2024年7月29日月曜日

(猛暑なのに涼しい)【越前】ホノケ山

 (頂上近くのブナの柱廊)


梅雨が明けて7月29日の京都は39度になりましたが、福井県南越前にあるホノケ山(737m)では27度の涼しさでした

ホノケ山は福井県の北部にある山で、その語源は「火の気」だと言われています。

越前は昔から中国など大陸からの船と京都を結ぶ最短距離であったので、交易に大変便利であった反面、上陸した軍隊が京都に攻め入られるのを非常に恐れていました。

なので、何か緊急事態が発生したときに素早く京都に知らせる狼煙(のろし)の役割を担っていたのではないかと思います。



登山ルートです。国道305号線のホノケ山トンネル手前の細い道を入ったところの第2登山口から山頂までの往復です。途中に足谷(あしたに)山というピークがあるので帰りに立ち寄りましたが、景色もなく特に寄らなくてもよかったです。

景色については白山が見える以外はあまり良くありませんが、ブナ林の道を登るのが気持ちよいです。そして何よりも灼熱地獄の下界と比較して気温が低く、時折吹いてくる涼しい海風が最高でした。

距離7km、累積標高650m、行動時間3時間半の山行でした。



起点となる奥野々第2登山口に車5台程度の駐車場があります。国道305号線のホノケ山トンネル手前の細い道を5分程度進んだところにあります。

この細い道は舗装されてはいますが、大きな石が散らばっておりタイヤがパンクしないか心配なのと、離合ポイントがなく、対向車が来たらどうしようかとヒヤヒヤしながら進みました。

ちなみにホノケ山トンネルは2013年開通で、それまでは日本海からはいったん越前市まで行ってから国道365号線を進むしかなかったそうです。

登山開始が9時30分です。



登山口の看板には登山ルートを「まぼろしの北陸道」と書いてあります。



調べてみると「まぼろしの北陸道」とは越前市の武生駅あたりから南西に進み、今回のルートを通過してそのまままっすぐ日本海の杉津(すいず)まで続いていた道のようです(全長約25km)。

日本書紀にも出てくるというたいそう古い道で、角鹿(つのが)と言われた敦賀の塩を府中(越前武生)まで運ぶのに使われたそうです。

今庄、木の芽峠を通る北国街道が出来る以前の道なので、確かに「まぼろし」と言われるくらい古い道です。



一般的な尾根ルート同様、登山口から尾根に取り付くまでは、それなりの急坂ですが、気温が大きく30度を下回っているので大バテせずに登って行くことができました。

登山道は一列縦隊なら十分な幅があり、樹木名の札がかけられているのを見ると、地域住民の愛情が感じられます。地域の人に愛されている山は登りやすいし登っていて気持ちの良いものです。



円周状の尾根道なので登り始めてすぐにホノケ山の山頂が確認できました。



今日のキノコ第1号は、多分キヌオオフクロダケ。食べられます。



登り始めて30分弱で尾根道に来ました。ここは北西方向へ続く瓜生野の登山口からのルートの分岐になっています。「まぼろしの北陸道」は、この北西方向の尾根をひたすら越前武生まで続くことになります。



きのこ第2号は、きのこ図鑑を見てもわかりません。傘の表面はヘビキノコモドキに似ているけれど柄が灰色でなく白色です。傘の形は多分変形したのでしょう。元の形がわかれば同定できたかも。



続いて第3号。これはテングダケっぽいけど、テングダケだと鍔があるんですよねぇ。ホント、きのこは難しいわ。



ホノケ山トンネルの上を越えたあたりから切り通しの道が続きます。案内版には数百年の人馬の通行で削り取られていったように説明されています。切り通しのおかげでアップダウンの少ない歩きやすい道になっているわけで、歴史の重みを感じます。



切り通しの道が終わるあたりからブナの原生林になってきます。




菅谷峠。「すげんたん」と読むようです。車道が接続されていて東屋もあります。ここに駐車して登るのがホノケ山への最短コースです。でも、この車道は地図でみると、国道からかなり長いウネウネ道なのでちょっと運転したくありません。



メスのクワガタが地面を歩いていました。



頂上近くなると勾配がきつくなってきますが、尾根道に密生するブナの木々はまるで柱廊です。



登り始めて1時間40分ほどで頂上に到着。割と広めでベンチが設置されています。



広めの頂上なのですが、景色はこのフレームだけです。西北西の方向ですが、どこからが若狭湾なのかガスっていてわかりません。ちょっと景色は残念でした。



頂上にある地図盤。ホノケ山トンネルが描いていないので2013年以前のものです。誰かが「ホノケトンネル」と彫っています。



白山方向は樹々に邪魔されてほぼ何も見えません。



頂上の気温は多分25度くらいでしょうか。まるで避暑地でくつろぐような気分で、カップヌードルの新作をいただきました。日清はカップヌードル以外のカップ麺を開発するよりも、カップヌードルのサブブランドを開発する方向に行ってますね。

でもカップヌードルのサブブランドはどれも美味しい。これも本物のブイヤベースの味がします



頂上にいたオニヤンマ(T氏撮影)。



頂上から5分ほど下ったところの方が景色は良いです。これは北北東の方角で、南越前市の町並みを望みます。



さらに北東の方角には白山も確認できました。



これがクローズアップ。真ん中すこし左が白山です。



下山途中に分岐して足谷(あしたに)山に寄ります。



分岐点から10分くらいで足谷山に到着しました。反射板が立っています。



足谷山からの景色はホノケ山からの景色よりは良い(マシ?)でした。ここからも白山が見えます。ですが途中、反射板へのアクセス用に作られた道路に降りる箇所があり、ジャリでとても滑りやすく危なっかしいので、わざわざ足谷山に立ち寄る必要はなかったです。



クローズアップ。真ん中が白山。



1時すぎに下山した後、敦賀港のどんと屋さんに行きました。ここは10日前の深坂古道探訪のときに奥さんと行ってとても美味しかったので今回はT氏を連れて行きました。まったく同じもの(どんと丼+いくらトッピング)でしたが、期待を裏切らない味でした。





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