2019年9月7日土曜日

魚谷山

京都北山は景色もなく沢が多く道が荒れていて、おまけに台風による倒木が酷く、気が進まないのですが、京都在住としては避けては通れない山です。

今回は魚谷山(いおだにやま)(816m)です。

地下鉄北大路駅から、もくもく号というバスにのり約30分で終点の岩屋橋に到着。そこから京都京北線61号の道路沿いに進み、「オ梅谷」から魚谷山に到達します。「オ梅谷」の道もほとんどが林道なので楽勝です。その反面、東側のルートは沢沿いの道で何度も渡渉をしながら貴船神社の奥宮に進みます。

もくもく号の終点の手前に出会い橋があり、集落になっているのですが、ここから魚谷山に登るのが正規の登山ルートのようです。

ちなみに、もくもく号で桟敷ケ岳にいった記事もあります。この時は帰りに61号線を歩きました。



今回は靴を新調しました。モンベルのティトンブーツです。ずっと使っていたスカルパですが、どうも一緒に行動している友達に比べて自分の方が滑りやすいのでは?と思い、日本の山に合わせて滑りにくいように開発されたトレイルグリッパーがウリのモンベルショップへ。

実際に履いてみて効果は歴然でした。ホントに滑りません。ただ靴としての構造的なつくりはスカルパの方が上のような気がします。

あと、先日の鳥海山登山の際に、大量に給水が必要な夏登山は、真水よりもスポーツドリンクが良いことを学び、今回、アクエリアスを携行。これも大成功。

ポカリスエットは私には塩分が強すぎ、アクエリアスもパウダーを半分に薄めたのがちょうど良いです。

さて、ここからは詳細解説。


もくもく号終点岩屋橋にある料理旅館 洛雲荘。川床料理が楽しめるようです。


京北線61号。たまに高級そうな自転車で降りてくるグループを見かけますが、ほとんど車は通りません。


山の斜面を見るとこのような倒木。


61号線から「オ梅谷」の林道に向かう橋。


橋から下を眺める。



ノボロギクでしょうか。綿毛を付けた草がたくさん生えていました。花は筒状のまま開くことはないようです。


山深くなってきますが、林道が続いているのでとってもイージー。


沢から漏れた水にぬれた林道。



魚谷峠に近い場所の最初のうねり道。




ここでN氏が大きな声をあげました。振り返るとヘビが!N氏はマムシではと言っていましたが、調べてみるとヤマカガシのようです。


本州に生息するヘビは8種ですが、ほとんどはこの4種だそうです。水辺を好む昼行性とのことで間違いないでしょう。カエルが大好物。最近はシマヘビとマムシが減って、ヤマカガシが増えてきたそうです。一度噛まれただけでは毒を注入されることがないこともあり、1970年代までは無毒と考えられてきたが、実は有毒で、血液の止血作用を無力化させるため皮下、肺から出血して死に至ることがあるそうです。毒の強さでいうとマムシ以上。


一瞬景色が開けます。


西側の景色です。特に目立った山はありません。今回のコースでの唯一の展望でした💦


魚谷峠に到着。魚など一匹もいないのに何故こんな名前が付いたのでしょうかね。



N氏撮影。この峠は林道の三叉路になっていますが、この標識の後ろに登山道があります。



長い林道の後でようやく登山道を歩けると、嬉しがってスピードアップするN氏。


難なくすぐに魚谷山の頂上に到着。816m。


ここの頂上が、風が吹いてとても気持ちよかった。まっ平なので、テント場にも使えそうです。


頂上にある柳谷峠への案内板。


途中で見かけたキノコ。かなりの肉厚です。傘がひっくり返っていますが、どうやらアカヤマドリという種です。食用だそうです。


続いて、タマゴダケ。皇帝キノコといわれる食用キノコ。先月鳥海山のふもとで出会いました。こういう落ち葉の多い平らで開けた場所がキノコの生育に適しているのでしょう。


タマゴダケが美味しいと知っていたので採集しようかなと思ったのですが、「タマゴダケと間違えて食中毒死🙏」なんて死に方はしたくないと思い、やめました。

ちなみに後で調べてみると、ありました!その名も「タマゴダケモドキ」。

タマゴの殻状の根から生えるが、傘の色が違うのと、傘に放射線状の線がないのが見分け方だそうです。これなら分かる!食べても嘔吐や下痢で入院するくらいで死ぬことはなさそう。


どこかで柳谷峠を通り過ぎたようですが、沢道に入ります。このあたりから、今回のコースの気合の入れどころが始まります。


ピンぼけですが、このような女郎蜘蛛が樹々の間に巣を張り、行く手を阻みます。女郎蜘蛛さんには申し訳ないのですが、ストックで除けさせてもらいます。それでも時々気がつかず、蜘蛛の巣を顔面に受け止めてしまいます。


このあたりの道ですが、全くテープが無い!このような登山道は初めてです。多分テープをしても木が腐ったり倒れたりして消えてしまうからではと思うのですが、草で覆い隠されているので踏み跡を見つけるのが大変。

今西錦司が建てた北山荘の屋根が見え、訪ねてみたかったのですが、道がみつからず、藪漕ぎが大変なので断念しました。小屋の中には囲炉裏があり、雪山賛歌が額に飾られているそうです。雪山賛歌は京大出身の南極越冬隊員の西堀栄三郎が、アメリカ民謡の「いとしのクレメンタイン」に合わせて詩を作ったものです。

雪よ岩よ われ等が宿り 俺たちゃ 街には 住めないからに


何度も渡渉を繰り返しながら、沢沿いに歩きます。


沢道に悪戦苦闘していたときに、N氏が見つけてくれた今西錦司(いまにしきんじ)のレリーフ。危うく見落とすところでした。

今西錦司は、京都大学名誉教授で、登山家であり生態学者。ダーウィンの生存競争に勝ち残った種が進化という過程を進むという理論に対して、種と種がお互い協調しながら生態系を作っていくという「すみわけ理論」で知られている。


 絶えずN氏と「こっちに道がある」「いやあっちの道のほうがいい」という激論を繰り広げながら沢の脇を進みます。このルートは、水量の多い日は絶対に無理ですね。雨でも降りだしたら大変です。


北山荘の看板です。実際の北山荘はもっと北にありますが。


斜面沿いにうっすらとついた踏み跡。


倒木もいっぱいありましたが、通行不能のようなものはありません。


砂防ダムの上でランチにしました。時々直射日光が差し込み暑い。


丸太橋。真ん中と右がヨレヨレになっている。


柳谷峠を示す看板。こっち方向から向かうのには相当モチベーションが下がるだろう。


去年の台風の被害の跡、手当不能な状態。


滝谷峠に向けての道。ひたすら倒木。


滝谷峠に到着。ここから二ノ瀬にも向かうことができますが、今回は貴船に行きます。


同じような倒木の道。


右手の沢にはかなりの断崖になっている。


振り返っての写真です。ときどきロープ場がありますが、モンベルのトレイルグリッパーが活躍してくれており、滑りません。


貴船口駅への案内板まで降りてきました。


渡渉。


滝の写真。シャッタースピードを変えるだけで随分感じが変わります。


少しシャッタースピードを遅くすると、やわらかい水の風合い。


ようやく登山道が終わりました。


ここから舗装された道です。


貴船神社奥宮。


奥宮への参道にある見事な杉の木。


本当は鮎の塩焼きに生ビールでも、と思って貴船を歩きながらお店を探すも、インバウンド客も入り混じった売り手市場の川床料理屋が並ぶ中、結局、自販機でファンタを飲んで、叡山電車で帰ります。


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