2021年5月29日土曜日

釈迦ヶ岳(シロヤシオの花)

 今年は観測史上で最も早い5月16日に梅雨入りしました。

私の菜園でも雨が多いと作物にダメージなので心配していましたが、特に問題なくタマネギを50個ほど無事収穫できました。


さて、梅雨の天気を気にしていましたが、幸い天気に恵まれた5月29日に、奈良の釈迦ヶ岳でシロヤシオの花を見に行きました。

ルートですが、太尾(ふとお)登山口から尾根沿いの道を登り、釈迦ヶ岳山頂を踏んでから、しばらく下ったところにある深仙の宿(じんせんのしゅく)までの道に群生しているシロヤシオを鑑賞し、元の尾根道に戻ります。

ちなみに釈迦ヶ岳山頂から深仙の宿までの道は、大峰奥駆道のルートです。大峰奥駆道は、吉野~八経ヶ岳までは踏破しているのですが、そこから先は次回以降のチャレンジリストに入っております。

今回のルートに関しては、登山口の標高が1300mですでに尾根道になっているので、とても歩きやすく、釈迦ヶ岳山頂付近も厳しい岩場などもありません。ちょっと距離が長いですが、初心者でも十分楽しめるコースかなと思います。

標高が高いので樹木も少ないため景色が広がり、大変歩いていて気持ちがよいです。

ルートの総距離が約10Km、累積標高720mで、行動時間は7時間弱でした。


こちらが3D図です。頂上から左下に降りていくあたりにシロヤシオの群生があります。


今回は3人のパーティーです。京都を朝5時に出発し、約3時間で太尾登山口に到着20Km以上のクネクネ道が結構大変でした(S氏の運転に感謝!)が、到着すると駐車場には20台ほどの車がすでに駐車してあります。駐車スペースは結構あるので、まだいくらか余裕はありそうです。

