2024年1月13日土曜日

【大阪】交野山

 令和6年の元旦はいきなりの地震で驚かされましたが、年明け最初の登山は大阪の交野山(こうのさん)(341m)です。

この山は大阪府交野市(かたのし)にある山です。交野市は北の枚方市と南の四条畷市にはさまれたところで、京都府、大阪府、奈良県の三つの県境に位置しています。

交野山は生駒山地が北に延びる場所にあり市民のちょっとしたハイキングコースがいくつかあるようです。

交野市は「かたの」と読み、交野山は「こうの」と読むのはナゼか?と言うのは調べてみましたが肩野物部氏が開拓したからなど諸説あってわかりません。交野市には天野川という川が流れていて「天の川」にかけて「ほしだ園地」「星のブランコ」などがあります。

地名などダジャレと同じで音や意味でどんどん派生していくものですが、筆者の想像は、このあたり用水が不足していたそうなので「カタノ」(堅野)と呼ばれたのが発祥ではないかという気がします。



これが実際に歩いたルートです。JR学研都市線(旧片町線)の津田駅で下車して時計方向に周回します。途中、夫婦岩、国見山(284m)を経由して交野山に登り、そこから沢道を源氏の滝を目指して下山します。

市民のハイキングコースなのでよく整備された道なのでスニーカーでも大丈夫です。交野山の頂上は超特大の花崗岩の巨石は素晴らしい展望と絶好の写真スポットでした。

のんびりおやつを楽しんだりして約5時間、9kmほどの行程です。



津田駅から20分ほど歩くと登山口が出てきます。今日は珍しく7名の大所帯です。



30分ほどの急坂の上にある夫婦岩です。なかなかの花崗岩の巨石です。どうやって登ろうかと思案するS氏。



国見山(284m)からの展望です。曇りががちだったので明石大橋までは見えませんでした。この頂上には室町時代に築かれた津田正信の津田城がありましたが、織田信長に焼き討ちにされたそうです。

その後、津田正信は天王山の戦いでは光秀側について負けて、大坂の陣では豊臣側について負けています。あまり世渡り上手ではなかったようで。



あべのハルカスは見えました。



この防空壕のように見えるトンネルはなんとゴルフ場に下をくぐる通路になっています。



白旗池。このあたりは自然観察ゾーンになっていてバードウォッチングに来ている人もいました。



自然観察のための小路が幾つか設けられています。看板に示しているのがアリジゴクの小路。名前に反して歩きやすい道だそうです。アリジゴクという昆虫は見たことがないのですが、砂の中に生き埋めにされた昆虫の体内に毒液を流し込んで溶けた体をチューチュー吸うという実に恐ろしい生物です。



白旗池を過ぎると交野山の高低差100メートルほどの急坂を登ります。登山道は整備された階段になっていて歩きやすいです。

道の横に緑色の鉄製のパイプが手すりのように上へ延びています。後で調べると消防用のパイプラインだそうです。山すそに住宅が立ち並んでいるので山火事を恐れて交野市が設置したもののようです。



交野山頂上(341m)に到着しました。



「古代岩座(いわくら)址」の石碑。山や巨石は神様として信仰されることが多かったのですが、これだけの超ド級の巨石ですから信仰されて当然でしょう。



薄曇りの雲間から大阪キタのビル群を照らす光芒が美しい。



こわごわ岩の先端まで行ってみる。落ちたら骨折だけでは済まないだろうなぁ。



横から見ると巨大な船の舳先のよう。



N氏に頼んで撮ってもらいました。



さんざん写真撮影会で盛り上がったあとは下山ですが、下山ルートは沢沿いの道で源氏の滝を目指して下りていきます。

沢沿いなので比較的整備されているとは言え、若干歩きにくいところもあります。



ここは平成の始めまで宣春院というお寺があったようです。石仏の数を見ると三十三体あり、やはり西国三十三箇所をお参りできるようになっているようです。



これが源氏の滝。もともと交野山にあった岩倉開元寺の滝、つまり「元寺の滝」が「源氏の滝」に変わったそうです。ここにもダジャレが。ちなみに開元寺も織田信長に焼き討ちにされてしまったとのこと。



この滝、よく見ると水流で自然に風化したというよりは、岩が掘削されているように見えます。

こんな岩石は見たことがないなと思い調べてみると、落石防止のために約10年前に建設会社が補強工事をしたことがわかりました。

DKボンド法というやりかたで特殊なモルタルの接着剤で岩石が崩落しないようにする工事のようですが、自然の景観に見えるようになかなか上手くやったなと思います。

以前は崩落事故防止のためにフェンスで囲われて滝に近づけなかったのが、こうしてすぐそばで見られるようになったわけで、この滝が交野市の人たちからいかに好かれているかを物語っています。


帰りは津田駅から一つ奈良よりの河内磐船駅から、直Qバスという高速バスで京都まで直通で帰りました。なかなか新しくて快適なバスなので行きもこれに乗ればよかったなと思いました。

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