直行便といっても行きは関空朝9:30発なので、ものすごい早起きが必要で、ダナンからの帰りは夜12:20発なのでものすごく遅い。
フライト時間は約5時間30分なので乗ってしまえばすぐです。ベトナム航空は一応LCCではないのですが、機内サービスはあまり良くはありません。それでも2月下旬の平日という中途半端な時期なのに機内はフルでした。
ダナンの空港での長い列のイミグレーションを済ませた後、SIMカードをUS8ドルで購入します。帰りはSIMを自分で戻さないといけないところ、嫁さんがクリップを持っていたので助かりました。次回は要注意。
タクシーに乗り込みハイアットリージェンシーに向かいます。タクシーはメーター式で安心ですが、日本円1円=0.005ベトナムドンなので、タクシー代が10万ドンを超えます。
ダナンの中心部はほとんど信号がなく、ラウンドアバウトで無数のバイクの間をクラクションを鳴らしながら車が走っています。事故がおきないのが不思議です。ベトナムで第三の規模の都市だそうですが、ホーチミンではもっと酷い状況なのでしょう。
ハイアットは中心部から少し南にあり、レジデンスに泊まることにしました。これがホテルのマップで、ゲートが下の中央、そこから左したのResidence Bです。歩いて4分くらいですが、頼めばカートに乗せてくれます。
シンガポール在住時代のコンドミニアムを思い出しました。
長期滞在の部屋なので、キッチンとリビングダイニング、そしてベッドルームがあります。分譲もしているのかもしれません。
8階なので、海の景色が素晴らしく、バルコニーにはソファーというかベッドが置いてあります。
【チャム彫刻博物館編】
部屋で一休みしたあと、翌日の遺跡めぐりの前の予習もかねて中心部にあるダナン・チャム彫刻博物館に行きます。
チャムとはベトナム・カンボジア中南部の沿岸地域に住む民族のことを言い、チャンパ族とも言います。赤のポイントが遺跡です。2世紀から17世紀にかけてチャンパ王国を持っていました。
チャンパ王国は海洋貿易で経済が栄えた一方、北は中国から、内陸部からはカンボジアからの攻勢に常に苦しみ、戦争が絶えなかったことです。ただ、文明の交流によるヒンドゥーに影響された独特の文化を持っています。
チャム人が最初に崇めた神が、ヒンドゥー教のシヴァ神です。
シヴァ神はヒンドゥー教の中の三大神のうちの一人で、破壊と創造の神。蛇を首に巻き、菩提樹の数珠をつけて瞑想をしています。ヨガの創始者でもあります。
このシヴァ神が日本にやってきたら大黒天になります。シヴァ神が幸運をもたらす神であるところが好まれて、打ち出の小槌を持つ福の神に変容したのでしょうが、変わり方がすごいです。
蛇の神、ナーガ。
天女、アプサラ。
9-10世紀の菩薩像。国宝だけあって存在感がある。
これは王様なのでしょうか、表情がリアルで、とても人のよさそうな笑顔。
鳥の神、ガルーダ。蛇の神ナーガとは敵対関係にあります。
博物館の後はホテルに戻ります。ちょっとおしゃれなパン屋さんに寄ります。
Beach Houseというシーフードレストラン。海沿いのロケーションが最高。料理はまあまあでしたが。
部屋に戻ってお気に入りのバルコニーのソファーベッドで読書をするも、疲れていたのですぐに寝てしまいました。
翌朝は薄曇り。右奥に見えるのが、本日登る予定の五行山です。
こちらはデザートです。たぶんチェーの一種。
朝のプールサイド。
極楽鳥花は少し小ぶりです。五行山を背景に。
【ミーソン遺跡編】
五行山に登る前に、四世紀末にバドラバルマン一世が建設したチャンパ王国の聖域といわれるミーソンに行きました。車をチャーターして一時間半くらい。追い越しに対向車線を走るのはヒヤヒヤものでしたが到着しました。
入口付近に小さな博物館があります。これはチャム語でしょうか。石の上に整然と彫られています。丸い字が面白い。
男根をリンガ、女陰をヨーニといいますが、これはセットになってます。この上からミルクをかけたそうです。エログロの世界です。
10人乗りくらいのカートで遺跡エリアに移動します。遺跡群にはAから順に記号が振られていますが順番は黒い点線を右回りに行きます。
