2019年3月17日日曜日

京都府立植物園

昨年12月に樹木ツアーに参加して以来、樹の名前が気になってしょうがないので、勉強もかねて京都府立植物園に行きました。

場所は、地下鉄烏丸線一本です。地図の通り、東へ折れる鴨川を、西へ折れる烏丸線がくぐり抜けたところにあります。北山駅を降りると真ん前なので、京都人にとっては、本格的な植物園がこんなに簡単にいけるわけで、本当に京都っていい町だなと感じます。



日本で最初の公立植物園で、24ヘクタール。シンガポール在住時代によくいっていたシンガポール植物園の約半分の大きさがあります。戦後は占領軍の住宅地になっていたそうです。



最初の木はクロガネモチです。


モチノキの見分け方は、葉っぱがプクっとしているところかな。秋には南天のような赤い実をたくさんつけます。3月で見ての通り常緑樹。


次はバクチノキ。初めて見ました(前に見たかもしれないけど名前がわからない)。
皮をむかれたみたいな樹皮が特徴ですが、絶えず10㎝ほどの樹皮がはがれ落ちるところが、「衣をはがされる」ことに例えて博打になっています。バクチノキというと、何やら博打に勝てそうな印象ですが、逆ですね。これも常緑樹。


これは馬酔木(アセビ)です。ツツジの種類ですが、葉に軽い毒があり、食べた馬が酔っぱらったようになることからこの名前がついています。常緑低木。


モミの木。クリスマスツリーに使われるので判別できる(かな?)。松の仲間です。常緑針葉樹。


テーダマツ。同じ松でも樹皮がゴロっとうろこ状になっているのが特徴です。



アラカシ。叩いてみるとやっぱり非常に硬い。ドングリは樫の実です。硬いから重量のある本体を支えるためか根に近い部分が非常にしっかりしています。根の部分が板状になって本体を支えているものを板根(バンコン)といいます。常緑広葉樹。



ヒノキは檜皮葺(ひわだぶき)として屋根などに使われたり、檜風呂のように建材にもつかわれます。古代は火をおこすのに使われたことから、ヒノキと言われるようになったそう。針葉樹。



桂(カツラ)。落葉樹なので枯れ木のように見えます。京都を代表する木です。



3月の半ばというのに桜が咲いています。椿寒桜(ツバキカンザクラ)。別名、初美人。
雑種の桜だそうですが、花期が長いので人気で各地に広がっているようです。



こちらもカンザクラの雑種で、修善寺寒桜。



寒緋桜(カンヒザクラ)。これはれっきとした原種。まだ満開ではないけれど、下向きに咲く姿が美しい。椿寒桜も修善寺桜もカンヒザクラのかけ合わせ。


オカメザクラ。これも元はカンヒザクラ。


青空をバックに。十分花見ができます。


唐橋(カラバシ)。中国原産のカラミザクラの派生。ほとんど見分けがつきませんが。


これが原種のカラミザクラ(唐実桜)。



さて、早咲きの桜を鑑賞したあと、温室に入ります。京都の植物園の温室というとちっちゃいイメージですが、なかなか立派なもんです。

入口に展示されていたのが、モンキーオーキッド。蘭の一種で、蘭にしては、とっても小さな花ですが、中をのぞくと、確かにモンキーの顔が。


ピンクの猫じゃらしみたいなのは、ベニヒモノキ。



アフェランドラ・シンクライリアナ。



ヴェルクレア・フェロックス。風車のような形が印象的。


温室内にいると、まるで東南アジアにいるような湿度を感じます。



ヒメフヨウはハイビスカスの仲間だそうですが、このヒメフヨウの種類は花が下を向くということで、ウナズキヒメフヨウという名前になっています。



イランイランの木。イランイランとはタガログ語で「花の中の花」という意味で、花から抽出する香水で有名だそうです。残念ながら花は咲いていませんでしたが、茎跡が目のように見えて面白い。



カカオの実がなっています。南米の高度300メートルあたりに育つそうです。



こちらはコーヒーの実。成熟に9カ月もかかる。世界のコーヒーの7-8割はアラビカ種で、こないだベトナムで飲んだコーヒーはロブスタ種といい味にクセがある。



屋根は開閉式になっていて、温度や湿度調節をしています。自動なのかな。なかなか本格的な施設です。



フクシア・ボリビアナ。アンデス山系の植物。繁殖力が強くハワイでは有害植物に指定されているそうです。



ベルトローニア・マクラタ。ブラジルやベネズエラの観葉植物。映画アバターの世界にでてきそうなミステリアスな花。



金鯱(キンシャチ)。スイカのような形が印象的で、よく売られているようですが、原種は火山岩だらけの切り立った場所にしか自生しないそうで、なんと絶滅危惧種だそうです。



バオバブの実。水分が豊富なだけでなく、ビタミンCもオレンジより多く、カルシウムも牛乳よりも多いそう。外見は短い毛がみっしりと生えていて気持ち悪い。
木の部分は撮影しませんでしたが、40メートル以上の大木になり、数千年の寿命をもつすごい木です。中に10トンもの水分を含むそうです。



ケストルム・ファスキクラツム。メキシコの常緑低木。


この花はメモを取るのを忘れたけど蘭の一種だったかな?



温室を出て外から撮影。こうしてみるとかなりの大きさであることがわかります。



ちなみにシンガポール在住時代に撮ったガーデンバイザベイの植物園の写真2枚。向こうに見えるのはマリーナ・ベイ・サンズ。やはりゴージャス感が全然違います。

まあ、京都はゴージャズ感を美徳としていないので、京都は京都ということで。




開園当初から植えられた樹齢100年に近いクスノキの並木道。常緑樹のクスノキの葉が風に揺られると波と同じ音がします。


川端康成の古都でも描かれているクスノキ並木。心を和ませてくれる不思議な力を感じます。



アキニレ。落葉高木。秋に花が咲くことから名前が付いています。ニレはケヤキの仲間なので枝ぶりが似ているけれど、枝分かれが左右非対称なところが違うようです。
ジグザグに枝が伸びているせいで、なんとなく不気味な印象のする木です。


楡(ニレ)の英語はElm。そういえばエルム街の悪夢なんて映画がありましたが、海外でも Elm Street というと不気味な印象なのでしょうね。



この二枚は椋木(ムクノキ)。落葉高木、エノキと同じバラ目アサ科で、正直どう見わけをつけるのかわかりません。調べてみると葉っぱの違いで見分けるしかないようで、ムクノキの葉は、側脈が葉縁に達するが、エノキはまるまって達しないという微妙な差のようです。葉っぱが落ちていたらどうしようもないですね。


エノキと言われれば、そうですか、と思ってしまう。



メタセコイア。落葉樹。カナダにいっぱい自生しているようなイメージがありましたが、実は化石としてしか残っておらず、絶滅したものと考えられていたところたまたま中国で自生が見つかったそうです。一方植林としては日本の気候にも合うので並木などで植えられているようです。まっすぐ三角形の形をした、子供のお絵かきに登場するような木。



最後はタケとバンブー。竹を英訳するとBambooですが、竹が地下茎を横に伸ばしながら増えるのに対して、バンブーは地下茎がほとんどなく、株が横並びに増えていく。

これはバンブー。根の部分が密集しています。確かにこれは「竹」ではないという感じがします。


やはり日本の竹、京都の竹はこうでないと、と思わせます。


ということで、京都府立植物園はまだまだいっぱい勉強できそうですが、見るのもブログを書くのも疲れてきたので今回はこのあたりにしておきます。

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