2019年9月14日土曜日

稲荷山の滝めぐり

観光客で大人気の稲荷山ですが、今回はあまり知られていない、お滝場をめぐるコースを歩きました。これが実際に歩いたコースですが、京阪伏見稲荷駅をスタートして、伏見稲荷大社を過ぎたところで、点線で示した普通の観光ルートを外れて稲荷山のふもとを巻くように歩くと滝を中心とした多くの神社をめぐることができます。

巨大な岩盤を祀った大岩大神に少し寄り道をして稲荷山頂上(223m)に行くとそこから普通の観光ルートに合流します。


これはどなたが作った、お滝場マップ。GoogleMapと連携していて見やすい。実際はこのマップのように、私が撮影した滝以外にも多くの滝が存在します。

さてそれでは実際のコースですが、雰囲気たっぷりの京阪伏見稲荷大社駅からスタートします。


朝の9時前ですので、比較的まだ人は少ない。


伏見稲荷大社。




これが値上がり松と言われる松、というか松の残骸。この根の下をくぐると株価が上がるそうです。株が趣味ですので、一応くぐってみました。


神寶(宝)神社。「かんだから」と読む。十種の宝が奉安されている。


このあたりから南の地域を深草といいますが、平安時代は別荘地として好まれたそうです。


林道のような道をしばらく歩きます。


ここも京都一周トレイルのルート。


分岐点があるので、下に降りる鳥居の道を行きます。



弘法ケ瀧です。水行をされていたので滝のそばでは撮影できませんでしたが、これは上から見た様子です。真ん中ちょっと右の木の左に滝が見えています。


右手に竹林を見ながら歩きます。「竹の下道」と呼ばれる道です。


先週、魚谷山に行った時にも数多く遭遇したジョロウグモ。今日は、オスがそばにいるのを多く見かけます。交尾の80%はメスが最終脱皮をしているスキを狙ってオスがササっと済ませるということです。そうしないとメスに食われてしまうからですが、そこまで危険を冒してでもやりたいというのが本能なのですねぇ。


白菊の滝です。これらの滝の神社は伏見稲荷大社の管轄外だそうです。そのせいか、派手さは一切なく、静かに神仏習合の歴史を歩んできた空気を感じます。






このあたり一帯に数多く咲いていた秋海棠(シュウカイドウ)と言われる花。マレーが原種で江戸時代に日本に持ち込まれたそうです。秋の訪れを告げるとても愛らしい花です。



ここを左にいくと稲荷山の頂上ですが、大岩神社に寄り道します。


ちょっとしんどいですが、つづら折りの階段道を歩きます。


岩龍大神。気になるのが「北新地」と書かれた左右の石碑。私の好きな大阪キタ新地かと思いきや、よく見ると、京都と書いてあります。調べてみると、千本中立売通にある五番町のことを明治時代に「北新地」と呼んでいたそうです。今度訪ねてみよう。


これが磐座(いわくら)と言われる山の神様。


さきほどの分岐点に戻り、稲荷山山頂に向かいますが、このあたりに群生していたのが、ツユクサ。雑草扱いされるほど、そこら辺で咲いている一年草だそうですが、見たのは初めてでした。雑草にするにはもったいない可憐な花です。


観光ルートに合流する手前です。


歩いてきた道は山科に続く「滑石街道」と言われるのですね。滑る石は登山では一番いやなのですが。この街道は忠臣蔵の大石内蔵助が、敵の目を欺くために、山科から祇園の一力茶屋で毎夜芸者遊びをするために通った道だそうですが、昔の人は健脚ですねぇ。