E群に行く途中の景色。どこかに頂上が鳥の嘴のように見える聖なる山、ガルーダ山ことマハーパルヴァタ山が見えるはずですが、曇っていてよくわかりません。
こんな道をしばらく歩きます。
右上のE群に到着。
ミーソン遺跡の特徴は焼きレンガを積み上げているところですが、セメントや漆喰など接着剤となるものを一切使っていない高度な技術を持っていたようです。
遺跡で見つけた巨大クモ。ジョロウグモはお尻が丸いのですが、こちらはオオジョロウグモで、日本には沖縄あたりに生息しているようです。鳥も食べちゃうそうです。コワー。
比較的よく残っている建造物。残念ながらベトナム戦争で爆撃にあい、特にA群遺跡は元の遺跡の姿が想像もできません。
これはガルーダかな。
ここがミーソンで一番大きな建築物であった主祠堂があったA群。ベトナム戦争時にアメリカの爆撃で大ダメージを受けてしまいました。
これが再現図ですが、入口の部分が認識できます。28mあったというのでマンションだと10階建てくらいのかなりの高さです。レンガの積み上げだけでよく作れるものです。
レンガの積み上げがよくわかります。
これがミーソンでのベストショットかな。レンガの線が細かい層となって荘厳かつ繊細なイメージです。山が背景なのもいいです。
女神の祈り。
一通り遺跡を見終わったらカート乗り場にあった店でお昼を食べます。きしめんのような平麺のミークアン。汁は少なめ。
【五行山編】
ミーソン遺跡を後にして車で今回の旅行の目玉である五行山に向かいます。
孫悟空が懲らしめのために500年間閉じ込められていたのがこの山です。それぞれの山は、火、水、木、土、金を表しており、メインの山はチュイソンと呼ばれる水の山になります。
五行山はハイアットのそばなので歩いても行ける距離です。まあ、車とバイクの洪水なので歩きたいとは思いませんが。見ての通り近代的なエレベーターがあるのですが、たかだか108mの山なので、もちろん使いません。
ところせましと立ち並ぶお土産屋の間を縫って入口にたどり着きました。
石段を登ります。ダナンの人気スポットだけあってかなりの観光客の数です。
水の山だけあって、池に浮かぶ弁天様がおられます。
タンチョン洞窟です。
釈迦像ですが、衣の表現がちょっと変です。
将棋を指していますが、二人がそれぞれ別の方向を指さしているのが気になります。
かなり大きな鍾乳洞です。石灰質の岩を何万年もかけて浸食していったのでしょう。
さて地図には載っていませんが、頂上へ登る階段があるので、当然登ります。
別の山が見えます。手前の切り立った岩もかなり迫力があります。
3つの山が見えます。左がモックソン、右手前がキムソン、その左後ろがホアソンです。
頂上からは東ベトナム海がよく見えます。
遠くには半島になっている部分が見えます。
フィエンコ洞窟です。
五行山の洞窟の穴はベトナム戦争時の爆撃のものもあるようです。
爆弾が作った穴かもしれませんが、光が幻想的に差し込みます。
最後に展望台に登ります。
下山します。
ハイビスカス。
道すがら見えた厳しい山肌。
ここは石像のお店がいっぱいあります。こんなデカイものを買う人が果たしているのだろうかと思います。以前は五行山から切り取った石を使っていたようですが今は禁止されており、別の場所の石を使っているそうです。
結局エレベータを使っても使わなくてもそんなに変わらないようです。
ジャスミンの花。風車のような形をしています。
この日はゴールデンロータスというお店でマッサージを受けて、Ngon Villaというレストランで夕食にしました。どちらもTrip Advisorでかなりの評価を受けている店です。マッサージは90分で6000円ほどだったと思います。京都で上手なところを知っている私としてはまあまあといったところ。レストランは、定額料金でいろんなベトナム料理が食べ放題。サービスもとてもよく、ベトナム料理ならここ以外に行く必要がないのでは?と思いました。料金も3000円くらいだったと思います。
さて、ホテルに帰ると月明りが海に映えていました。
翌朝です。淡い茜色の空に昨日訪れた五行山が映えます。
