今回は鈴鹿セブンマウンテンの最高峰である雨乞岳(1238m)に行ってまいります。
雨乞岳は、近江八幡北を河口とする愛知川(えちがわ)の源流となる山です。山頂にある池(大峠ノ沢)で昔、農民たちが雨乞いをしていたことが名前の由来になっています。
今回の雨乞岳をやっつけると、鈴鹿十座はいよいよ残すところ竜ヶ岳と釈迦ヶ岳だけになります。
鈴鹿名山には、滋賀県東近江市による鈴鹿十座というグループもありますが、こちらはまだまだ未踏の名山が残っています。
3Dで見るとこんな感じです。今回の登山ルートは御在所岳と鎌ヶ岳の間にある武平峠から谷沿いを進んで雨乞岳に向かいます。近くには御在所岳や鈴鹿十座の一つであるイブネ(1160m)もあります。
詳細なルートです。多分このルートが雨乞岳登山の最短かつ人気のルートではないかと思います。このルートの他にすぐ下のいっぷく峠、沢谷の頭を経由して直接東雨乞岳に向かうルートもあります。
最短ルートではあるのですが、渡渉がとても多いルートでもあり歩きにくいのと、ヤマビルが出没するルートでもあります。
幸い今回はしばらく晴天が続いたせいで、沢の水位も低く、ヤマビルにも全く出くわすことはありませんでした😃。
累積標高826m、合計距離約10km、今回はいつもよりゆっくりめに歩いて約7時間の山行でした。今日のような沢の水位が低い日を選べば、特に難易度も高い山ではありませんです。
N氏運転で新名神を通り、武平峠に到着したのが8時過ぎでした。
武平トンネル手前(西側)の整備された駐車場が満車だったのでトンネルを抜けると登山口すぐ横の駐車スペースに停めることができました。他にも数カ所空いている駐車スペースがありました。
ネットを見ると日曜日は朝5時には満車になるという書き込みがありますが、おそらくトンネル手前の整備された駐車場のことで、9時前にくればどこかしら駐車できるかと思います。
今回は6月の沢沿い歩きということでヤマビルにたかられる❗ことを考えて、靴と靴下の隙間あたりにたっぷりと「ヒル下がりのジョニー」を吹きかけます。筆者はさらにスパッツを装着しました。
ヤマビルはどんな隙間も入り込んできて血を吸いますが布地を破ることはできないらしく、最も効果的な装備はパンストのようで、メンバーの一人(♂)はパンスト装着で立ち向かいます。
これだけ対抗措置を取りましたが、結果的には一匹のヤマビルにも遭遇することはありませんでした。調べてみると、晴天が1週間ほど続くとヤマビルは著しく不活発になるらしく、それが幸いしたといったところでしょうか。
この錆びたガードレール脇の小道が雨乞岳への登山口です。このすぐ横に林道があるので間違って行ってしまわないように注意です。
登山口を入って少し歩いたところが開けていてルートがわかりにくいですが、GPSとテープをたよりに沢谷へ進みます。
沢谷峠を過ぎてふと後ろを振り返るN氏。
登山口から約1時間でクラ谷分岐にやってきました。ここはクラ谷とコクイ谷の分岐点なので、「コクイ谷」分岐とも言われます。ここからコクイ谷を通って七人山を反時計回りに周ってイブネに行くルートも良く使われるルートのようですが、道迷いで遭難する事故が多いようです。
クラ谷に向かう道。何度も渡渉を繰り返します。今日は明らかに水量が少なくてよかったです。まとまった雨の後はかなり難易度が増すことは間違いないでしょう。しかもヤマビル総攻撃のおまけつき。
クラ谷の最低部です。大きなクルミの樹があります。里山として伐採された後に株立ちしたものがここまで大きくなったのでしょうか。ここで一休み。
クラ谷とともに渡渉が続きます。
ツツジは種類が多くて同定するのが難しいのですが、これはどうやらヤマツツジのようです。似ているのにレンゲツツジがありますが花が円周上に咲くのでレンゲツツジではないように見えます。
陽が透けた緑が美しいトチノキ。5~7枚の手のひら状の葉は大体トチノキかコシアブラだそうですが、トチノキは5~7枚の葉の付け根が密着している。
七人山のコルに近づいてきました。まだ沢が続きますが、沢に突き出した樹が角度を変えて垂直に伸びています。
七人山のコルを過ぎて、沢歩きも終わって少し足取りが軽くなります。
今回は七人山には寄りませんでしたが、50mほど登れば頂上に行けるようです。近くに三人山という名前の山もありますが、「〇人山」の由来はわかりませんでした。
「コル」とは頂上と頂上の間の鞍部のことを言います。ちなみに「峠」も同じ地形のことを称していいますが、コルは頂上から頂上へ尾根歩きをするときの名称で、峠は尾根を乗り越えるときの名称だそうです。
景色が開けると、今年4月に登った鎌ヶ岳の雄姿が見えます。頂上下には赤ザレが確認できます。あの赤ザレはなかなかスリリングでした。
花びらの先が四角い珍しい花です。調べるとオニタビラコというタンポポの亜種でした。
クラ谷で見たのはヤマツツジでしたが、これはレンゲツツジかな?
東雨乞岳頂上に行くにしたがってクマザサの背が高くなっていきます。それでも道はまだはっきりわかる。
東雨乞岳頂上から、杉峠を経てイブネへのルートがはっきりと見えます。ここから見ても真っ平なイブネは一面が苔に覆われていて「鈴鹿の奥座敷」と呼ばれています。鈴鹿十座に名を連ねているのでいつか行きたい山です。
右が鎌ヶ岳で、左が御在所岳。この間の武平峠から登ってきました。
東雨乞岳頂上から雨乞岳頂上までの尾根沿いルートが明瞭に見えます。こうして見ると気持ちの良いルートのようですが、実際は藪の中を抜けていくのであまり楽しくはありません。
雨乞岳頂上です。登山口から3時間強で到着しました。東雨乞岳が大変広々としていていたのに対して雨乞岳頂上はせまくてランチを食べる場所がありません。
雨乞岳頂上に立つと今年1月に雪山登山した綿向山(わたむきやま)が見えます。頂上の三角の「青年の塔」が視認できます。雨乞岳から綿向山までは約3時間で行けるようです。
ちなみに今年1月に綿向山に登った際に撮った青年の塔の写真。
広々とした東雨乞岳に戻って、本日のランチは、メスティンで作ったスパゲティミートソース。仕上がった時点で水が残らないようにアルデンテでゆでるのが少し工夫が必要。
来た道を再び戻りながら下山。渡渉が多く行きと帰りとで景色が変わるので道を間違えないように歩きます。
ランチを終えて約2時間半で武平峠の登山口に戻りました。帰りはN氏提案の「アクアイグニス」という施設にある片岡温泉で体をさっぱりさせてから帰路につきました。
4月に鎌ヶ岳の帰りに寄った希望荘の温泉も良かったのですが、アクアイグニスは2012年開業と新しく、温泉というより、レストランやいちご狩りも楽しめる近代的な複合型リゾート施設です。新しく作られる施設はどんどん洗練されていくなぁと思わせる場所でした。
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