2019年6月9日日曜日

洛西竹林公園

竹林と言えば、嵐山が世界的にも超有名ですが、竹林公園というものが桂川のそばにあります。

駅で言えば阪急の洛西口駅がそばなのですが、それでも歩いて25分ほどかかりますので、今回はタイムズカーシェアで行きました。



園内には100種類以上の竹が植えられているということです。ちなみに今回の写真は全てiPhone Xです。



これはキンメイモウソウといわれる種類。名前の通り金色にも見える茎が特徴。モウソウチク(孟宗竹)の一種ということで、中国で孟宗という人が母の願いを天に祈り、冬なのにタケノコが生えたという伝説が元になっている。


この孟宗という人、大変な母思いであり、母の死に際して、その禁を犯し本来の職務を放棄して母の喪に服したせいで、あやうく処刑されそうになったところを、免れたそうです。

孟宗を救うように嘆願したのが、三国志の呉の軍師、陸遜。

ちなみに一般的に家庭で食べるタケノコは、この孟宗竹だそうです。


この紐で縛ったような種類はキッコウチク(亀甲竹)で、モウソウチクの突然変異だそう。


京都の伝統工芸で茶道具などで使われてます。


こちらはマダケ。日本自生ともいわれています。モウソウチクに比べると細くて、タケノコも食べられるがあまり流通はしていない。曲げに強ので、定規に使われるとのこと。そういえば子供の時学校で使った覚えがあります。

120年周期で花が咲くと言われており、1960年代に開花したので次回は2090年頃だそう。花が咲いたあとは竹が一斉に枯れてしまうのだそう。モウソウチクは67年周期と少し短い。


調べてみると、なんとついこないだの2019年の春に全国で竹の開花がニュースになっていました。

凶事の前触れとも言われているらしく、ちょっと気味が悪いですね。竹の花はイネの花と似ており、稲、笹、竹が同じ仲間だということがわかります。


竹は地下茎を張り巡らし、地下からニョキニョキと茎を生やす無性生殖。というより、地下茎と竹林が一つの生命体のように成長するという相当変わった植物です。一本の竹の寿命は約20年と短いのですが、どんどん新しいタケノコが生えてくるので絶えることがありません。

その一方、60年や120年という単位で、有性生殖を行い、繁殖したネットワーク全体を再生する。これって、式年遷宮と似ているような気がします。

会社や国も永久には続かずいつかは滅ぶもの。それを滅ぶ前に自ら破壊・再生することで、存続させるということは自然の摂理でもあるようです。

写真の場所は、嵐山の竹林と似ていますが、やはりスケール感と空気感は嵐山の圧勝でしょう。


この公園には、何故か旧二条城跡で発掘された多くの石仏が置かれています。

旧二条城は室町時代最後の将軍足利義昭に仕えていた織田信長が建てた城で、今の京都御所の南西部分に重なる場所にありました。

当時の宣教師の記録によると、神や仏教を信じない信長が石仏の首に縄をかけて引きずり回すのを見て民衆は恐れおののいたと言います。


というわけで、普段なにげなく見かける竹についてじっくりと鑑賞し、学ぶことのできる場所でした。

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