太陽が登りました。美しい。
これは部屋の中からのショットです。
ちなみにこれはGoogle Photoが勝手に効果をつけた作品。
さてベトナム最終日は、ホイアンに行きます。8:30に予約していた車に乗って1時間くらいで到着します。
ホイアンは元々はチャンパ王国が港として使っていたのですが、ベトナムの広南(かんなん)朝が勢力を広げると、首都フエの外港として機能しました。オランダ、ポルトガル、中国の他に日本との交流もありました。
今回は英語を話すガイドの女性が案内してくれますが、まずは、主な有料の観光施設のチケットが全部ついているものを買います。
その後、最初にいったのが、シルク工場兼販売のお店。蚕を見たのは初めてですが、桑の葉を食べて二週間程で繭をつくり、それを湯がいて糸を取るわけですが、5000年ものあいだ人間に利用されたせいで、野生的な部分が完全に退化し枝に乗せても落ちるし、成虫となって羽根が生えても飛べないという悲しい動物。
蚕を見た後は生地を織るところや刺繍をしているところを見せられ、最後はお約束の販売コーナー。向こうも最近の日本人は買わないことを知ってか棒読みの説明を終えると行ってしまった。
お店で見かけたアイスもなか。およげたいやきくんがトビウオのように跳ねています。
これは何かの木の根をつかった福禄寿・寿老人の工芸品(?)。かなり不気味なんですけど。
アートギャラリーもところどころにあります。
サツキの花が咲きひこっています。
日本人橋。
橋の中央にある小さな資料館の写真です。1950年というからそんなに大昔ではない。
いまでもそんなに変わっていません。屋根や、レンガ作りの橋脚はあまり日本らしくはありませんが、欄干や船を逆さにしたような天井は日本っぽいなと思いました。
トウボン川です。
ダナン、ホイアンは提灯、おしゃれにいうとランタンが町のシンボルになっています。背景のさつきと合わさってなかなか良いショット。
ガイドさんに案内されてコーヒーショップの上に登ると屋根がならんだ景色を見れます。
別のコーヒーショップでしばし休憩。
これがベトナムコーヒー。練乳の上にコーヒーをドリップさせますが、これがなかなか時間がかかる。濃さはエスプレッソなみで、暑いのと少し疲れている気分をスカッとさせてくれます。
コーヒーショップの二階。なかなかおしゃれです。
ここのコーヒーショップも3階からは良い眺めが楽しめます。
さて細い路地をとおってまたトウボン川へ。
この黄色い壁の前で写真をとるとアートっぽいので皆が撮影会をしています。奥さんもそれなりにいい感じ。
どこかの一服どころですが、いい写真です。
ランタンタウンという名の通り。夕方にくると灯りがともってさぞかしキレイなのでしょうね。
これは日本人ではないか?と思わせた絵がありました。こんなに着ていては暑いとは思いますし、刀の持ち方も変だし、本物かな?
徳川家康が始めた長崎を拠点とした朱印船貿易で多くの日本人が東南アジアに行き、ここホイアンでも日本人町があったといいます。
その後、東南アジアの日本人町は紛争に巻き込まれたりキリスト教布教の対象にされたりで、徳川家光は1635年に鎖国令により朱印船は廃止されてしまいます。日本人町に5年以上住んでいた人は帰国を許されなかったというからかわいそうな話です。
こちらは中庭がカフェに、その奥がお土産屋になっています。
ホイアンはこうして写真だけを見ればキレイな街のようですが、実際は観光客だらけで、原付バイクが走りまくりまったく落ち着ける場所ではありません。
ビーチサイドのハンモックでぶらぶらしたり、プールサイドでのんびりして時間を過ごします。
ホテルのカフェでものんびりします。窓際の席はベッドみたいになっていますが、さすがに爆睡するわけにもいきません。
夕食はベトナム料理でしたが、値段は昨日のお店の3倍くらいします。でもさすがハイアットだけあって、昨日の店よりも美味しい。
ちなみに帰りのフライトは技術的問題かなにかで遅れて、出発したのが夜の1時くらい。かなりキツかったです。
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