2018年6月2日土曜日

御池岳

御池岳(1247m)は鈴鹿山脈の最高峰です。前の週に登った比良山最高峰の武奈ヶ岳(1214m)よりも高い。

鈴鹿山脈は、中山道の南側にある山脈で、伊吹山と南北で挟んで関ヶ原を自然の関所にしています。よって、この場所を関ヶ原の戦いだけでなく、壬申の乱など古くから東西勢力の戦いの舞台にしてきました。



さて、御池岳の登山口は鞍掛峠の下を通るトンネルの東と西の両方にあります。「関西の名山ベスト」によると東口から登るように書いてあったのですが、どっちでもいいや、と軽い気持ちで相棒の運転する車に乗って西側から向かったところ、通行止めになっており、途中で車を停めて西側登山口のかなり手前からスタートすることになりました。


これが航空写真です。山沿いのうねった道の部分が通行止めになっており、その手前から歩きはじめました。線が二本になっているのは往復ルートです。ときどき変な方向へ行っていますが、道を間違えたから。


こちらがうねる部分の手前。通行止めで番人(?)がいます。暑い中ほとんど人もこないだろうにヒマだろうな。


かわりに、この林道から歩きはじめますが、この道も崩落しており車は走れません。


すこし進むとこのような事態に遭遇。土砂崩れを堰き止めたように見えるのですが、「ここ登れ」とばかり脚立が立てかけてあります。登ってみると脇に細い道がありました。


土砂崩れ後を超えるとしばらく道が続きます。前に続く道は御池岳へのショートカット。「御池谷ヒルコバ難路」と書いてあります。渡渉がありそうです。安全な通常ルートを進みます。


視界が開けましたが、実はここまでが急坂続きで結構大変でした。


鞍掛峠に到着。


鞍掛峠からは基本的に尾根沿いの道となります。


尾根沿いもそこそこ歩きごたえがあります。


御池岳に行く途中に、鈴北岳を経由します。また御池岳の先に景勝地がありそうなのでそこにも行く予定です。


航空写真です。鈴北岳から先は土色をしていますね。


鈴北岳が近づいてくると開けた道になります。


道程に一本大きな木が白い花を咲かせていました。調べてみたけれど白い花を咲かせる木が多すぎて何かわからない。ナナカマドかヒトツバダゴか。どっちも違うような気がする。


いよいよ鈴北岳の頂上が見えてきました。


琵琶湖もうっすらと見えだし、広がった景色もよいので、今日の登山は相棒は気に入ったようです。


鈴北岳でお昼ご飯を食べたらいよいよ御池岳へ向かいます。頂上は見えています。

頂上からはイヌワシが悠々と滑空している様子が見えました。


鈴北岳から御池岳へ向かうメインルートは左側なのですが、間違えて右側のルートを辿ってしまいます。このルートは谷になっているので沢があります。その先には御池岳の頂上がありますが、頂上には行かず、頂上のさらに先にあるボタンブチに行ってから頂上に行き、メインルートで鈴北岳に戻ることにしました。


御池岳の頂上付近はテーブルランドと言われる広大なカルスト地形です。

カルストとは古代に石灰質の殻を持つ海洋生物の残骸の堆積物が岩上になり地表に隆起したものが雨などが浸食してできたもの。

写真は石灰岩柱、カレンフェルトと呼ばれています。本当は周りの石灰岩が溶けて残ったものなのに、まるでたくさんの白い岩石が引力で一か所に集まったように見えます。


これはドリーネと呼ばれるもので、地中の石灰が溶解したせいで、地表が陥没したものです。これも、誰かが掘ったようにしか思えません。

カレンフェルトもドリーネも昔の人たちはどのように考えたのでしょうか。御池岳という名前も、ドリーネ池が数多くあるから命名されたものです。


ブナの内部がなくなって苔むしているところが笑う顔のよう。


間違えて歩いたルートですが、一応登山道。この八合目からが沢沿いで歩きにくかった。


あまり人が入らないせいか青々としたコケが美しい。



ボタンブチに到着。


足元を見ると石灰の断崖絶壁。


右にある天狗の鼻を見ると、誰かが上に登って写真を撮っています。こわごわしてますね。



さすがにテーブルランドと言われるだけあります。1000m以上の頂上とは思えません。



西を向いています。山々の向こうは東近江。右にはうっすらと琵琶湖が見えます。


御池岳頂上に到着。特に見晴らしがいいわけではないです。


ここからメインルートで鈴北岳へ戻ります。


ドリーネ池。御池岳の所以。



高原に二本の木。夫婦のようですね。


鞍掛峠に向かって下山。帰りはガスがなくなって、いなべ市がよく見えてきました。貯水池とゴルフ場が確認できます。


このうねうね道が通行止めになっている部分。


拡大して見ると、ここが土砂崩れの場所ではないかと思われます。この斜面の部分に道路を作ると土砂崩れに危険性はかなり高いというのは素人でもわかりますが。


行きに見かけたナナカマドかヒトツバダゴかの木。


鞍掛峠に戻ってきました。なにやらカワイイ地蔵さんですね。

ということで、御池岳に行くときは、かならず鞍掛峠の東側に向かいましょう。あと、御池岳まで行かなくても鈴北岳に行くだけで充分登山気分を味わえます。


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