駐車場わきのトイレで用を足すといよいよ登山開始です。



馬酔木の花。


シロヤシオの花が一面に散っています。


頂上まで行かないと見れないと思っていましたが、この一帯に見ることができます。


登山口がすでに1300mの標高なので、取りつきの険しさもなく最初から気持ちの良い尾根ルートです。


不動小屋谷につながる分岐路。こちらのルートは標高差が大きい。


古田の森への気持ちの良い登り。


ここですでに1600メートルを超えています。後ろの烏帽子のような形をした山が釈迦ヶ岳です。


遮るものがないのでゴールまでのルートが視認できます。ゴール地点が見えると不思議と疲れません。


シロヤシオはあまり大きな木ではなく、花の付き方や枝ぶりがソメイヨシノに似ています。


古田の森から50mほど下ったところに小沼があり、そこからは頂上へ向けて真っ直ぐな登りです。


かくし水。確かに登山ルートから少し隠れたところにあります。

この水は絶えず湧き出しているようです。


かくし水のそばにテント場があります。黄色いテントが写っていますが、水場が近くにあるのはいいですね。


テント場から南に下ると深仙の宿ですが、まず釈迦ヶ岳の頂上に向かうことにします。


頂上にたどり着きました。


車道のない場所で、これだけ立派な仏像が設置されている山の頂上は見たことがありません。

この釈迦如来像は、大正時代の強力、岡田雅行氏、通称「鬼マサ」がたった一人で運びあげたそうです。

当然パーツに分解して運んだのですが、台座だけで135Kgもあり、しかも大峰奥駆道の前鬼口から8Kmの道のりを何度も往復したというから驚きです。


頂上からは八経ヶ岳(1915m)までの大峰奥駆道が見渡せます。弥山(1895m)は、八経ヶ岳の後ろに隠れているはずです。


南方向の大峰奥駆道は見下ろすように見えます。山の位置は間違ってるかもしれません。悪しからず。


良く見ると胴体部分は三つに分かれています。それでも一つのパーツで50Kgほどはあったのではないでしょうか。


頂上から弥山への大峰奥駆道のルート入り口です。
今までの尾根道とは全然違う厳しい道のようです。来年はチャレンジしたい。


頂上を後にして、深仙の宿(じんせんのしゅく)への下り道です。ここも険しい道ではないのですが、先ほどの尾根道と比べると歩きづらい。


いよいよシロヤシオ地帯に入ってきました。だがしかし、このあたりは高度が高いせいか、咲き始めの状態が多い。


後ろを振り返ると先ほどまでいた釈迦ヶ岳頂上が見えます。


満開のシロヤシオもいます。




こちらはミツバツツジ。ピンクの花が鮮やかです。


大峰奥駆道ルートの名所、「大峰山七十五靡」の一つで岩盤に穴が開いている珍しいもの。
ちなみに、この「靡」という漢字は、「なびき」と読みます。
美しいことを示す漢字で「一世風靡」にある文字。


拡大写真です。穴の開いたところから向こう側が見えます。


下の方に青い小屋のある深仙の宿が見えてきました。


大日岳(1568m)が見えます。大峰奥駆道はこの山の頂上は通りません。


深仙の宿は広い平地で大変見晴らしがよく、テント場にも最適です。
ここで、ランチとコーヒータイムにしました。


帰りはかくし水の方へ登って行きます。行のルートの方が多かったようですが、こちらにも満開のシロヤシオをいくつか見ることができました。



午後になって晴れ間が広がり、素晴らしい天気に。


古田の森から西方向を望む。見渡す限り波のように重なる山々です。


紫外線が強く帽子とサングラスを着用。


最後に大きな鹿が登山道を歩いていました。振り返って我々をじ~っと見つめています。





2021年5月14日金曜日

【丹波篠山のクリンソウ】筱見四十八滝~小金ケ嶽

 丹波篠山の畑で去年の秋から育てていたニンニクを収穫しました。葉っぱが枯れて倒れたら収穫のタマネギと違って、収穫タイミングを見極めるのが難しいのですが、いい感じに育ってくれていて良かったです。食べきれない分は醤油漬けにする予定です。


で、こちらが今回見つけたクリンソウです。春の終わりから初夏にかけて咲く花。
放射状に咲いた花が、複数の階層に重なっているのが特徴です。記事の最後に他の写真も掲載します。


さて、今回の登山は、去年からやってきた丹波篠山の多紀連山シリーズの4回目で、今回の山行で連山の尾根を踏破したことになります。いままで一番長距離でした。

ちなみ過去記事のリンクです。



今回のルートですが、筱見(ささみ)四十八滝のキャンプ場に駐車し、いくつかの滝を見ながら尾根に取りつき、小金ヶ嶽をピストンし、帰りは峠山手前の元林道を下って集落を通って車に戻ります。

小金ヶ嶽とのピストンはアップダウンが多く、特に林道近くに長いアップダウンがあります。標高差は400mなのですが、累積標高は840mです。今日は紫外線が強い30度近い夏日だったせいもあり、頻繁に息切れして割とキツかったです。行動時間は6時間強でした。

朝に雨が降って、クモの巣が多く顔にへばりちき、トカゲが多いのはいいのですが、足元にヘビが2度出てきた時は、恥ずかしながら悲鳴をあげてしまいました。



こちらが、筱見四十八滝キャンプ場です。前回3月に来た時と比べて新緑が美しい。
四十八滝は、滝が48あるのではなく、8つの滝が「しじゅう」流れているからということです。

キャンプ場で会った人が、「キャンプ場近くのクリンソウを見にきた」と言っていたので、登山中注意して見ていましたが、山行の最後にようやく見つけることができました。


アカガエル。田植えの季節で、丹波篠山では毎晩カエルの大合唱が毎晩開催されています。


シャレ滝。名前が面白いのでこの滝の名前だけ覚えていました。「しゃれ」という言葉は、さらされて余分なものが無くなったというのが語源だそうです。ワビサビの、ワビに通じるものがあります。


こちらが大滝。


大滝から先は登山道で、いきなりクサリ場です。


前回は見つけそこなった一の滝と二の滝を今回は発見してました。


筱見四十八滝を登り切ったところから、東に行くと前回の八尾ヶ山(678m)ですが、今回は、小金ヶ嶽のある西方向へ進みます。八尾ヶ山方面の道は未整備ですが、こちらは整備された登山道です。

