2019年6月3日月曜日

諭鶴羽山(淡路島)

淡路島の最高峰といっても、たぶん淡路島以外の人は誰も知らないと思います。

標高608m、関西百名山の一つです。

地形図を見るとわかりますが、葛城山から四国の伊予富士へつながる尾根の一つが諭鶴羽山です。六甲山から淡路島の縦につながる尾根の一部でもあるように見えます。

大阪湾は隕石がつくったクレーターか?とも思いましたが、沈降によるものだそうです。


このあたりの地形を説明している国土交通省の資料がとてもわかりやすい。六甲淡路島断層帯に東西からプレート移動の圧力がかかり、大阪湾(大阪湖)が沈んだと書かれています。


京都から車で2時間半、淡路島南ICで地道に降りてすぐの所に国民休暇村で一泊することにします。


食堂でビュッフェスタイルですので、お値段もお手頃。ハマチの刺身が美味しくて三皿いただきました。淡路島名物の玉ねぎも素晴らしい。

写真は食堂から見る景色。


これは部屋から見える景色です。鳴門大橋が近くに見えます。露天風呂の温泉があり、これと同じ景色がパノラマで味わえます。


休暇村のサイトより。


翌朝、温泉に入ってまたビュッフェスタイルの朝食を食べて、いよいよ登山です。
車で30分弱のところに、諭鶴羽ダムがあり、そこに車を停めます。


諭鶴羽山へのヤマレコルートです。駐車場からダムの向こう側に登山口があり、そこからなだらかな道が伸びています。


ダムの向こう側へ渡ります。このダムは発電用ではなく、洪水調整用に1968年に造られました。以前は台風が起きると洪水被害が甚大だったようです。


ダムがつくった、大きな湖。


向こう側に渡ると、さっそく登山口が出てきます。ここから山頂近くにある諭鶴羽神社までを「裏参道」、諭鶴羽神社から海にいたるまでを「表参道」と言い、あわせて諭鶴羽古道と言います。

今回は裏参道の往復です。表参道は荒れているそうです。



最初は杉林の中を登ります。山頂まで約2.7キロの距離。


登山道には一丁(約110メートル)毎にやさしそうなお地蔵さんの像が置かれています。


石碑がありますが、何て書いてあるのかよくわからない。


神倉(かんのくら)神社。以前は行者の方々がお祭りをされていたが高齢化のため今はない。伝説によると、イザナギ、イザナミを載せた鶴がここで羽を休めたということ。

熊野権現が九州地方から熊野新宮に移るときに、四国やここ淡路の諭鶴羽を渡ってきたことで、ここでも盛んに行者による修行が行われていたらしい。

大国主命(オオクニヌシノミコト)の頃、朝廷が九州から奈良地方に移ってきたことに大いに関連があるように思えます。



登山道の標識には、諭鶴羽ダムではなく、牛内ダムと書かれています。牛内ダムは、1968年に最初に諭鶴羽ダムができたあと、台風被害対策として1975年にさらに追加で建設された4つのダムの一つです。


登山道はなだらかで、岩場もなく、普通のスニーカーでも気持ちよく歩ける道です。
ここにもお地蔵さんのマイルストーンが。



標高608mで、実質の高低差が420mくらいだったので、すぐに山頂に到着。素晴らしい景色を期待していた割にはそうでもありません。何より山頂が平坦で回りに樹々が茂っているので景色が遮られています。


こちらは北東方向です。この下の左方向から登ってきました。連なる山々が最初に説明した六甲-淡路島断層帯で盛り上がった地形です。


山の部分の拡大


こちらは四国方面。


拡大してエンハンスしてみました。中央右手にかろうじて鳴門大橋がわかるかな?


もうちょっとガスが少なければ四国の東側がもっと見えるのでしょうか?


山頂からしばらく下っていくと諭鶴羽神社がありました。
奥本霊神と書いてありますが、調べても何もわかりませんでした。


電気で灯篭をともしていますが、良い気が感じられる写真。




諭鶴羽神社の本殿。平安時代には28の大伽藍が立ち並ぶ壮大な場所だったそうです。


何かの気を感じます。エノキでしょうか。


親小杉。



諭鶴羽神社を後にして再び頂上に戻ってきました。左のコンクリートの台の上で景色を見ながら、おにぎり二つと玉子スープを食べる。


岩場もないので下山はすぐに終わり、ダムに戻ってきました。
この石を担いで下山したという伝説。アイアンマンでも無理じゃないかな。


ダムを渡って駐車場に戻ります。


この尾根沿いに左から右上へ登って行ったことになります。


帰りに立ち寄った淡路ハイウェイオアシスから見た明石大橋の見事な姿。


この海沿いにこんもりしている場所が須磨浦公園。源義経達が馬で駆け下りた奇襲作戦で有名な一の谷の合戦の場所です。

諭鶴羽山もあの山も同じ尾根がつながっていると思うと地球の雄大さを感じます。


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