2019年10月21日月曜日

弘前観光と白神岳登山、十二湖

今回、会社の連続休暇制度を利用して、四泊五日の東北登山の旅に来ました。

大日程ですが、
1日目 京都から飛行機で青森へ(12:10着)、弘前観光の後、白神山登山口近くの白神山荘に宿泊
2日目 白神岳登山、その後十二湖そばの宿に宿泊
3日目 足休め。十二湖観光の後、岩木山登山口近くの宿に宿泊
4日目 岩木山登山、同じ宿に投宿 -->岩木山登山の記事はコチラ
5日目 朝(10:10)の飛行機で京都へ帰宅。



【1日目】

青森空港のトヨタレンタカーでプリウスを借りて弘前へ。飛行機で移動するときは、登山では必須のガスボンベを持っていけないので困りますが、弘前にモンベルがあったので入手。

カトリック弘前教会は、祭壇をオランダの教会から譲り受けたそうです。明治43年建設。


キリシタン禁令は鎖国の時代続いていたので、マリア様か観音様かわからないような(マリア観音)日本画にして信仰の対象としていました。


次に弘前城へ。堀の周りの緑がとてもきれいです。


樹齢300年以上の大イチョウ。露出した根が際立ちます。


堀の水面に映る紅葉。



天守閣は江戸時代以前から現存する12のうちの1つなのですが、とても小さく高さ15メートル弱。大阪城の約1/4の高さ。でも背景に岩木山があると立派な城に見えます。


津軽の山と言えば岩木山しかありません。


この天守閣ですが、2015年にまるごとジャッキアップして移動したというので驚きです。理由は土台の石垣が老朽化したということで、土台の補修後、2021年に再び元の位置に戻すそうです。


本来は城下町の角に建ってました。


一応内部にも登ることができます。でも小さすぎて、戦闘時に意味を成したのか少し疑問に思います。



再び岩木山。三日後に登るぞー



弘前城を後にして、岩木山を反時計回りに迂回して、鰺ヶ沢町(あじがさわ)から日本海沿いに南に進み深浦町を通って白神山荘に2時間強で到着。

白神山荘は77歳の主人が一人で運営されていて、翌日は即位の礼で休日なのですが、客は私一人だそうです。一人のために夕食を用意すると収支が成り立たないということで申し訳なさそうに、車で約10分のアオーネ十二湖まで車で送迎してくれ、そこで軽い夕食にしました。

その後翌日の白神岳のルートを説明してくれました。白神岳に登るには修験者が昔から使っていた右側の二股ルートと、約30年前に宿のご主人の弟さんが開発した蟶山(まてやま)コースの二つがあります。二股ルートは場所によっては30度の急峻もあり上級者でないと危険ということで、今回は蟶山コースを行きます。

弟さんは登山に打ち込んでおられたそうで、弟さんの頼みもあって、ご主人は山荘を運営することを引き受けられたそうです。でも80歳で引退すると言われていました。1993年に日本で初めて屋久島と共にユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録された際は、多くの登山客が訪れましたが、徐々に減少しているそうで、経営的にも体力的にもキツイとのことです。中にはリピーターもおられるそうなので残念なことです。


部屋は個室で布団も敷いてくれていましたが、季節がらカメムシだらけで少し閉口しましたが、お風呂も沸かしてくれて早めに就寝しました。

【2日目】

白神山地は、世界的に見ても広大な手つかずのブナの原生林で、日本で初めての世界遺産(自然遺産)に登録されましたが、このように緩衝地域と核心地域にわけて管理されています。白神岳は地域の端に位置します。白神岳の標高は1235mで、実は白神山地の最高峰ではなく、向白神岳(1250m)が最高峰となります。



GoogleMapで調べてみると、岩木山全体が4つ以上入るくらいのかなりの広大な地域ということがわかります。それぞれの山の標高もほぼ1000m前後というのも面白いです。



ヤマレコで記録したルートです。いったん841mの蟶山に取りつき、そこから尾根沿いに白神岳に登ります。世界遺産に登録されているだけあり、とても良く整備されている山道で、コワイと感じるところは特にありません。道を間違えるようなこともなく、初心者でもなんとか登れるルートです。



翌朝、朝5時半にはおにぎりを準備してくれていました。


ご主人に別れを告げてさあ出発です。


車で5分ほど登ると駐車場があります。こちらは案内図の看板。


早くも何台かすでに駐車されています。二個のうち、一個のおにぎりを食べたら出発です。


駐車場横にある立派な小屋?の横の道に登山道があります。この建物にはトイレもあるし、靴の洗い場まで設置されています。


ここからが登山道です。いつもの緊張する瞬間です。



トリカブト。今回はほとんど花にお目にかかることがなかったのですが...


