伊吹山登山記事の前に最新型iPhone の話を。
iPhone Xも4年以上になるので今回 iPhone 14 Proに買い替えました。目的はやはりカメラです。登山にはSONYのRX1Rを8年以上愛用していますが、iPhoneもかなり一眼に近づいてきているということで、新鋭アート作家が集まる、びわ湖ビエンナーレでその実力を試してました。
まずは近江八幡の八幡堀で最初の一枚を撮りましたが、iPhone X の画質とは別次元です。鮮やかさと色味が素晴らしい。やはり世界一の金持ち会社であるAppleが世界最高の人材を集めて総力を挙げて作りこんできたカメラだけのことはある。ちなみにAppleの時価総額(350兆円)って東証一部の全会社の時価総額の半分以上です。
暗い部屋の中のネオンの光が自然です。超広角は iPhone X にもRX1R にもなかったので自分の眼の視界がほぼ捉えられて予想以上の面白さ。
染織りブランドのアトリエシムラの作品。糸巻から伸ばされた染め糸が逆放射状に並んでいます。これは iPhone 14 Pro の目玉機能の4800万画素(ProRaw)で撮影したもの。画像サイズが100MB近くあるので滅多に撮れないのですが、うちの55型の4Kテレビも830万画素しかないので拡大するか特大印刷しない限り必要ないでしょう。
4800万画素(上)と通常の1200万画素(下)の比較。4800万画素は一本一本の糸の色と形がはっきりしています。暗い部屋でこの解像度は驚異的です。
saiho + 林イグネル小百合の作品。華道の人で花や自然がテーマだそうです。ここも非常に暗いなかで目で見るより明るく撮れています。
チームラボが国際的な人気を博したせいか全体的に暗い空間と光を使ったアートが多かったなか、この江頭誠のアートは陽気かつアンチ形而上学を感じさせる空間でした。
部屋全体を写し込める超広角はオモシロイ。
iPhone 14 Proの試写会はここまでで、ここからは本題の伊吹山です。2018年の11月に登って以来約4年ぶりですが、1377mの近畿を代表する山の一つです。もちろん百名山に名を連ねています。
伊吹山地と鈴鹿山地に挟まれた関ケ原は自然の要衝で、関ケ原の戦いや壬申の乱で西国と東国の戦いの舞台となってきました。
登山コースですが神社そばの民間駐車場に車を停めて出発します。登山口の標高は約200メートルなので標高差は約1150メートルあります。3合目にはスキー場だったころのゴンドラ駅とホテルがそのまま残っていて、お花畑地帯があります。
5合目から勾配を増してザレ場が多くなり足場に注意しながら頂上に到達すると、ここにも広大なお花畑地帯があります。頂上は尾根線のウラにあるので、9合目くらいまで登らないと見えません。
伊吹山の西側は自然崩落に加えて大規模な石灰の採掘場になっていて大きく陥没しています。びわ湖方面から遠景でみると白くなっていてよくわかるのですが、登山中はまったく見えません。これは尾根線が大陥没地帯をついたてのように遮っているからで、偶然なのか計画的なのか無残な姿を見ないで登山が楽しめます。ただ、時折ボーン!という低音が山じゅう響き渡りますが、おそらく採掘のための発破の音ではないかと思われます。
百名山の一つだけあって非常によく整備された山です。人気の山なのでとても人が多く、ザレ場の落石には注意が必要です。
今回はお花畑の見学なしで、普通に登って頂上でランチをして下山でした。
合計距離約11km、累積標高1170m、休憩入れて7時間30分の山行でした。
2合目を過ぎたあたりから眼下に景色が広がります。伊吹山登山の楽しいところは抜群の景色を楽しみながら登れるところではないでしょうか?
七合目あたり。登山中、石灰岩の採掘の発破音とともに「キュ~ン」という鹿の鳴き声が頻繁に聞こえました。時折、鹿の姿も見えます。3合目のお花畑地帯はネットで囲われていますが、鹿の食害はかなり深刻なようです。ネットの外はシカが食べない馬酔木の木が目立ちました。
8合目あたりになるとザレ場になってきます。
石灰岩で浸食に弱いため尖った岩や崩れかけの岩が多く、歩きにくい。特に今日のようにとても登山客が多い日は落石に細心の注意が必要でした。
この縦筋の入った岩は手掛け岩と言い、その昔、女人禁制だったころ禁を犯して登ってきた女人を山の神が怒って吹き飛ばしたときに抵抗して女人が掴んだ指のあとと言われています。
ちなみに、これは4年前に iPhone X で撮った手掛け岩の写真。解像度や色の再現性が全然違います。
この左上が頂上だと思っていましたが、裏側にある9合目の駐車場に続く西回りの道です。この時が一番晴れ渡っていました。左上はびわ湖展望台があるようで、この時点であそこに立っている人はラッキーでした。
中央上が上の写真でみたびわ湖展望台。頂上は背中側の方向に進みます。超広角レンズは山の写真に向いていますね。今回 iPhone 14 Proを買って一番よかったことかも。
登山口を出発したのが9時過ぎで、頂上に到着したのが12時半。ずっとTシャツで登ってきましたが、ランチを食べておしゃべりをしていると流石に寒くなってきました。
山頂の日本武尊(ヤマトタケル)像。伊吹山に棲むといわれる白猪の怪物と戦い大怪我をしていまいます。半分神話の時代ですが、卑弥呼と大体同時代か、100年ほど前かの話。
ちなみ日本武尊と書くように古代は「日本」と書いて「ヤマト」と呼んでいました。邪馬台国の「邪馬台」も「ヤマト」と呼んでいたので、日本ってずっと「ヤマト」だったのですね。
5合目まで下山してきたのが3時半。振り返ると、頂上までの道が西日に照らされて非常に明瞭に見えます。4800万画素(ProRaw)で撮ってみました。
4800万画素だと、上の写真は32%の縮小で、これが等倍です。iPhone 14 Proでは2倍望遠で撮るとこの画角で撮影されます。
iPhone 14 Proの3つ目のレンズが3倍望遠。白い避難小屋がさらに拡大されて見える。超広角から3倍ズームまで撮れるのは素晴らしい。RX1Rは35mm一本だけ、iPhone X は2倍ズームだけでした。
1合目手前に来たときはすでに4時。夕暮れの空になってきました。夕焼けの空の写真は真っ黒になって露出補正が必要なのですが、ただシャッターを押すだけでこの写真が撮れるのはすごい。iPhone が「これは夕焼け空だ」と認識している可能性は高いと思います。
登山口に戻ったのが4時半。7時間半の山行だったのでさすがに足が少しだるくなりました。
今回は初めて iPhone 14 Proで山の写真を撮りましたが、結論的には「コレで十分イケる」。なにせ高額のスマホなのでこれから精一杯活躍してもらおうと思います。
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