本来は六十里越街道のルートではないのですが、主祭神が月読命の山を月読好きの私が見過ごすことができるはずもありません。
月山の地図には是非このパンフレットを入手してください。月山朝日観光協会に電話すれば郵送してくれした。ちなみに、湯殿山参籠所にはこのパンフレットは置いてありませんでした。
月山への登山ルートで一番ポピュラーなのが、姥沢からペアリフトを使うルートで、自分は帰りに使います。月山、湯殿山に加えて出羽三山のもう一つの山である羽黒山から尾根沿いにくるルートも山好きには人気のようです。
私の湯殿山神社から登るルートは一番ハードで、夏休みというのに二人しかすれ違わなかったのであまり人気がなさそうです。
売店の横にあった案内板です。こうして見ると本宮まですごい距離のように見えますが、歩いて30分弱くらいです。参籠所から月山頂上までは約4時間の予定です。
拡大図です。月光坂の鉄梯子が相当ハードそうです。
本宮までは舗装道路です。
本宮の入口にある案内板。
大山祇命(おおやまずみのみこと)は日本の山の神の総元締めといわれる神。
大己貴命(おおなむちのみこと)は出雲大社の大国主命(おおくにぬしのみこと)の別名。
少彦名命(すくなひこなのみこと)は小人神で、温泉の神としても知られている。
本宮の中は撮影禁止になっています。時間がなかったので拝観しなかったのですが、岩の谷間から湯が湧き出ているといいます。
本宮の横を抜けると登山ルートですが、なかなか険しい景色。修験道の山といった感じです。
岩々の表面を水が流れています。雨天時の登山はやめたほうがいいかも。
「水月光」といわれる、岩と水の登りを通り過ぎるといよいよ鉄梯子の「金月光」です。水月光のほうが、滑りそうでずっと注意が必要だということがわかりました。
鉄梯子を登ると景色が開けました。遠くの赤いのが大鳥居です。
こんな鉄梯子を登っていくのですが、実はとても登りやすい。ただ怖いのがハシゴごと滑り落ちることで、大丈夫だろうとは思うものの、考えると恐ろしい。ジェットコースターもレールから外れることを考えると一番こわいのと同じです。
難所の月光坂が終わると、施薬小屋、別名、装束場です。装束場(しょうぞくば)とは逆ルートで本宮にお参りする修験者が、傷んだ草鞋を履き替えてお参りの服に着替える場所。
なかなかちゃんとした小屋です。小屋は二つあります。
月光坂の苦労がうそのような開けた道。
アザミです。
この花が一番多く咲いていました。ニッコウキスゲという花で、夕方にはしぼんでしまうそうです。
誰もいない場所。なにか天上界のような世界を感じさせます。
金姥に近づくと、月山に向かう稜線沿いの登山道を歩く人々の姿が見えます。
ペアリフトから姥ケ岳を経由してきた多くの人たちがやってきます。さっきまでほとんど誰もいなかったのに、やはり人気のルートなんでしょう。
靴擦れの傷にバンドエイドを貼って頂上を目指します。
ニッコウキスゲの後ろに鮮やかな緑の世界が広がります。
残雪の白が美しい。
岩の多い道を注意深く登っていくと、頂上か?と思いきや、神社のある本当の頂上が霧の向こうに見えてきました。
これはキオンというキク科の小さな花。
頂上小屋です。割と大きい。数十人は泊まれそう。
もうすぐで頂上。
月山神社本宮入口です。拝観料500円を払って中に入ります。内部は撮影禁止なのですが、まずお祓いをしてもらい、その後、人型の薄い紙片を頭から足までこすりつけてから息を吹きかけて水面に置きます。この儀式は禊(みそぎ)を意味し水に霊力を与えるのが月であるというわけです。
月山神社は明治時代は国から公式に支持される東北唯一の官幣大社(かんぺいたいしゃ)だったという非常に社格の高い神社ということです。
京都は松尾大社の摂社の月読神社を訪ねましたが、月読命は、天照大神が姉で、スサノオ尊(のみこと)が弟ということですが、月読命は性別不承。月の満ち欠けで暦を占ったことから、占いの神でもあり農業の神でもあります。
神社を御参りしたあとは頂上付近で湯殿山参籠所で作ってもらったおにぎりをおいしくいただきました。予定よりも約30分早く到着したので、まだ朝の10:30ですが、7時出発にしたので、朝食を作ってくれずお菓子しか食べなかったのでお腹が空いていました。
あいにくガスのせいで雄大な頂上からの景色は楽しめませんでしたがこれはこれで味があるもの。残雪が運んできた冷たいガスが少々寒いくらいです。
この高山植物は白山風露(ハクサンフウロ)という名前。
黄色いのがミヤマキンポウゲ。ハクサンフウロと一緒に咲いています。
高度計は1980m。頂上の標高が1984mということなので大体合っています。六十里越街道を二日あるいた最後に登山だったのでさすがにちょっと疲れました。
下りで撮ったなかなか良い写真。
この残雪からくる風が本当に気持ちいいです。暑い京都に戻ることを考えるとずっとここにいたい。
最後にもう一つニッコウキスゲ。
帰りはペアリフト駅に向かいます。きれいに板張りの道にしてくれているのでとても歩きやすいのですが、なにより靴擦れの傷がつらく、かなりペースが落ちました。
ペアリフト駅が見えてきました。
リフトから月山湖と寒河江川(さがえがわ)が遠くに見えます。国道112号と山形自動車道のブリッジも見えます。
約15分の快適なリフトが下駅に到着します。やはり文明はラクなものです。
これで三日間の旅も終わったのですが、GoogleMapで全行程をみてみます。遠くの星から、スタート地点の八幡神社、初日宿泊した田麦荘、二日目の湯殿宿参籠所、そして手前が月山リフト下駅。
こちらは逆に八幡神社側からみた全行程ルートです。
帰りはリフト下駅から歩いて5分程の姥沢バス停から14:20の小さな路線バスに乗り、15:35に西川バスストップで高速バスに乗り換えました。その後、山形駅で一休みしてから帰りの19:45から夜行バスで京都へ直行、到着が翌朝6時頃でした。
夜行バスのアルカディア号ですが、行きのエスモールの夕陽号と比較して座席間のカーテンもなく、車内の音もうるさく振動もきつかったです。おまけに車内の冷房もきつかったのであまり眠れませんでした。これから行かれる方には鶴岡往復をオススメします。
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