稲荷山頂上にある末廣大神です。



四ツ辻の茶屋でソフトクリームを食べて、白瀧道を進み今熊野方向を歩いて帰ります。


途中でみかけたキノコ。松茸に似ていて美味しそう。調べてみましたがわかりません。


美しい竹林。


鳥羽街道駅の手間で見かけた日本カルタという会社。ウィンドミルトランプが主力ブランドのようですが、経営はどうなのかな、と思ってしまいます。


2019年9月7日土曜日

魚谷山

京都北山は景色もなく沢が多く道が荒れていて、おまけに台風による倒木が酷く、気が進まないのですが、京都在住としては避けては通れない山です。

今回は魚谷山(いおだにやま)(816m)です。

地下鉄北大路駅から、もくもく号というバスにのり約30分で終点の岩屋橋に到着。そこから京都京北線61号の道路沿いに進み、「オ梅谷」から魚谷山に到達します。「オ梅谷」の道もほとんどが林道なので楽勝です。その反面、東側のルートは沢沿いの道で何度も渡渉をしながら貴船神社の奥宮に進みます。

もくもく号の終点の手前に出会い橋があり、集落になっているのですが、ここから魚谷山に登るのが正規の登山ルートのようです。

ちなみに、もくもく号で桟敷ケ岳にいった記事もあります。この時は帰りに61号線を歩きました。



今回は靴を新調しました。モンベルのティトンブーツです。ずっと使っていたスカルパですが、どうも一緒に行動している友達に比べて自分の方が滑りやすいのでは?と思い、日本の山に合わせて滑りにくいように開発されたトレイルグリッパーがウリのモンベルショップへ。

実際に履いてみて効果は歴然でした。ホントに滑りません。ただ靴としての構造的なつくりはスカルパの方が上のような気がします。

あと、先日の鳥海山登山の際に、大量に給水が必要な夏登山は、真水よりもスポーツドリンクが良いことを学び、今回、アクエリアスを携行。これも大成功。

ポカリスエットは私には塩分が強すぎ、アクエリアスもパウダーを半分に薄めたのがちょうど良いです。

さて、ここからは詳細解説。


もくもく号終点岩屋橋にある料理旅館 洛雲荘。川床料理が楽しめるようです。


京北線61号。たまに高級そうな自転車で降りてくるグループを見かけますが、ほとんど車は通りません。


山の斜面を見るとこのような倒木。


61号線から「オ梅谷」の林道に向かう橋。


橋から下を眺める。



ノボロギクでしょうか。綿毛を付けた草がたくさん生えていました。花は筒状のまま開くことはないようです。


山深くなってきますが、林道が続いているのでとってもイージー。


沢から漏れた水にぬれた林道。



魚谷峠に近い場所の最初のうねり道。




ここでN氏が大きな声をあげました。振り返るとヘビが!N氏はマムシではと言っていましたが、調べてみるとヤマカガシのようです。


本州に生息するヘビは8種ですが、ほとんどはこの4種だそうです。水辺を好む昼行性とのことで間違いないでしょう。カエルが大好物。最近はシマヘビとマムシが減って、ヤマカガシが増えてきたそうです。一度噛まれただけでは毒を注入されることがないこともあり、1970年代までは無毒と考えられてきたが、実は有毒で、血液の止血作用を無力化させるため皮下、肺から出血して死に至ることがあるそうです。毒の強さでいうとマムシ以上。


