今年は去年に増して猛暑日の連続でした。街道歩きも低山登山も暑すぎて無理なので、今回も涼しい高山を登ります。
御嶽山は中山道歩きのなかでも木曽路のシンボル的な霊山であり、街道沿いに遥拝所がありました。
写真は12月に奈良井宿の西の鳥居峠にある御嶽山遥拝所から見た御嶽山ですが、この時(2023年)にはこの山に登れるとは考えてもいませんでした。
あらためて御嶽山の位置を確認してみます。中山道の木曽路から意外に離れていて、北アルプスの乗鞍岳と大体等距離なのがわかります。
中山道の福島宿(JR木曽福島駅)から見ると御嶽山から王滝川を通って木曽川に流れ込んでいるのがわかります。鳥居峠の遥拝所はすこし北東ですが、大体同じ景観です。
アンコールワットを思わせるような大伽藍に似た山容が、この山を特別な霊山としてきたのでしょうね。木曽福島には御嶽教という御嶽信仰の教団が現存していて今でも信者が3万人くらいいるそうです。
今回の登山ルートです。ロープウェイに乗って一気に2120mまで標高をかせいでから山頂(3067m)との往復になります。多分、最も簡単に頂上を踏んで戻ってこられるルートだと思います。
時間にして5時間40分、距離8km、累積標高1040mでした。大変人気のある山だけあって登山道はとてもよく整備されています。ガレ場も多いですがハシゴ、クサリ場もなく、手をつかわないと登れない箇所もありません。
大反省なのですが筆者は御嶽山が約10年前に噴火して58人の方が亡くなった山(加えて行方不明者5人)だと知らずに登りました。ヘルメットを持参すべきでした。(努力義務扱いになっています)。最大速度マッハ1で大きいもので数10cm以上の噴石が飛んできたらしいのでヘルメットをしていても劇的には変わらないとは思いますが、少なくとも無数の小石レベルからは頭を守ってくれそうです。
9月15日の連休明けの平日に自宅から珍しく愛車を5時間ほど飛ばして「木曽三河屋」に前泊しました。温泉付きで手軽な価格で清潔で食事も美味しく大変よかったです。インバウンド客に大人気の木曽路なのでお客の9割は外国人でした。
9月16日朝はロープウェイの営業開始が8時30分なので6時半の朝食をゆっくり採ってからのんびり車を走らせました。県道から御岳ブルーラインを通って約1時間ほどでロープウェイの駐車場に到着です。
繁忙期は7時半から営業をしていて駐車場もいっぱいになるようですが、さすがに連休明けだけあって広々としています。
トイレがびっくりするほどきれいでした。
乗車時間は約15分。標高1570mから一気に2170mまで連れて行ってくれます。
山頂駅に到着。快晴の青空に御嶽山の頂が見えています。
山頂(剣ヶ峰)に向かって右手に継子岳(ままこだけ)が見えています。
登山口から8合目までは木立の中を進みます。よく整備されていて歩きやすい。
1時間ほど歩いて8合目の女人堂に到着。ここで御嶽山山頂の展望が一気に開けるので思わず声が出ます。ここから上は神域なので、履いていたわらじを履き替えて杖を清めてから進んだと書いてあります。名前の通り、ここから先は女人禁制でした。ここまで来て引き返さないといけないとは辛いですね。女人禁制だったのは明治初期までだったようですが。
ここから神域だけあって、多数の神様たちが祀られています。
黒沢口十字路。右奥にあるのが二ノ池で、そっち方向に行くと摩利支天山を経由して継子岳のほうへ進みます。御嶽山には一ノ池から五ノ池までありすべてが火口湖です。
頂上へ向かう立派な石段の手前にあるのがコンクリート製の頑丈そうな避難シェルターです。この避難シェルターのあった場所は、2014年の噴火時点では御嶽山頂山荘になっていて頂上付近にいた多くの人たちが逃げ込みましたが、数10cmの噴石で穴だらけになりました。
頂上はこんな感じ。ロープウェイ山頂駅から約3時間でたどり着きました。累積標高1000mなのでまだ少し余裕がある感じでした。
ちょっとお腹の調子が悪かったのでオールレーズンだけかじって記念写真を撮ってもらいました。3千メートル超の9月半ばなので厚めのジャケットを持ってきましたが、パタゴニアの一番薄いTシャツで十分でした。
頂上から下りる際に王滝口ルート方面を撮った写真の右側にえぐれた地形が写っていますが、これが地獄谷火口です。左の道沿いの建物が王滝口の奥社と避難施設です。
GoogleEarthで調べてみると地獄谷火口がえぐれている様子がよくわかります。上の写真はえぐれた火口の端の部分しか見えませんが全体を見ると地中マグマの深淵につながっている感があります。
広角モードで一ノ池を撮った写真。左のえぐれているところが火口です。
頂上で20分ほど景色を楽しんでから12時過ぎに下山開始して9合目の石室山荘で名物のお汁粉をいただきました。お餅をプックラと焼いてくれていて大変美味しかったです。
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