2022年6月19日日曜日

【鯖街道】百里ヶ岳

 (登山道で見かけたギンリョウソウ)



梅雨入りして蒸し暑くなってきました。丹波篠山の畑の他に、大津市の仰木の里(おおぎのさと)で「棚田オーナー制度」という取り組みがされており、滋賀で生まれた品種「みずかがみ」を育てています。5月14日に田植えを行い、約一か月後でこんなに生長しました。

稲には「分けつ」という特徴があり根元からどんどん芽が生えてくるため、あたかも株が増えたかのように見えます。



さて、百里ヶ岳ですが、鯖街道の一つである鞍馬街道の途中の「針畑越え」に位置しています。鞍馬街道は京都への最短ルートであるだけでなく、山中で寒いため鯖の身が引き締まり美味しくなったそうです。運び人夫は大変だったでしょうが💦



駐車場近くにあった観光案内の看板を赤で囲みましたが、今回の登山ルートの多くは滋賀県高島市朽木にありますが、すぐ西側は京都府で、すぐ北側は福井県です。



百里ヶ岳は鯖街道に位置するだけでなく、全長約80Kmの高島トレイルの一部にもなっています。ちょうどこの日(6月19日)、琵琶湖高島トレイルランニングが開催されていましたが、ちょっとこのルートをトレイル(尾根道)というには無理があるような。
これも観光案内の看板です。


これが詳細ルートになります。山帰来(さんきらい)という観光センター的な施設の前に車を停めて、小入谷(おにゅうだに)を進み、バス停から反時計回りに周回するルートです。

百里ヶ岳頂上踏破のあと、根来坂峠から山帰来までの道が鯖街道の針畑越えの一部となっています。

ちょっとしたアップダウンがとても多いのですが、登山道はよく整備されており大変歩きやすく大きなブナが多く自生していて気持ちよいので歩いているうちに頂上についてしまったような感があります。

百里ヶ岳は関西100名山の一つに名を連ねていますが、頂上の展望はあまりよくありません。おそらくですが、早くに日本遺産に認定された鯖街道の一部というところが名山となった理由でしょうか。

合計距離が約11km、累積標高753m、昼食以外におやつタイム2回で合計時間約7時間でした。



こちら小入谷のバス停。




小入谷登山口。



しばらく歩いたところにクワガタ発見!ミヤマクワガタという種類。頭の後ろが突き上がっているのが特徴です。



今日は筆者をいれて4名のパーティーです。



ギンリョウソウ。I氏が教えてくれました。緑色でないのは光合成をしないからで、菌類に寄生して菌類から養分を吸収するそうです。それでもキノコではなくて植物。



百里ヶ岳はブナがとても多いのです。日本の山は植林された直立の杉がやたらと多いのですが、ブナの樹形にはとても自然を感じさせてくれます。



歩き始めて約2時間、シチクレ峠手前に崩れ場があります。断崖ではないのですが、注意して進みます。



ここはパノラマが広がる眺望ポイントでもあります。



シチクレ峠に到達。



今、このあたり。



第一回のおやつタイムは、肉まんです。ここで約30分談笑😆



百里ヶ岳へ向かう尾根から見えた景色。左に蛇谷ヶ峰、右奥には武奈ヶ岳が見えます。



気持ちの良い尾根沿いの道。



百里ヶ岳頂上までちょっと注意を要する場所もあります。



ブナの幼木から大樹まで。関西でこれだけブナの多い山は初めてです。これだけでも百里ヶ岳に行く価値があります。


ブナの茂みで振り返るI氏とN氏。



30分のおやつタイムをいれて約3時間20分で百里ヶ岳頂上に到達。頂上は広めでランチ場所には困りませんが、眺望があまりよくありません。



大樹に巻き付いているのはツルアジサイ。初めて見ました。



分岐地点まで戻ってきました。ここからスタート地点に反時計回りに進みます。



根来坂峠に来ました。やさしいお顔のお地蔵さんを祀った祠があります。



この根来坂峠は南北に通る鯖街道の一部です。76kmを一日で駆け抜けるのでお地蔵さんには軽く会釈をして通り過ぎたのでしょう。



根来坂峠にスペースがあったので、第2回のおやつタイムにします。ちなみに、「根来」は「ねごり」と読みます。



第2回のおやつは、Tさんが持ってきてくれた冷やしたあんみつ、台湾烏龍茶、筆者自家製イチゴジャムをいただきました。ここで約50分談笑😆

(N氏撮影)



(Tさん撮影)



