2017年7月8日土曜日

山科毘沙門堂門跡から大文字山(大雨)

山科にある毘沙門堂門跡(びしゃもんどうもんぜき)に行きました。いろいろ京都は周ったつもりですが、山科って行ったことがありません。

東西線山科で下車して、山側、駅の東側から歩きはじめます。すぐに毘沙門天の石碑があるのですが、なんと石碑の半分が、民家の庭に入り込んでいます。これって石碑の半分は私有地ということ?



北側に歩きはじめると、家々が山のすぐ下に建っているのが目立ちます。空気はいいのでしょうが、土砂崩れが心配ですね。



地図がありました。この場所は山にくさびを打ち込んだようになっていて、三方が山に覆われています。その奥に毘沙門堂があります。



山科疏水です。春や秋には、桜や紅葉が楽しめるということです。



これは前に疏水記念館に行った時のものですが、第一期から山科を通って蹴上に流れて行っているのがわかります。



人家の前に咲いていた花。アガパンサスという南アフリカ原産の種だそうです。



毘沙門堂にむけて石段をあがっていきます。



拝観料500円を払うと内部に入れます。毘沙門堂は元々は御所の北にあったのが、戦乱の後、江戸時代の家綱の時(寛文5年-1665年)に山科の今の地に再建されました。

その頃の天皇、後西天皇(ごさいてんのう)の皇子が入寺したことにより、門跡(もんぜき)となった。

最初、毘沙門堂門跡と聞いて、建物自体は無くて、門の跡だけが残っているのかな?と思ったのですが、門跡というのは、寺のなかでも皇族や公家が住職を務める非常に寺格の高いお寺のことを言うということがわかりました。

自分の無知が恥ずかしい...

こちらは、皇子が入寺したので、門跡となったというわけ。皇子が...と聞くとすごいと思うのですが、後西天皇は子女が25人以上もいるので、そのうちの一人くらいお坊さんになったとしても珍しくはないですね。さすが正妻、側室と多くの女性に子種を蒔くだけのことはあります。

この、皇子である公弁法親王(こうべんほっしんのう)ですが、なんと5歳で受戒(じゅかい)を受けています。つまり本人の意思ではなく、宗教界の押さえとして運命付けられていたのですね。毘沙門堂だけでなく、日光東照宮の門跡も兼ねていたということです。



さて、この毘沙門堂ですが、動く襖絵(ふすまえ)で有名です。写真撮影禁止なのでネットで拾った画像ですが、この左の机が、手前から奥へ歩くことで長さが伸びるように見えるのです。一種のトリックアートですが、当時はみんな驚いたのでしょう。



お庭です。




お堂を外からみるとこんな感じ。すぐ裏に山が迫っています。



これは毘沙門堂の塔頭(たっちゅう)。



ドドドと石に打ちつける一筋の滝。修行に使えそう。



で、目的の毘沙門堂も見たので引き返して山科駅に戻ろうかと思ったのですが、ヤマレコを見ると、大文字山への道がある。

なんだか歩き足りない感があったので、かなり迷いましたが、「行く」という結論に達しました。これがとんだ結果を招くことになったのですが...



沢の横を歩きます。蒸し暑かったのだけど、沢のそばは気持ちよい涼しさ。この辺はかなり気分よし。


仁明天皇の女御(にょうご)である藤原順子の墓。女御というのは天皇の夜のお勤めのお相手。なので、容姿見目麗しい女性ということです。



「ちょっとそこまで」気分で登り始めたら、なかなか自然のままの道です。



ところどころ倒木があり歩きずらい。



もうちょっとで大文字山頂上かな、と思いきや、スマホのYahooニュースで、「京都市中京区集中豪雨警報」が出てきました。ちょうど洛中の景色が見えたのですが、町を覆う土色の不気味な雲。



いやー、山のカミナリはすごいですね。すぐそばでバキバキ!!!と言う音が、四方で轟きました。周りに迫撃砲が炸裂する中を進む兵士の気分。頼むからオレには落ちないでくれー。

バカなことにレインウェアも何もなしの短パンとTシャツで登ったので、完全なぬれねずみです。

自分がぬれるのはいいのですが、カメラだけは保護せねばと必死。

これは、防水のXperiaで撮影。レンズが濡れているのでボケていますが雰囲気がよくでています。スマホは雨に濡れるとタッチスクリーンが使い物になりません。だから位置の確認が非常に難しい。



非常事態の雰囲気がよく出てます。



川やら道やらもうわからなくなったところをズブズブの靴で下山していくと、南禅寺の奥の院にでてきました。屋根もあってようやく一安心。

滝の流れが迫力があったので動画を撮影しました。



なんとか故障せずにすんだカメラでも撮影。



南禅寺では多くの観光客が雨宿りをしていました。山から現れた全身ボトボトと私を奇異な目で見られてしまいました。あ~、山に行くときは必ずレインウェアを持っていこう。


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