ようやく景色が広がりました。


峠山までは比較的歩きやすい。


630mと書いてあるので、ここが多分、峠山(631m)頂上かと思われます。
村雲(むらくも)はこのあたりの地名のようです。


帰りに通る林道を越えます。ここからがアップダウンの連続のはじまり。


5月が見ごろのフジが青空に映えて美しい。


整備された階段道ですが、40メートルほど下ってまた登る。これが帰りの足にはちょっと辛かった。ところどころ、ちゃんとしたベンチが設置されているのがいいです。


小金ヶ嶽方向に進みます。この「たわ」という字は、Windowsの漢字では出てこないようです。


南の方角に見えるのが、鍔市(つばいち)ダムの湖。そこから登ってきたという人とすれ違いました。


岩場が出てきます。注意して登れば特に危険はありません。


小金ヶ嶽の山頂が見えたと思いましたが、これはまだアップダウンの一部。


岩が突き出しているところから北の景色が広がります。本郷の集落。


顔に張り付くクモの巣を取りながらアップダウンに時折息を整えながらようやく小金ヶ嶽(725m)頂上に到着。

おにぎり2個と豚汁をいただきます。5月ですが、30度近い暑さで紫外線がとても強いので、1.5リットル以上の水を持参して正解でした。


遠くにポチっと突き出た三角形が大江山なのですが、どの三角形なのかがイマイチ自信が持てません。百人一首の大江山は、京都の大枝山(おおえやま)のことだろうという仮説は前回、大枝山登山の記事に書きました


小金ヶ嶽頂上を後にして、再びアップダウンを進み、ようやく八尾ヶ山が見えるところまできました。


行きに渡った”元”林道を上筱見集落方向に進みます。


以前は車が通ったであろう道ですが、今は荒れています。でも、ジムニーとかならなんとか行けるかな。


”元”林道の出口です。今は名前が変わっているようですが、「兵庫県森と緑の公社」というのは、県主体でスギやヒノキの植林を大々的に行っていたようです。多分この道は当時植林活動用に切り開いた林道だったのでしょう。


京都北山にもありますが、盗人谷というのはあまりおだやかでない名前です。おそらく当時、山窩(さんか)と呼ばれる採集生活をしていた人たちが暮らしていた場所なのかもしれません。以前登った丹波篠山の弥十郎ヶ嶽の名前は、山窩(さんか)の人の名前から付けられたそうです。


すこし穏やかでない気分であるいていると、左手の平地に、無造作に捨てられた一升瓶と、動物の頭蓋骨が。。。


頭蓋骨の上部のようで、最初はイノシシか鹿かと思いましたが違うようです。
熊かも知れません。犬のようでもありますが。

猟銃で撃った熊を解体して、一升瓶の酒で焼肉にして食ったとするならば、かなり一線を超えたワイルドな人たちだと思われます。


ガクアジサイに似ていますが、ノリウツギという低木です。


沢沿いに鮮やかな花を咲かせた群生を発見。クリンソウです!


リングの周辺を複数の花が外側に向かって咲いているのが特徴です。

4月から6月にかけて、下から上へリングの階層が上がっていくように花が咲くという面白い性質を持っています。


「クリン」は、仏塔の「九輪」と呼ばれるこの部分に似ていることからその名が付いたそうです。一本の棒に等間隔にリングが重なっているような形。


特に誰かが植えたわけではないと思いますが、こんな鮮やかな花が群れを成して咲くのは、本当に日本の四季はすばらしい。


山道が終わり、獣害柵のゲートを出ますが、このゲートの鉄のかんぬきが重かった。女性だったらかなり苦労するのでは?


上笹見の集落を抜けて、元の四十八滝キャンプ場に停めた車に戻ります。
5月なので紫外線と水分補給を甘くみていたのが少し後悔です。日焼け止めとスポーツドリンクを忘れないようにしよう。