2017年3月5日日曜日

中山道 大井宿~大湫宿

京街道がまだ完遂していないけれど、これからの本格街道歩きを体験する意味で東西街道の大動脈である中山道にチャレンジ。

時々耳にする恵那峡のある恵那からスタートすることにし、「じゃらん」で素泊まりプランから恵那ラヂウム温泉館を選ぶ。在来線を乗り継いで恵那駅に着き、徒歩で温泉館まで歩く。


素泊まりなので夕食と朝食は京都駅で購入した弁当を持ち込んだ。本当は禁止されているそうですが、周りに食べるところがないから仕方がない。


温泉は夜と朝とで男女が入れ替わるシステム。亀の湯という名前のついた風呂。岩窟の中は大人二人がなんとか入れるサイズで、サウナほどではないが、体全体があったまる。



こちらはメインのお風呂場。露天がないのが少し寂しいが贅沢は言えない。
朝風呂を楽しんだ後は、いよいよ、恵那峡に向けて出発。今回は本格街道歩きということで、バックパックを新調した。


コロンビアの30Lなのですが、背中にしっかりしたプレートが入っていて体にフィットするので疲れない。何より良かったのが内部に大きなポケットがあり、ノートパソコンXPS13がスルっとはいること。軽いし、さすが最新モデルだけあるなと思った。色も種類が豊富で白にしようかなとも思ったが、汚れたらいやだしブルーにしました。


さて、恵那峡ですが、激流の木曽川に建設されたダムに堰き止められた人口の湖でした。

あいにく散策路は工事中で歩けなかった。遊覧船としてジェットボートが3艘、10時のスタートを待っていた。せっかく自然美を味わいにきたのに、窓の内側の冷暖房完備のゴーゴーうるさい閉鎖空間でながめてもちっとも良くないだろうに。発想が貧しすぎる。



湖面にうかぶカモと散策路。人工物が映らないと木曽川の雰囲気がでてくる。
ダム湖にしてはかなり綺麗ではないかと思われる恵那峡を後にして、一時間に一本しかない東鉄バスで恵那駅へ向かう。

さていよいよ目的の中山道歩きのスタート地点である大井宿(おおいじゅく)に到着。



こちらは大名やお公家さんが宿泊したVIPホテルである本陣跡。まわりには45軒以上の旅籠があったというから相当な賑わいであったのだろう。


阿木川の橋。広重の五十三次があしらわれていてかわいい。



中野村庄屋の家の解説をみるとただごとではない事件だ。野井村に住む百姓の新三郎が、この家に滞在していた代官を斬りつけたという。理由は、和宮の通行の際、人足や食事を出すように命令したときに、隣村の中野村が本来負担すべき分も野井村に押し付けたからだそうだ。この代官、中野村の庄屋にいたところから、黒いつながりが想像できる。


高速道路沿いの道で見かけた神明神社。杉の森へ登る直線の階段が美しい。


さていよいよ山間部の道にはいる。ようやく中山道の気分が味わえるとわくわくする一方、「十三峠?」えらい大変そうだ。スマホで調べると大井宿から大湫宿までの14kmは坂の上り下りが特に激しい区間らしく、だから十三峠と言われているという。よりによって中山道でもえらい所を最初に選んでしまったものだ。


しかも石標の脇に手書きの告知板が。御嵩宿というと、今回目標とする大湫宿の先の細久手宿のさらにその先だ。実際大湫宿までの道のりでジュースの自動販売機を一つ見つけただけでそれ以外食料飲料が手に入る場所はなかった。

恵那駅のコンビニではジャガリコを買っただけでお昼の弁当を買ってなかった。今回の旅での一番大きな学びは、食料飲料を計画立てて入手しなければならないことだった。加えて天気が良かったからいいものの、傘もカッパも持っていないところも反省点だ。


左手に広がる景色を見ながら歩いていく。


ところどころこのような茶屋跡の碑がある。茶屋はあくまで食事か飲み物だけで、宿泊は禁止されていたそうな。それでも街道沿いにいろいろお茶屋があると、お団子とか食べながら旅人同士が情報交換をしていた姿を思い浮かべるとたのしい。


ほとんご真っ黒で何かわからないけれど、ここでお伊勢さんにお参りするかわりに、伊勢の方向を見て参拝したという。


杉が間を抜ける道。熊野古道のほうが森につつまれている感があるが、こちらもなかなかのもの。


基本的に人家はすべて農家。何を作っていて、どんな暮らしをしているのかと思うが、ほとんど人の気配はどこにもない。


こんもりと茂った樹々が並ぶまえの赤い屋根の農家がいい感じ。


光で透かされた緑が美しい。


なんと中山道に覆いかぶさるようにゴルフ場が(中仙道ゴルフ倶楽部)。中山道を横断するようにゴルフコースの道が走る。ゴルフなんかするより中山道歩きのほうがよっぽど楽しいと思います。


石仏が並ぶ祠を超えて進むといよいよ大湫宿(おおくてじゅく)に到着。「湫」という字は、水草などが生えている低湿地のことを言うらしい。湿地帯だったようには見えないが、由来はなんだったのだろうか。



大湫宿で一番の見どころは神明神社の大杉だと断言できる。なんと樹齢1300年というからすごい。恵那で立ち寄ったのも神明神社だったけれど、中部は伊勢信仰が特に強いらしく、天照大神を祀る神明神社はいろいろなところにあるようだ。


高札所で目についたのがこれ。「ばてれん」と「いるまん」を見つけて訴えれば御褒美を差し出すと言っているようだ。調べるとイルマンは平の修道士で、バテレンはPadreのことで司祭で、この高札は日本中で掲げられていたようです。

お昼は、じゃがりこしか食べられなかったので最初に見かけた商店でおばあちゃんからオールレーズンを買ってむしゃむしゃ食べる。カロリーが美味しい。

一番近くのJRの駅が釜戸で、そこまで歩いたのだが、約4キロもあり街道を歩き終わった足には少々辛かった。恵那駅と異なり駅員さんは一人おらず、駅の周りも日曜日にもかかわらずお店も空いていない寂しいところ。

次回は大湫宿からスタートしなければならないが、この駅から登りで4キロ歩くのは辛いのでバスかタクシーか調査しなければ、と思った。

ここまでで、約31000歩でした。


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