2018年4月7日土曜日

吉野山

ハイキングを兼ねて花見に吉野山へ。

吉野山に桜が多いのは、平安時代に御神木として桜を植えたのが発端です。家具材としてもヤマザクラですから仏像を彫るのにつかわれたようです。

京都からは橿原神宮駅のりかえで吉野駅まで特急で約2時間。近鉄はチケットレスシステムが会員料金無料で使えて非常に便利でした。

前日は橿原神宮から吉野特急がすべて売り切れで、仕事中に何度か繰り返して見ているうちに朝一番の7:40京都発に空席が出たのでゲット。9:26に吉野駅に到着しました。


朝早いというのに吉野駅はすでにこれだけの人だかりです。


お土産屋さんもフルオペレーションです。焼き鳥、焼きそば、何でもありです。



吉野駅からロープウェイがあるのですが、当日は運休しておりました。でも、このロープウェイ、有っても無くてもそんなに変わりません。ちょっとつづら折りの道を歩くのが増えるだけです。今回は、下千本、中千本、上千本、そして奥千本まで行って引き返すコースです。


ロープウェイに乗らない人の徒歩ルート。これ以外にバスに乗る方法もあります。



つづら折りを登っていきます。


黒門。金峯山寺(きんぷせんじ)の総門。




これが金峯山寺の仁王門。修験道の元祖である役行者が創立。金峯山は、吉野山から山上ケ岳までの山々の総称です。


八重桜が艶やか。でも八重桜はほとんど見かけません。


吉野桜と言われるシロヤマザクラ。4月7日だというのにもう散り始めています。今年は本当に開花時期が早すぎる。シロヤマザクラは、花と葉が同時に出てきますのでソメイヨシノのようなピンク一色にはなりません。なのでソメイヨシノに比べると地味ですね。


大峰奥駆道のスタート地点が吉野です。去年は八経ヶ岳に登りましたが、今年はどう攻めようか。


このあたりが上千本と言われる場所。正直もうちょっと桜のじゅうたん的な景色が見れるかな、と思っていました。満開最盛期の時期を逸したというのも大きな理由でしょうが、人口減少による手入れ不足などで桜自体に勢いがなくなってきていると言われます。
10年ほど前に来たときはもっと桜の密度が高かったような記憶があります。

実際、大勢の観光客からは「桜がない」という声が聞こえてきました。


さて、このあたり横川覚範(よかわのかくはん)の首塚があります。

頼朝が京都へ送った軍勢を逃れて、四国へ落ちるはずだった義経は嵐に飲まれて紀伊国へ流れつき、そこから吉野山へ向かいます。愛人静御前を連れて雪の金峯山寺の門をたたきますが、頼朝に逆らえないのと、女連れであるということから結局協力は得られず、それどころか、刺客に追われます。このあたりで追手の横川覚範から義経を守るべく佐藤忠信が決死の戦いをします。


吉野ツツジ。ところどころで見かけましたが美しさでいうとこれが一番だったかも。


こちら水分神社。帰りに寄りますのでとりあえず通り過ぎる。


去年NHKの番組「列島誕生ジオ・ジャパン」で紹介されていましたが、日本列島というのは、北アメリカプレート、ユーラシアプレートという二つの大陸プレートと、太平洋プレート、フィリピン海プレートという二つの海洋プレートがぶつかるところに位置しています。東西がぶつかるところがフォッサマグナで北アルプスを形成。

南紀熊野はフィリピン海プレートがユーラシア大陸プレートに沈み込んで二つのプレートがぶつかったところに、マグマ活動による火山が発生するという、かなり混み入った地層(メランジュ)になっているそうです。写真は途中で見かけた見事なチャート。


水分神社を過ぎると小さな分岐があり、高城山に展望台があるのでそちらに向かいます。




高城山は、後醍醐天皇が鎌倉幕府討伐のために挙兵した元弘の乱の際に、後醍醐天皇の子供である護良親王(もりよししんのう)、通称大塔宮が北条軍と闘った場所です。

大塔宮は吉川英治の私本太平記にも出てきますが、父親の後醍醐以上の武闘派です。


眺めの良いところを選んで撮影していますが、全般的に桜が少ない。周りの人々のテンションも低いです。


まあ大体こんな感じです。この先に桜がいっぱい咲いているのが見えます。


金峯神社の修行門にたどり着きました。桜が多く、まわりから歓声があがります。ようやく桜の群生が見れた。


参道の端にいくと山の斜面いっぱいに植えられた桜が楽しめます。今回の花見で一番見応えがあったのがここです。




お参りするのに列に並びます。御朱印は時間がかかるだけあってもっと長い列になっていました。


神社のわきから先は、いよいよ大峰奥駆道です。おそらく去年10月の台風の崩落でしょう。


今回は西行庵までをゴールにするので先へ進みます。


西行は新平家物語にも出てきますが、すがる家族を蹴飛ばしてまで出家し、和歌を詠みながら旅をしたお坊さん。



西行庵の周りが奥千本です。


小屋がありますが、人でいっぱい。少し離れたところでお昼にしましたが、寒い。


やはり背景に山が写らないと吉野らしくないですね。





西行庵からさらに奥にいくと展望が開けた場所があります。かなり背丈のある桜。



南の方を眺めると大峰の山々が。左の奥の方が山上ケ岳です。


さらに進むとぐるりと回って金峯神社に戻るルートになります。


山上ケ岳に向かうルートにあった看板。あー、引き返すのが惜しい。


登りに行く人たちがうらやましい。


さて、行きに立ち寄らなかった水分神社のなかに入ります。こちらの桜はなかなか見応えがありました。





帰り道でお昼の光に照らされた下千本の景色。こうしてみると桜がいっぱいありそうに見えます。


締めくくりに吉野ツツジをもう一度。帰りは全くお土産屋さんには目もくれなかったので、14時過ぎの特急に乗れました。スマホで無料で特急の予約を変更できるので非常に便利でした。駅に着いた時には「特急券は18時まですべて売り切れです」とアナウンスされてましたので、文明の利器を使いこなす有利さを実感。


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