が日本海に突き刺さる豪快な景色に思わず声が出ます。



この自然が作った石積みのような壁の下に左右を貫く穴(大門小門)があります。「登るな危険!」といった看板もないので行く人もいるのでしょうね。



大門小門の向かいにあるのが吹雪の滝。



吹雪の滝の前には不動明王が。



これが蘇洞門の大門小門です。花崗岩が波の浸食によって穴が開いてできた奇景です。



右が大門、左が小門。何万年かの後にはつながるのでしょうね。



海の透明度は非常に高く、3メートルほどの底まで見透せますが、透明すぎるのか魚は全くいません。

ここは小浜にあるフィッシャーマンズワーフから出発する遊覧船で訪れることができるようになっていて、波が荒くなければ上陸できるようになっているようです。

係留地点で岩壁を見ながらランチとコーヒーにしました。



ちなみにこれが遊覧船のコース図です。大門小門に上陸して引き返すコースですね。ここから遊覧船に乗って小浜に行けばとってもラクなのですが、途中乗車は出来るのかなぁ。

<若狭フィッシャーマンズワーフサイトより>


大門の向こうに見えるのが遊覧船コースに描いてあるライオン岩でしょうか。



蘇洞門を後にして登ったところから西側を眺めるとこれまた絶景が。コース図の唐舟島ですかね。確かに突き出た岩塊が船の大きな帆のように見えます。



帰りは1時間半ほどの登山で駐車場まで戻りました。写真は帰路に見かけたツツジとツバキ。いままで幾多の山々に登りましたが、下山のあとで登山するコースは初めてで、思いのほか帰りの登山が辛かったです。

山行のあとは、車で若狭フィッシャーマンズワーフでお土産を買って海幸苑というレストランに行ったのですが、時間が遅かった(14時過ぎ)だったせいか、海鮮丼が売り切れで残念でした。