2019年12月31日火曜日

繖山(きぬがさやま)能登川駅~安土駅

朝鮮通信使が通った中山道よりも琵琶湖寄りの街道が朝鮮人街道と呼ばれる道です。

前回12月14日に、中山道の鳥居本宿から出発し、安土駅の手前の能登川駅で行程を終えたのですが、道路沿いに歩くのもつまらないので、能登川駅から安土駅までの間を山越えルートで行くことにしました。

下の地図が今回のルートの全体的な位置です。


こちらが拡大図。能登川駅出発でまずは猪子山(268m)に登り、そのあと少し下りがあってから、繖山(432m)に登り、すぐに下山したところに近江風土記の丘という歴史公園があり、そこが朝鮮人街道の合流点になるので、街道沿いに歩き安土を終点とする約3時間半のルートです。


これが3Dの図になります。


琵琶湖側から眺めた図。猪子山から尾根沿いに歩き、少し下ったところが地獄越えと言われる場所(全然地獄ではない)で、そこから繖山に登ります。この下山ルートから見える安土山の景色が美しい。



前回の終着点である能登川駅を降りた町ですが、本日は2019年の大晦日で、しかも強い風が吹いていることもあり、人影はほとんどありません。


繖山が見えます。でもこれは実は猪子山です。


上山天満天神社の鳥居から登山開始。


観光案内図を見ると山がいっぱいあるように描かれているのですが、これはかなり適当です。この左右の太い線が登山ルートになるのでしょうが、ほとんど参考になりません。


途中にあった岩船神社。明日は元旦なので装飾しているのでしょうか。


十一面観音方面に行きます。


古墳跡です。6世紀ごろ渡来人が住んでいたらしい。どんな服装でどんな生活をしていたのだろうか。


木々の間から、前回通過した荒神山が見える。


十一面観音はこの階段を上ります。


かなりの段数です。


風が強いのですが青空に虹がでています。


拡大です。


このなかに入って北向十一面観音をお参りします。自然の岩屋の奥に観音様の石像がお祀りされています。


ネットにあった画像ですが、十一面というからには11のお顔があるのかなと思いきや、そうではありません。


調べたところ十一面観音の10のお顔は頭の上にあるようです。北向十一面観音の石像もよくみると帽子?の上あたりに3つのお顔らしきものが確認できます。この石像は数珠を持って合掌しているのが珍しいとのことです。


外にでると荒神山に虹の端がきれいに出ていました。


ここから先は登山道っぽくなり、整備されていないようなので、ストックを出します。実際はとても良く整備されており危険では全然ありません。


巨石群。琵琶湖の東は、湖東流紋岩の宝庫です。


すぐに猪子山の頂上に出ます。


このあたりで、風に煽られてほとんどギリギリで倒れそうな松がありました。このあとも風がキツかったので、多分倒れたんじゃないかな思います。


階段で整備されています。


ついこないだ設置されたばかりの丸太の階段。一般の人に寄付金かなにかで協力してもらうシステムのようです。


丸太に書かれたメッセージを見ながら段々を登っていきます。


 風が少しさえぎられている場所を見つけ、2019年最後のお昼は「とら食堂」のワンタン麺。


石馬寺に向かう下山ルートがありました。


石段の参道?です。


石馬寺付近のマップですが、ちょうどこのあたりに、「きぬがさ街道」という名前の道がトンネルでぶち抜いています。わざわざトンネルを作る必要があったのかなと思いますが。


雨宮龍神社に出てきました。少し階段を上ると社殿があります。ここは雨ごい神社とも言われていました。


石馬寺住職が城蛇を社殿に投げつけたところ、雨が降り出したとの伝説があり、それを掘ったものだと思われます。急に雨が降ってきたのであわてて靴を脱いで水を貯めたのでしょうか?そんな水飲めないよ。


雨ごいの儀式がされていた趣のある場所。


雨宮龍神社階段上から眺めた安土山。


地獄越えといわれる谷間に出てきました。


繖公園、トンネル入り口が東側、須田が西側ですが、ここから繖山山頂に向けて1.2Km進みます。


景色が開けてきました。


 振り返ると猪子山が見えます。


繖山頂上が見えてきました。


あともう少し。


頂上到着。433m。


わりと広いスペースですが、とにかく風が強いので、コーヒーだけ飲んですぐに降りることにします。


すこし下ったとこから見える安土山の景色がこのルートで一番よい。画面の中央に見下ろしているのが安土山で、その上の湖が「西の湖」、その奥が鶴翼山(278m)、通称、八幡山で、その裏の琵琶湖を隠しています。

安土山の頂上にあったのが信長公の安土城。


西の湖の右側も以前は大中の湖というはるかに大きな湖だったのです。


右側に登ってきた猪子山。
 


すぐに登山口まで下りてきました。


登山口のあるところが近江風土記の丘と言われる遺跡・歴史の野外公園です。


かなり立派な建物ですが、誰もいません。


風土記の丘からは朝鮮人街道が続き、安土駅に到着します。


駅に貼ってあった「戦国ワンダーランド」のポスターが良くできていると思いきや、やはり「信長の野望」のイラストレイターの日田慶治さん作のようです。特にこの姫の勝気な表情が素晴らしい。


