(弥山頂上から瀬戸内海四国側を望む)
西国街道歩きで広島市から岩国市まで歩いたのですが、その機会に以前から登りたかった宮島の弥山(みせん)(530m)に登ります。
全体で2泊3日の旅で弥山登山は2日目だったので前後の行程のリンクを貼っておきます。
下の図が実際に歩いた弥山登山のルート図になります。といっても厳島神社の観光もしているので登山だけではありません。
今回我々は登りを大聖院コース、下りを紅葉谷コースにしました。
大聖院コースはとても整備されていますが、ほとんどが石段なので腿の筋肉に負担がかかりました。紅葉谷コースは谷コースですが道は歩きやすいです。紅葉が楽しめるのはふもとの紅葉谷公園だけでした。
厳島神社の観光も含めて全行程約9km、5時間、累積標高600mでした。登山道は大変よく整備されているのでソールがしっかりしたスニーカーであれば大丈夫です。多くの外国人は、ちょっと散歩、程度の服装で登っていました。
昨夜は宮島にあるホテル「リブマックス安芸宮島リゾート」に宿泊しましたが、幾らでも外国人が泊まりに来るせいか値段に内容が全く釣り合わない宿で、はだはだ不満でした。
10時前に宿をでて歩くと、今でも使われていそうな井戸がありました。「誓真釣井」と書いてあるので調べてみると江戸時代の半ばに誓真(せいしん)という浄土宗の僧がいて、水不足に悩む島民のために島に10箇所の井戸を掘ったそうです。
すぐそばが海になっているにも関わらず、水は塩分のない真水で美味しいそうです。
誓真さんはそれに加えてご飯のしゃもじを発明した人とされています。なのでしゃもじの発祥の地は宮島。日清、日露戦争の際は広島を出航した船は「敵をめしとる」ために厳島神社に立ち寄りしゃもじを奉納したそうです。
宮島港にむけて歩いていると鹿に遭遇。宮島には500頭の鹿がおり、そのうち200頭は町に住んでいるとのこと。道路もシカさん優先のようで。
宮島港そばにある平清盛像。吉川英治の「新平家物語」がとても面白かったのですが、平清盛はおそらく日本で初めて本格的な外国との貿易を通して偉大な国家にしようとするビジョンを持った指導者であったのではないかと思います。
平清盛は国際都市として福原に遷都しましたが、それ以前から厳島神社を壮大できらびやかな神殿にしていた理由は、日本を訪れる宋などの外国船に日本という国家の偉大さを見せつけたかったんじゃないかと思います。
町家通りからすこし奥にある幸神社(さいのかみ)。神社から町家通りに向かって下り坂になっていますが、江戸時代に表参道商店街のある部分が埋め立てられる以前は、ここが船着き場だったそうです。
大聖院の仁王門。今回弥山への登山ルートは大聖院コースから登るのですが、大聖院コースはこの仁王門手前を左に曲がらねばなりませんが、知らずに大聖院に門を入ってしまいました。
大聖院コースが大聖院から登れないことがわかり迷ったあげくようやくコースに入る。外国人も皆迷っていました。
沢沿いの歩道を進みます。弥山登山には奥さんも急遽参加してきました。奥さんは日帰り登山です。
眼下に大鳥居が見えるように樹々が除かれています。
紅葉もチラホラ見られます。
頂上付近は巨大な花崗岩の岩石になっていますが、登りやすい道です。
水掛地蔵さんに柄杓で水をかけた。
登山口から約2時間で弥山頂上に到着。人が写りまくっています。頂上はとても広く、巨大な展望台が構築されているので、景色を楽しみに登ります。
東方向のパノラマ。中央から右方向には大奈佐美島から呉市。左は昨日西国街道で歩いた廿日市です。
南東方向。中央左が江田島市の沖美町です。中央右のポツンとした島は小黒神島、無人島でダイビングスポットらしです。
西の方角は宮島の西半分で、瀬戸内の向こうは岩国です。
頂上からすぐ下にある13仏。不動明王、釈迦如来もろもろのオールスター。
霊火堂にある消えずの火。空海が修行していらい燃え続けているという火で、平和記念公園の灯火の種火として使われているそうです。この茶釜の湯は万病に効くとのこと。
紅葉谷コースを通って下山していきます。宮島は人口が少なかったので原生林が多く残っていると案内版にありました。天然記念物になっています。
まだ少ない紅葉。
下山は1時間ほどで紅葉谷コース登山口に下りてきました。
紅葉谷川にかかる橋。もみじ橋と言われています。
左側の拝殿を五重塔をバックに。
大鳥居。神秘的ですね。山の上左に見える白い三角の建物は昨日西国街道で見かけた海の見える杜美術館。仏教とキリスト教が融合したような宗教団体が運営しているようです。
厳島神社からフェリー乗り場に向けての道を振り返ると弥山の山頂(中央)が見えました。右の山頂は駒ヶ林(509m)、弥山頂上と30mしか変わりません。
フェリー乗り場の周りには大勢の鹿がいます。奥さんいわくこの鹿はいつもフクヤさんの前にいるそうです。準備中の札の前でジーっと待っている姿が微笑ましいですね。
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