2022年9月24日土曜日

【比良山地】青ガレ、前山

暑さに弱く30度を超えると山登りはしないことにしていた1カ月半ぶりの登山となってしまいました。

台風14、15号と立て続けに到来してようやく涼しい風が吹いてきたので、以前から行きたかった青ガレに行きます。

4年前に武奈ヶ岳に登った時は西の朽木側の坊村から山頂を踏んで金糞峠から八雲ケ原でテン泊をしてから釈迦ヶ岳経由でJR北小松駅まで歩いたのですが、今回はJR比良駅からの往復です。



ルートですがJR比良駅からバスでイン谷口で下車、そこから大山口に行って青ガレルートで金糞峠に行き、前山から帰りはダケ道で大山口に戻ります。

久しぶりの登山なので短めのコースにしましたが、相当体がナマっていて疲れてしまいました。累積標高800m、合計距離9km弱、行動時間4時間半でした。


ちなみに「イン谷口」って変な名前だな~と思っていました。「Inn谷口」という名前の谷口さん経営のモーテルみたいだし。でも調べてみると、「イン谷」の入り口という意味でした。下の地図にもイン谷口から北に向かう「イン谷」が表記されています。イン谷の北西には神璽(シンジ)谷という何やら大仰な名前が付いていますが、昔の人は、「シン谷」あるいは「イン谷」と呼んでいたのでしょう。どういう意味なのか悩ましいです。
 



ヤマレコの3D図で見ると青ガレルートは一直線の沢登りで沢をツメるところが金糞峠なのに対して、帰りのダケ道は尾根ルートなのがわかります。「ダケ道」のダケは「岳」でしょう。尾根道のこと。

ついでに言うと、「金糞峠」という名前も気になりますが、「金糞」とは鉄鉱石や砂鉄から鉄を抽出した後の残滓のことだそうです。比良駅のあたりに中世の溶鉱炉跡があるそうですが、その残滓をわざわざここまで捨てに来るはずはないので、おそらく原料の鉄鉱石を金糞と呼んだのではないかと想像します



こういった山に関する名前の語源はこの本を読んで仕入れました。



JR比良駅から9時半の江若バスに乗ってイン谷口までいきます。



イン谷口は谷口さん経営のモーテルどころか何もありません。ここから金糞峠方面へ進みます。ちなみに今日はRX1Rを忘れたのでiPhone Xで撮影です。現在iPhone 14を買おうか迷い中。


レスキュー比良管理事務所。大きな看板に青ガレルートは避けてダケ道を通ってくださいと書いてあります。不安になるのと罪の意識がわきますが、今日は青ガレが主目的なので行くしかありません。今回だけですので許して。

また、小屋の壁には「遭難の第一原因は道迷い」と書いてあります。



イン谷口にも駐車場がありましたが、大山口手前にも30台くらいは停められそうな駐車スペースがありました。これなら車で来ればよかった。



ここが大山口で、左が青ガレルートで右がダケ道ルートです。



このルートはところどころに湧き水があります。冷たくておいしい。



青ガレルートの谷は「正面谷」という名前がついていますが、数カ所に砂防ダムが設置されています。



青ガレ手前の砂防ダムは土砂で満タン状態。よくこれで持ちこたえているなぁ



今日のルートの最高峰の前山(999m)が見えます。



このダムの右からいよいよ沢をツメる青ガレルートが始まります。金糞峠まで約40分の距離です。



青ガレ。ガレてる~。この道を200mも登るのかと思うと心が折れそうになりましたが、行ってみるとこの強烈なガレ場はここだけで、その先はガレ場というよりザレ場でした。滑り落ちて怪我をする危険性よりも落石で後ろの人が怪我をする危険性の方が大きいと思います。なので大勢で行くのはやめた方がいいでしょう。



岩石をよく見ると鉄を含んでいるように見えます。やはり金糞峠の金糞は鉄鉱石なのではないかと思います。青ガレの青色も金属鉱石の色なのでしょうか。


案内マークに沿って行けば決してコワい所はありません。



最後の急登の沢のツメ。


金糞峠に到着。これで今回の目的の青ガレ制覇は完了。ひと仕事終えた気分。


後ろを振り返ると琵琶湖の景色が見えます。



金糞峠から北東へ進み前山の頂上へ向かいます。右手は正面谷の崖の縁なので少々注意が必要ですが歩きやすい道です。



大きなキノコを見つけました。傘は黄色でツルっとしています。



帰宅してキノコ図鑑で調べてみるとどうやらヤマドリダケのようです。食用でイタリアではポルチーニと呼ばれ、クリームパスタなんかに使われる食材です。

でも、キノコ図鑑によると柄の上部に網目のないのはドクヤマドリといって毒キノコ。本当にキノコの同定は難しくちょっと間違えると毒キノコなので絶対食べない方がいいです。



金糞峠から前山への道は自然林が残されているので歩いていてとても楽しいです。普段の植林のスギ林では考えられないグネグネのスギ。


途中で開けた琵琶湖の景色。近江舞子あたりです。



前山の頂上(999m)に到着。頂上は広くマツの植林がされていました。京都でもそうですが日本人はやたらとマツを好みます。



北西方面を見ると武奈ヶ岳(1214m)が見えます。やっぱりここからでも遠いなぁ。



お昼は、ファミマで買った新発売の高級おにぎり。薄味でなかなか美味でした。


前山から下山していきますが、ここはウエ谷の斜面。滑るとヤバそうです。



案内板は錆びていて判読不能ですが右の看板にかろうじて「イン谷口」が認識できます。左は神璽(シンジ)の滝へのルートで地図上は難路になっています。



下山のイン谷口への道は「ダケ道」ルートで行きの「青ガレ」に比べて断然歩きやすいです。自然林の道で楽しいし比良山地の尾根に取り付くには大変良いルートかと思います。


途中、一休みできるカモシカ台。


最後に正面谷の沢を渡れば大山口です。


最初に通った大山口に戻ってきました。



イン谷口に到着したのが13時40分で、バスがくるまで1時間半もあったので比良駅まで歩いて帰りました。およそ30分の距離です。

途中の田んぼではまだ刈り入れていない稲穂が黄金色に輝いていて美しい。最近のお米は早生(わせ)が多いそうですが、これは奥手の品種でしょうか。

その横にところどころ咲いているのが彼岸花。お彼岸の時期を正確に察知して咲くのが不思議です。



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