ゴールに向けて歩きだします。途中でみかけたコアジサイ。装飾花であるガクのないシンプルなアジサイです。



少しやせた巻き道。



ヤマツツジとレンゲツツジの違いが難しいのですが、多分レンゲツツジ



焼尾地蔵にやってきました。右上に鯖の木製プレートがぶら下がっています。鯖というより鯛に見えますが。



ここから舗装道路になりますが、すぐに登山道に戻ります。新旧オスプレーのザックで並んで歩くI氏とTさん。



再び登場したギンリョウソウ。なかなかのベストショット😀。



こちらにも。




小入谷の登山口までやってきました。2回のおやつタイムをいれて約7時間の楽しい山行でした。



帰り道そこらじゅうに咲いていたのがこの花、ジキタリスです。毒にも薬にもなる草です。



2022年6月17日金曜日

竹田城

 (竹田城天守址を中心に)


いよいよ梅雨入りです。我が丹波篠山の菜園では夏野菜がすくすくと育っていますが、なかでもトウモロコシの成長速度には驚かされます。2カ月半で種から2メートル近く成長する野菜は他には知りません。

トウモロコシは一株に一つの実を充実させるために、他の実は間引きしてしまいますが、その間引きした実がいわゆる「ヤングコーン」です。小さいときに食べると美味しく食べられます。この髪の毛みたいなのがメシベになっていて、2m上空のオシベからの花粉で受粉しますが、トウモロコシの粒一つ一つに毛がつながっているのが驚きです。



さて、竹田城ですが兵庫県朝来市(あさごし)にあります。昔でいうところの但馬國です。丹波國だと思っていました。丹波篠山から舞鶴自動車道で春日ICで北近畿豊岡道に乗り換えて和田山ICで下りてすぐのところです。



雲海に浮かぶ竹田城の写真が有名ですが、丹波篠山と同様、朝に霧が出るのは秋になります。あの景色を見るには竹田城から南へ2kmほどのところにある立雲峡(りつうんきょう)から眺めることになりますが、良い写真を撮るには望遠レンズがいるでしょう。


(Google Earthで立雲峡から見た竹田城址)



今日は観光駐車に車を停めて、情報館「天空の城」で竹田城のジオラマを見ます。

この地に城を建てたのは山名氏が最初になりますが、その後、太田垣氏7代が城主となります。そして、戦国時代となり1577年に織田信長の命を受けた豊臣(羽柴)秀吉が攻め落とし、新たに再設計をしました。ちなみに城の設計をすることを「縄張り」と言います。



竹田城は南北400m、東西100mで最高地点は天守台のある353mです。北千畳、南千畳、花屋敷と三つの曲輪(くるわ)から構成されています。曲輪とは石垣で囲んだ砦状の構造物です。

「日本のマチュピチュ」とも呼ばれますが、石垣の残り具合、山の頂上にあってかなり広いこと、近くに山が見えることから確かに似ているなと思いました。広さはマチュピチュのほうが断然広いですが。

登りは最も一般的な駅裏登山道を使い、帰りは表米(ひょうまい)神社登山道で下ります。表米神社登山道は登りに比べると段差が高いので若干注意が必要です。ゆっくり歩いて登り時間約30分くらいです。



JR播但線の線路。



お寺が立ち並ぶ寺町通り。前には水路が流れ、大きな鯉が泳いでいます。



15分ほどで駅裏登山道の入り口に入ります。



最初は非常によく整備された階段道。



すぐに階段がなくなり一般的な登山道になります。歩きにくくはないですが、しっかりめの靴がよいでしょう。



30分ほどで竹田城入り口前のチケット売り場に出てきました。今日は蒸し暑いのでかなり汗をかきました。



竹田城の石垣は、豊臣秀吉が大津市坂本から呼び寄せた穴太(あのう)衆によって建設されました。このような長方形の石の長辺と短辺を組み合わせながら石垣の角を積んでいく技法を算木積みといいます。



こちらが北千畳に通じる正面玄関である大手門



城址には桜の木が多く植えられています。一本一本がかなり大きい。



城下町を見下ろす。



天守台を見上げる。



天守台から北千畳を見下ろす。



天守台を下りて南千畳へ向かいます。



南千畳から天守台を振り返る。



南西の方角、円山川沿いに播但の鉄道と高速道路が走る。




下りは20分ほどで表米(ひょうまい)神社裏に下りてきました。



土俵があって、歌舞伎の舞台もあります。周りには石積みの観覧席が段になっています。かなり本格的なエンターテイメントシアターだったのでしょう。



水路を泳ぐ大きな鯉を見て駐車場へ戻りました。ちなみにお昼を食べた「そば処伊とう」は大変おススメです。