ここが二股分岐。


湧き水。



ブナの森に入ります。



最後の水場。かなり豊富な水量です。氷水のように冷たい。







一休みしてストックをブナに立てかけると、熊のツメ跡らしきものが。ブナの若葉を食べるのに熊が木に登った跡のようです。
自分の爪でなぞってみましたが、とても傷がつけられるようなものではありません。こんな爪でやられたら一巻の終わり。


前面に壁のような白神岳が見えました。


蟶山頂上への分岐がありましたが、道があまりよくなさそうなのでやめておきます。


ここから尾根沿いに白神岳に向かいます。


日本海の眺望も開けてきます。


蟶山の下方向の尾根が開けます。紅葉のじゅうたんが素晴らしい。登ってきたルートは左側でした。


このあたりから森林限界で樹々がなくなり、頂上のトイレが見えます。ここから大峰分岐までが一番しんどいところ。


日本海に突き出た大字の半島がくっきりと見えます。今日は曇りだと聞いていましたが眺望が良いのでうれしい。


大峰分岐。ここから左に向かうと尾根沿いに大峰山、そして十二湖に行くルートです。初めは白神岳山頂に泊まってから翌日十二湖ルートに行くことも考えたのですが、あまり整備されていないルートということで止めておきました。


ちょうどこのあたりから世界遺産である白神山地の領域に入ります。


ここからやや内陸側の道を辿りながら白神岳頂上へ向かいます。


まずはトイレの小屋がありますが、すぐ先に避難小屋があります。この小屋は最近立て直したばかりです。


中に入ると青森ヒバの香りが新鮮。ここに泊まるのも楽しいでしょう。


青森ヒバ。白神荘の主人によると、以前の小屋は土台が腐食してきたことで建て替えとなったそうです。有志からの寄付を募ったところ、建て替えるに十分な金額が集まったとのこと。

青森ヒバはヒノキに分類される針葉樹ですが、ヒノキと同じだけの強度を持つ上に腐食に強く、シロアリを寄せ付けない唯一の木材だそうです。


南方向の日本海も開けてきましたが、鳥海山までは視認できませんが、白神山地の真瀬岳と思われる隆起がわかります。



岩木山が見えます。明後日登る予定。


二股ルートです。30度の坂と言われているところ。


紅葉のじゅうたんを見ながら下山です。



ブナの幹のかかる蔦のネックレス。


直角に折れた大木がまるでおとぎの国のエントランスのよう。


光の加減でしょうか、ブナの街道が神秘的にさえ見えます。





最後の水場で、ランチのカップヌードルをいただきました。


山のフィルターを通って出てきた湧き水。


ブナのなかで見かけましたが、これが青森ヒバ、かな?


登山口に到着。


振り返って白神岳に別れを告げます。


今日の宿は、白神海彦山彦館です。アオーネ十二湖の敷地の海が見通せる場所に建っていましたので、日本海に沈む夕焼けを堪能することができました。



【3日目】

3日目は、明日の岩木山登山に備えて足休め。白神山地のそばに十二湖があるので、訪ねることにします。

 ここアオーネ十二湖は、以前「サンタランド」という名前でしたので、サンタの人形が橋の欄干にあります。


十二湖は約30年前に起きた能代地震により山が崩壊し、崩れた土砂等によって河川がせき止められた結果生まれた湖群と言われています。実際は33個あるそうです。

ちなみに、青森には十三湖という名所があり、なにやらライバル関係のようですが、こちらは一つの湖に流れ込む河川が13あることが由来です。


地震の際に崩落した山が崩山(940m)であり、日本キャニオンとも呼ばれています。国道101号線から十二湖エリアに入ってすぐにキャニオン展望所があるので登ってみます。

展望所まで700mほどあり、ちょっとしたハイキング気分を味わえます。これはミズナラ。


 展望所から崩山の眺め。白神山地は約200万年前に日本海の底が隆起してできた山なので、崩落した山肌は白い石灰となっています。

右の背景に見えるのがおそらく白神岳ではないかと思います。


展望所から十二湖の一番奥の森の物産展キョロロにある駐車場に駐車します。こちらは有料(500円)です。


十二湖の宣伝の写真で必ず使われているのが青池。こちらの方角に進みます。


鶏頭場(けとば)の池。あとでまたこの池に戻ってきます。




これが十二湖ではベストショットかな。


青池のそばに崩山への登山道があります。片道2時間ほどの行程ですが、今日は足休めの日なので止めておきます。


こちらが青池。残念なことに落ち葉が湖面を覆ってしまっていて広告写真のようにはいきません。


青池から十二湖リフレッシュ村まで歩きます。今日は平日のせいか営業していません。いくつかのロッジが建っています。もう少し間隔があいているほうがいいと思いました。


レストラン「アオゲラ」こちらはもう営業していないようです。立派なロッジなのに残念です。


湧壺の池に向けて歩きます。


ハート型の葉の形をしたカツラの大木です。京都でもなかなかこんな立派なカツラはお目にかかれません。



「カツラの香り」と書いてあるのですが、私にはカツラの香りを認識することはできませんでした。残念。


湧壺の池。青池よりも青さを鑑賞することができます。


今日はそもそも歩き回るのではなく、湖畔でゆったり読書をするイメージをしていましたが、観光客が多いのと、チェアが置ける平らな場所が少ないのですが、鶏頭場(けとば)の池の湖畔の端にベストな場所を見つけ、わざわざ持ってきたヘリノックスチェアを組み立てます。


景色は最高。


ローマ人の物語も14巻まできましたが。コンスタンティヌス帝によるキリスト教優遇策、そしてユリアヌス帝による反逆、だがしかし、結局キリスト教の権力に飲み込まれていくローマ。

願わくばもう少し中国人観光客が静かに会話することをしてくれれば読書にもっと集中できたのに。


1時間半ほど読書を楽しんだのですが、同じ湖畔にずっといると、光の加減で湖面の表情が変わるのが面白いです。




崩山の山肌も見れます。


十二湖を後にして、明日の岩木山登山のために、今日は、岩木山のふもとのアソベの森いわき荘に宿泊です。


四日目岩木山登山の記事はコチラです。

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