一瞬景色が開けます。


西側の景色です。特に目立った山はありません。今回のコースでの唯一の展望でした💦


魚谷峠に到着。魚など一匹もいないのに何故こんな名前が付いたのでしょうかね。



N氏撮影。この峠は林道の三叉路になっていますが、この標識の後ろに登山道があります。



長い林道の後でようやく登山道を歩けると、嬉しがってスピードアップするN氏。


難なくすぐに魚谷山の頂上に到着。816m。


ここの頂上が、風が吹いてとても気持ちよかった。まっ平なので、テント場にも使えそうです。


頂上にある柳谷峠への案内板。


途中で見かけたキノコ。かなりの肉厚です。傘がひっくり返っていますが、どうやらアカヤマドリという種です。食用だそうです。


続いて、タマゴダケ。皇帝キノコといわれる食用キノコ。先月鳥海山のふもとで出会いました。こういう落ち葉の多い平らで開けた場所がキノコの生育に適しているのでしょう。


タマゴダケが美味しいと知っていたので採集しようかなと思ったのですが、「タマゴダケと間違えて食中毒死🙏」なんて死に方はしたくないと思い、やめました。

ちなみに後で調べてみると、ありました!その名も「タマゴダケモドキ」。

タマゴの殻状の根から生えるが、傘の色が違うのと、傘に放射線状の線がないのが見分け方だそうです。これなら分かる!食べても嘔吐や下痢で入院するくらいで死ぬことはなさそう。


どこかで柳谷峠を通り過ぎたようですが、沢道に入ります。このあたりから、今回のコースの気合の入れどころが始まります。


ピンぼけですが、このような女郎蜘蛛が樹々の間に巣を張り、行く手を阻みます。女郎蜘蛛さんには申し訳ないのですが、ストックで除けさせてもらいます。それでも時々気がつかず、蜘蛛の巣を顔面に受け止めてしまいます。


このあたりの道ですが、全くテープが無い!このような登山道は初めてです。多分テープをしても木が腐ったり倒れたりして消えてしまうからではと思うのですが、草で覆い隠されているので踏み跡を見つけるのが大変。

今西錦司が建てた北山荘の屋根が見え、訪ねてみたかったのですが、道がみつからず、藪漕ぎが大変なので断念しました。小屋の中には囲炉裏があり、雪山賛歌が額に飾られているそうです。雪山賛歌は京大出身の南極越冬隊員の西堀栄三郎が、アメリカ民謡の「いとしのクレメンタイン」に合わせて詩を作ったものです。

雪よ岩よ われ等が宿り 俺たちゃ 街には 住めないからに


何度も渡渉を繰り返しながら、沢沿いに歩きます。


沢道に悪戦苦闘していたときに、N氏が見つけてくれた今西錦司(いまにしきんじ)のレリーフ。危うく見落とすところでした。

今西錦司は、京都大学名誉教授で、登山家であり生態学者。ダーウィンの生存競争に勝ち残った種が進化という過程を進むという理論に対して、種と種がお互い協調しながら生態系を作っていくという「すみわけ理論」で知られている。


 絶えずN氏と「こっちに道がある」「いやあっちの道のほうがいい」という激論を繰り広げながら沢の脇を進みます。このルートは、水量の多い日は絶対に無理ですね。雨でも降りだしたら大変です。


北山荘の看板です。実際の北山荘はもっと北にありますが。


斜面沿いにうっすらとついた踏み跡。


倒木もいっぱいありましたが、通行不能のようなものはありません。


砂防ダムの上でランチにしました。時々直射日光が差し込み暑い。


丸太橋。真ん中と右がヨレヨレになっている。


柳谷峠を示す看板。こっち方向から向かうのには相当モチベーションが下がるだろう。


去年の台風の被害の跡、手当不能な状態。


滝谷峠に向けての道。ひたすら倒木。


滝谷峠に到着。ここから二ノ瀬にも向かうことができますが、今回は貴船に行きます。


同じような倒木の道。


右手の沢にはかなりの断崖になっている。


振り返っての写真です。ときどきロープ場がありますが、モンベルのトレイルグリッパーが活躍してくれており、滑りません。


貴船口駅への案内板まで降りてきました。


渡渉。


滝の写真。シャッタースピードを変えるだけで随分感じが変わります。


少しシャッタースピードを遅くすると、やわらかい水の風合い。


ようやく登山道が終わりました。


ここから舗装された道です。


貴船神社奥宮。


奥宮への参道にある見事な杉の木。


本当は鮎の塩焼きに生ビールでも、と思って貴船を歩きながらお店を探すも、インバウンド客も入り混じった売り手市場の川床料理屋が並ぶ中、結局、自販機でファンタを飲んで、叡山電車で帰ります。