2018年11月10日土曜日

伊吹山

日本百名山の一つで人気の伊吹山です。

中山道沿いの関ヶ原、米原、彦根の平野を南の鈴鹿山脈に対して北側から挟み込む形で控えているのが伊吹山です。

この両側の山で挟まれているからこそ、関ヶ原が壬申の乱から数多くの東西の戦いの舞台になってきたわけです。

GoogleMapでも認識できますが、左半分が無残な石灰の肌を露出していてセメント原料採掘の犠牲になっているように見えますが、実は大部分は自然崩壊で採掘は上部の平坦部だけだそう。

伊吹山の地質は非常に複雑で、東側が泥岩やチャート、西側が石灰岩が主になっていると言われています。


登山ルートですが、民家などがある200m地点から登るので頂上の1377mまで実に1200m近く標高差がありますので結構な山行ですわ。


相棒の車で登山口に向かう途中で見た採掘用のコンベア。これを見るとどんどん採掘されて伊吹山が無くなってしまうのでは?と思います。

ちなみに今回RX1Rを忘れたので写真はすべてiPhone Xです。


登山口のそばの駐車場に車を停めます。一番近い公営駐車場は6台分くらいしかスペースがなくすでに満車。民営のバアサンは感じ悪いですが仕方なく400円駐車場に停めます。写真は登山口そばの三宮神社。頂上にある弥勒堂が一宮でふもとのココが三ノ宮。


こちらが登山口です。


岩と小石が多い。


高度420m地点で一合目。まだ十分の一と思うと少し気が重くなる。


一合目からは岩場はなくてとても歩きやすいです。なだらかな草地で近江鉄道経営で伊吹山スキー場としてにぎわっていたのだけれどスキー人口の減少で2005年に営業終了、あとを引き継いだ会社も2008年に営業終了しています。


ススキの白い房が秋の風情を感じさせます。


途中でホテルの廃墟があるなぁと思って通り過ぎてしまいましたが、7月頃にいくと花畑が楽しめるようです。元々伊吹山は薬草の宝庫で、自生する植物約1300種のうち280種が薬用植物だそうです。中山道編の記事の柏原宿で、伊吹もぐさの店の前を通りましたが、もぐさが一番人気だったようです。


今回も車を運転してくれた相棒は基礎体力があるのでズンズン歩いていくので、私を先頭に変更してもらうようリクエストをしました。


伊吹山登山のいいところは登っている間ずっと景色を楽しめるところです。眼下の米原と右側の琵琶湖を眺めながら楽しい気分で登山ができます。


ところどころ紅葉の美しさに触れることができます。



五合目と六合目の間にある避難小屋。石積みの壁ですごく頑丈に見えます。




かなり登ってきました。琵琶湖の眺めがすばらしい。


8合目まできました。このあたりから岩場が続きます。砂利を踏むと滑るので、注意しながら岩場を登っていきます。


頂上の社が見えてきました。3時間ちょっとでここまで来ました。


頂上です。人が多いので昼メシの場所を探します。


山頂がこれだけ広くて季節が良ければ花畑が楽しめるところが伊吹山の人気の理由なのでしょう。今は花はありませんが。


眼下に広がる琵琶湖に竹生島がきれいに見えました。


伊吹山ドライブウェイが見えます。



こちら弥勒堂。一之宮です。


福井県越前方向です。伊吹山に続く滋賀第二の高峰(1317m)の金糞岳でしょうか。


ここに1377mの札が。


日本武尊(ヤマトタケル)です。ヤマトタケルが伊吹山で出会った白猪を挑発したところ、白猪は山の神の化身で、怒った神が激しい雹を降らせて、そのせいでヤマトタケルは意識を失いほうほうの体で下山しましたが、その時のケガが原因で鈴鹿のあたりで息を引き取ったのです。


中山道編の醒ヶ井宿の記事で、醒ヶ井の名水を飲んでヤマトタケルが回復したという伝説がありましたが、少し調子が良くなっただけで回復はしなかったのですね。また醒ヶ井の名水の場所ではヤマトタケルを苦しめたのは大蛇と書いてありましたが、古事記が白猪、日本書紀は大蛇と違うバージョンになっています。

わかりにくいのですが、日本武尊像がある地点から、この左の道をいくと山頂駐車場にいき、東か西かでぐるりと周回するルートがあるのですが、相棒が帰りたそうな顔をしていたので下山します。まあ花畑もない石ころ道だろうし、まあいいか。


登山時は気が付かなかったのですが、8合目あたりにある、この縦に筋のはいった岩は、手掛け岩と言い、その昔、女人禁制だったころ禁を犯して登ってきた女人を山の神が怒って吹き飛ばしたときに抵抗して女人が掴んだ指のあとと言われています。女性平等社会の今聞くと酷い話です。


岩と砂利があるので滑りやすく注意して下山します。


5合目から下は歩きやすいのでストックがなくてもOK。


ススキが陽の光に輝いていてきれいです。


3時ごろですがもう日差しが斜に差し込んで琵琶湖が輝いています。


スキー場のリフトの台座の残骸。時の移り変わりに感傷的になってしまいます。
この先は1合目から登山口になるのですが、石や岩が多いので、このスキー場で登山終了みたいな気分になると裏切られます。


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