2019年12月14日土曜日

朝鮮人街道 鳥居本~安土(の手前)

朝鮮通信使が江戸に赴くときに中山道から少し琵琶湖側に近いところを通った街道を朝鮮人街道と言います。

中山道が一般人が使う街道であったのに対し、この街道は将軍の上洛か朝鮮通信使のみが使用することを許されていた道だったのです。

朝鮮通信使は室町時代から、文字通り正式な国家間のコミュニケーションの手段として使われていたのですが、その道中では人々との触れ合いの場でもありました。

文禄・慶長の役で一時期途絶えたものの、江戸時代に再開し、11代将軍の徳川家斉まで続きました。

中山道の野洲宿と鳥居本宿の間が別ルートになるので、鳥居本駅からスタートです。
ちなみに中山道の醒ヶ井から米原に行き、彦根に抜けて鳥居本に行くルートはこちらの記事で。

こちらが今回のルートです。朝鮮人街道の距離が約40Kmで二日に分けるとちょうどよく、安土駅あたりが真ん中あたりなので、安土駅を今日のゴールに考えていたのですが、結果的に安土駅の手前の能登川駅がゴールになりました。


京都駅から途中で近江鉄道に乗り換え、鳥居本駅へ。近江鉄道の車両がアニメ化していて妙な感じでした。


さびしい駅についたのがお昼の12時。誰もいない駅舎で、持参のおにぎりを食べる。
今年は12月になっても身をさすような寒さはありません。


専宗寺。


このあたりが鳥居本宿です。


この道を右に曲がると朝鮮人街道への分岐。
まっすぐ行くと中山道。



こちらが広重の絵図なのですが、違いすぎてどこなのか想像がつきません。琵琶湖がすぐ先に見えたのでしょうね。その先は比良山系なのかな。


分岐してからは、ラブホテル街を通ってトンネルを抜けます。


トンネルの先には佐和山城跡があります。鎌倉時代に建てられたお城で、三成が入城していた。


遠くに見える彦根城の方向に向かいます。


護国神社が外堀にあります。



お堀の大きさは二条城くらいかな。



このあたり、夢京橋キャッスルロードという名前で、昔風の街並みにショッピングやレストランがあって、楽しそうな空間になっています。


彦根の名店、親玉のお店があったので、よもぎ餅を買いました。

ひこにゃんショーをやっていました。平和です。


朝鮮通信使の宿として使われていたという宗安寺(そうあんじ)に立ち寄ります。
井伊直政が佐和山城から移築した赤い門が目立つので、赤門と呼ばれています。


奥にあるこの絵が通信使の像とされていますが、本当は誰の絵なのかよくわからないそうです。


表情をよく見ると、眉毛の感じや優しそうな目から、とても人の好さそうな朝鮮系の人に見えます。



通信使を描いた本が置いてありました。数十頁がずっと通信使の絵で、ものすごく長い行列であったことに驚きます。



宿泊した通信使が眺めたであろうお庭。



宗安寺を後にして、県道206号に出るあたりが銀座街という商店街になっていますが、人影はまばら。抽選イベントで家族相手にガラガラを回していたおじいさんが、わびしくも微笑ましい。


206号線沿いに歩きます。冬は日が短い。


お地蔵さんが寄せ集められています。信長が比叡山など焼き討ちにした寺から運んできた地蔵を建築資材にしたものがあとで発掘されて祀られるケースが多いですが、これもそうかな。


醒ヶ井の水と並んで名水百選に選ばれている十王村の水。驚くのはその豊富な水量。地元の方が汲んでおられました。名水のある所に住むというのは、幸せだと思います。


遠くに見える荒神山がここから向かうところです。


GoogleMapで見るとこんな感じ。右上が琵琶湖です。


甘露の名水と言われる場所ですが、水量が少ない。
こちらで、夢京橋キャッスルロードの親玉で買ったよもぎ餅を、持参のサーモスのお湯でいれたアツアツのお茶でいただく。疲れが和らぎます。


なにやら昭和っぽい商店。


荒神山が近くにせまってきました。284メートルなので、山というか丘陵。


このあたりでパラパラと雨に遭う。


登る時間がないので登山口を見るだけ。
山頂にある荒神山神社は、火産霊神(ほむすびのかみ)で、火の神様なので、かまど、つまり台所、さらに言えば、家内安全のご利益があるそうです。



荒神山神社への道標。


さて、次の目標は、繖山。これで、「きぬがさやま」と読む。「きぬがさ」とは身分の高い人が頭上に掲げた傘を意味するとのこと。

近江の頭上の傘、ということなのでしょうか。433メートルの高さがあるので、山と言ってもよい、存在感があります。


5時頃になると、もう日が暮れてきます。


GoogleMapで、右下が荒神山、左上が、繖山。


繖山への朝鮮人街道は、県道2号線なので、県道をひたすら歩きます。


日が暮れてくるし、県道歩きで正直つまらない。


2万歩ほど歩いたあたりで、暗くなってきたし、このあたりで本日は終了にすることに。


JR琵琶湖線の能登川駅。失礼ながらこんな場所にしては立派な駅です。夜景が映えてなかなか美しい。